花屋が解説!切り花を長持ちさせる水あげ方法7種|花の種類、意味、理由

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山田智美

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花を長持ちさせるための一般的な水あげの方法と、それぞれの意味や理由について解説します。切り花を長く楽しむために役立ててください。

目次

切り花の水あげとは?

切り花の水あげとは?

切り花の水あげとは、適切な処理を施し、水を吸収しやすい状態にすることを言います。つまり、切り花を長持ちさせるための作業です。

植物の茎の中には水や栄養を吸い上げるための道管(どうかん)という管があり、この中に空気やバクテリアが詰まると水を吸い上げにくくなり、花が萎れてしまいます。

水あげをする理由は、バクテリアの発生を抑え、水を吸収しやすい状態にすることで、花を長く楽しめるようにするためです。

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切花の水あげ方法|家庭で行う基本の水あげ

切花の水あげ方法|家庭で行う基本の水あげ

生花店で販売されている切り花は、通常、事前に水あげされています。なので、よっぽど状態が悪くない限りは基本の水あげで十分です。

また、お庭やバルコニーで摘んだばかりの花は、すぐに水に生ければ、水あげの必要はありません。

水あげ前の下処理

水に浸かる部分の葉は取り除きます。理由は、葉が水に浸かっていると、水が腐りやすくなるからです。

また、葉がたくさん付いているようなものは、適宜間引くようにしてください。植物は、葉から水分が蒸発するので、取り除くことで余計な水分の蒸発を防ぎ、蒸れて傷むのを防ぐことができます。

基本の水あげ

水を張った花器と清潔なハサミやナイフを用意してください。切り花の茎を下から1cmくらいのところでカットします。これは、切り口の鮮度を良くし、水を吸い上げやすくする処理です。

この時できるだけ切り口が斜めになるようにカットしましょう。切断面の面積が増えてよりたくさんの水を吸い上げられるようになります。

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切花の水あげ方法|水切り

切花の水あげ方法|水切り

水切りとは、水の中で茎を切る方法です。ほとんどの花はこの方法で水の吸い上げが格段に良くなります。

水を張ったバケツと清潔なハサミを用意してください。切り花を新聞紙などで巻き、茎を水に浸した状態で水の中で下から1cmくらいのところでカットします。2~3時間そのまま水に浸けておき、水が上がったことを確認して好みの花器に生けます。

この方法は、茎に空気が入ることなく切り口の鮮度を良くすることができます。

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切花の水あげ方法|湯あげ

切花の水あげ方法|湯あげ

湯あげとは、熱いお湯に浸ける水あげ方法です。

水を張ったバケツと、0.5~1cm程度水を入れた鍋を用意します。切り花を新聞紙など通気性のある紙で包みます。花に湯気が当たらないように上までしっかりと包むようにしましょう。

鍋に湯を沸かし、切り口を20~30秒湯に浸したら、すぐに水が入ったバケツに入れます。2~3時間経って花がシャキッととしたら水から出し、煮えて変色している部分の茎をカットして、好みの花器に生けます。変色している部分をそのままにしておくと水が傷みやすくなるので、必ずカットするようにしてください。

湯あげは、道管の中の空気を抜いて一気に水を吸い上げさせる方法です。スカビオサのような茎が華奢な草花や、クリスマスローズやダリアのような水の吸い上げが良くない花に有効です。

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切花の水あげ方法|枝を割る

切花の水あげ方法|枝を割る

枝の中心を割る方法です。固い枝物に有効な方法です。サクラのような太くて固い枝はさらに十字に割ると効果的です。

枝の切断面をよく見て、中心にある芯の部分をハサミなどで割ります。この時に使用するのは剪定バサミや枝切りバサミが向いています。枝が太く、ハサミが入らないような時はノミを使うこともあります。うまく中心部に刃物が入ると気持ちが良いくらいにスパっと割れます。

枝を割る理由は、ハサミで切りづらい固い枝を割ることで吸水面を広げ、水の吸い上げを良くするためです。

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切花の水あげ方法|叩く、潰す

切花の水あげ方法|叩く、潰す

枝物や茎が太いものは、叩いて繊維を潰すという方法もあります。

床に傷がつかないように新聞紙などを敷き、茎や枝をハンマーなどの固いもので叩いて繊維を破壊します。余計なごみを取り除いて、そのまま花器に生けます。

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切花の水あげ方法|皮をはぐ、綿を取る

切花の水あげ方法|皮をはぐ、綿を取る

切り花の水の吸い上げを良くするために、茎の中にある中綿を取ったり、表皮を剥ぐ方法です。これはアジサイやライラック、スノーボールのような枝物に有効です。

ナイフなどで大きく斜めにカットし、中に入っている綿のようなものをナイフの先で掻き出します。さらに表皮をナイフで削るように剥ぐと、枝の中からも外からも水を吸収できるようになり、吸い上げが良くなります。

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切花の水あげ方法|焼きあげ

切花の水あげ方法|焼きあげ

焼きあげとは、茎の先を焼くことで吸い上げを良くする方法です。

切り花に熱が伝わらないようにしっかりと新聞紙で包みます。切り口を1cm程度直接炎にかざして炭化するまで焼きます。この時、花に熱が当たらないように茎は炎に対して垂直にかざしてください。

焼き上げは、殺菌と道管の中の空気を抜いて水の吸い上げをよくする方法です。ただし、この方法は時間と手間がかかるので家庭には向いていません。花屋でも行わないことが多い方法です。枝を割ったり、叩いたり、綿を取るなどの方法で十分です。

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切花を生ける水の量

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自宅で花を生ける際の切り花の水の量は、茎が半分程度浸かる程度を目安にするとよいでしょう。

また、花の種類によっても適切な水の量は変わります。チューリップやヒヤシンスのような球根植物の花は、浅水といって水を少なめにした方が茎が傷みにくくなります。

ユリやダリアなどは、深水といって水を多めにしたほうが長く花を楽しめます。

水の交換

切り花を長く楽しむなら、できるだけ水は毎日交換するようにしてください。バクテリアが発生するのを防ぐためです。

水を交換するタイミングで花器もさっと洗うようにすると、さらに清潔な状態を保つことができます。

茎の切り戻し

水を交換する際に茎も1cm程度切り戻すようにしましょう。水を吸い上げる部分を新鮮で清潔な状態に保つことでバクテリアの発生を防ぎ、切り花を長持ちさせることができるようになります。

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切り花を長く楽しむための水あげ方法のお話でした。生花店で購入してきた切り花は、ほとんどが適切な水あげ処理をされているので、そのまま飾って問題ありません。

もしも、花がぐったりしてしまったり、調子が良くないというような時は、ご紹介した水あげ方法を試してみてください。部屋に花を飾って楽しむ、花のある暮らしを楽しんでください。

 

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植物が好きで好きで、植栽設計、ガーデナー、生花店勤務を経て現在は、フリーランスの花屋「花や蜜」として活動中。「てのひらに森を」がテーマの花屋です。森の中にいるような、見ているだけで力が抜けていくようなお花を作り続けたいと思ってます。街中で突然お花を配る、「花ゲリラ棘」というゲリラ的花配り活動も不定期決行しています。

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