可憐な花をつけるミモザの葉が落ちたその原因は?虫や根腐れなどをチェック!
小野寺葉月
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2月ごろから黄色いポンポンのような可憐な花をつけるミモザ。近年特に人気で、切り花から鉢植え、また庭木でも見るようになりました。生花店でも人気なので花束をいただいたり、お庭にミモザを呼んでみたり、という方も多いのではないでしょうか。
目次
ミモザってどんな植物? アカシアとは違うの?
植物名 | ギンヨウアカシア(銀葉アカシア) |
学名 | Acacia baileyana |
英名 | mimosa・Silver wattle |
科名 | マメ科 |
原産地 | オーストラリア |
ミモザが属するマメ科アカシア属の植物を総称してアカシアと呼びます。アカシアより先、明治時代に輸入されたハリエンジュのことをアカシアと呼んでいましたが、そのあと本来のアカシアかの植物が入ってきたため、区別するためにハリエンジュのことは「ニセアカシア」と呼ぶようになりました。
鮮やかな黄色い葉の木がハリエンジュ。蜂蜜でよくみかける「アカシア蜂蜜」は、ハリエンジュの蜂蜜で作られています。
ミモザはフランスから入ってきたアカシアのことをイギリスでそう呼んだもので、日本で植物名として通っているのはギンヨウアカシアやフサアカシアなどの名称です。2月~3月ごろに黄色いポンポンのような花をつけます。イタリアでは3月8日の国際女性デーに合わせて、女性にミモザを贈る習慣があります。日本では年末からミモザの切り花を扱っている生花店もあり、ミモザの人気がうかがえます。黄色いほわほわした花は春を予感させ、心もほわほわしますよね。
ミモザの植物図鑑
ミモザの葉が落ちた・・・! その理由は?
そんな人気のミモザを切り花で楽しむのも素敵ですが、お庭にミモザを植えて、毎年咲くのを楽しめたら最高ですよね。ミモザは葉も美しく、花のない時にも楽しめる植物ですから、条件が合えばぜひお庭にお迎えしたいところです。実際近年のオージープランツ人気でお庭のシンボルツリーとして植えているおうちも多いですよね。しかし、ミモザを育てていると、気が付いたら葉がたくさん落ちていた・・・なんて経験はありませんか?
あっという間に丸坊主になってしまったミモザ。まるで古い歯が欠けた櫛のように、ある日突然はらはらと葉が落ちてしまうことがあります。そんな時、ミモザには何が起きているのでしょう?
根に異常が起きている
多くの場合は、根に異常が起きています。ミモザは生長がはやいため、根も伸びて根詰まりを起こしている可能性があります。鉢植えの場合、根詰まりを起こしている場合があります。だいたい年一度、一回り~二回りほど大きくした鉢に植え替えることをオススメします。
根詰まりしている場合
水をあげたときに土の表面からなかなか水が浸透しなかったり、鉢の淵際しか水が回らなかったりする場合は、根詰まりの可能性があります。メインの根(主根)に水が行き渡らず、乾燥してしまっている状態なので、植え替えをしましょう。
鉢は適正サイズを選ぶ
大きすぎる鉢に最初から植えることはやめておきましょう。水を上げた後、なかなか乾かなくなるため、湿気がこもり根腐れを起こす可能性があります。その場合は同じく葉が落ちたり、枯れてしまうことがありますので、注意が必要です。
植え替えは丁寧に
ミモザは移植を嫌うため、地植えする場合は場所をよく選んでから決めるようにしましょう。鉢植えの場合も根を傷つけることのないように植え替えをしましょう。
寒さにやられてしまった
ミモザは寒さに弱い植物です。関東より北で育てたい場合は、露地植えだと寒さによって葉が落ちたり、枯れにつながることがあります。関東以南でも、冬越しの場所やその年によって雪が多く降りそうな場合は、花芽が雪でだめにならないようにすることと、雪の重みで枝が折れないようになどの雪対策が必要です。ミモザの花芽は夏を過ぎたあたりに形成されますので、花芽が雪でダメージを受け無いようにしましょう。剪定する場合も、花が終わってから夏までの間にしておくと翌年の花つきに影響が少ないでしょう。
水やりの時間帯・温度にも注意
水やりは温かい日中におこなうようにしましょう。極端に寒い日や、夕方以降に水をあげないようにしましょう。
虫が付いた! こんなとき、どうする?
ミモザにつく虫は、大きく分けると葉・幹・根につくことがあります。
葉や細い枝につく虫。イセリアカイガラムシ
ミモザにつくカイガラムシと言えばイセリアカイガラムシです。白くふわふわとした見た目のカイガラムシで、他のカイガラムシ同様、一匹いたらあっというまにたくさん発生してしまいます。地道にこそげとるか、薬で対応しましょう。
5月以降、幹をゆすると何匹か落ちてくることがあります。成虫は葉を食害するものの、そこまでの被害は本当に大量発生したときのみ。しかし、彼らが交尾して木の根元、地中に卵を産み付けてしまうと、またそこから発生してしまうので、成虫を見つけたら地道に捕殺することをお勧めします。
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幹につく虫。カミキリムシ(幼虫)
幹に小さな穴が開いていて、穴の周りに木くずが付いているようなら要注意。カミキリムシの成虫が、幹の中に卵を産み付けていることがあります。細いノズルのついた専用スプレーなどで駆除できますが、防除としては、カミキリムシは少し元気がなくなってきたときを狙って卵を産み付けます。なので、肥料などで樹勢が落ちないように調整することが大切です。葉や幹にカミキリムシの成虫を見かけたら、注意してミモザの幹を観察してみましょう。
根につく虫。コガネムシ(幼虫)
コガネムシの幼虫は大変食欲が旺盛で、たった2匹ほどでも、3mほどのミモザに影響が出るほど根を食い散らかしてしまいます。成虫を木の周りで見かけたら、オルトラン粒剤など、地表に撒いて浸透させるタイプのものをまくなど早めの対策がおすすめです。
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復活はできる?方法は?
虫による被害の場合
虫による被害の場合は、程度にもよりますが要因を取り除くことができれば、大丈夫な場合があります。駆除対策を行い、様子を見ましょう。
根が傷んでいる場合
鉢を変えたり、水の上げ方を見直したりして、しばらく様子を見ます。また、鉢植えの場合などは、室外機の風が当たっていたり、環境的にも問題がないか今一度確認しましょう。剪定して様子を見る適度に剪定することで、枯れ枝や余分な枝に養分をいかせないようにし、復活を図ることができます。
日ごろから気を付けたいこと
水やりや、虫の防除は上記の通りですが、強風対策も必要です。
支柱で補強を
若い木などは特に支柱などで補強することが必要です。強風で枝が折れたり、根が傷つき、根元から折れてしまうことがあります。支柱は、鉢の植え替えに合わせて更新するようにしましょう。ミモザは、大きくなるとお家のシンボルになれる木です。近所にも大きなミモザがあるアパートがあり、その見事な花つきを見るたびにそこに住みたいなあと思うくらいです。大切に育てて、毎年黄色い可愛い花を楽しみましょう!
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