アオダモとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
アオダモ
学名

 Fraxinus lanuginosa

英名
Japanese ash
別名・流通名
コバノトネリコ、アオタゴ
科名
モクセイ科
属名
トネリコ属
原産地
日本、朝鮮半島

アオダモの特徴

アオダモは、北海道から九州の山地に広く自生する落葉高木。樹高は5~15mほど、太さは50cmほどになりますが、生育はそれほど早くありません。近年、自然の山の風景を庭に取り込む「雑木の庭」が人気になったこともあり、ナチュラルな景観をつくる庭木として脚光を浴びるようになりました。シンボルツリーとして選ばれることも多く、楚々とした株立ち仕立てのアオダモがよく用いられます。

耐寒性耐暑性に優れ、丈夫で育てやすく、管理の手間がかからないので街路樹や公園樹としても植栽されます。高木ですが、適切な剪定を行うことで好みの高さに仕立てることも可能です。

春に花穂を伸ばしてたくさんの小さな白い花をつけ、木全体を覆い、まるで雪をかぶったように咲く姿はとても風情があります。

樹皮は暗い灰色で枝は灰褐色、プロ野球用のバットの材料としても使われます。樹皮を水に浸したり、枝を切って水につけると水が青色になることと、トネリコ属の広葉樹の総称を「タモ」と言うことから、アオダモと呼ばれるようになったという説があります。

落葉樹なので、冬には葉を落として枝だけの姿になりますが、ナチュラルな枝ぶりも美しく、春が近づくと新芽が徐々に大きくなって芽吹き、きれいな緑色の葉に癒されます。春から初夏には可愛い白い花が株全体に咲き、夏には緑色の葉が涼し気で、四季ごとに表情が移りゆく様を楽しむことができます。

アオダモの詳細情報

園芸分類 庭木、落葉
草丈・樹高 5~15m
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色
開花時期 4月~5月

アオダモの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花
肥料

アオダモの栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりが良い場所から半日陰程度までで栽培可能です。真夏に西日が強く当たる場所は避けましょう。

明るめの日陰なら植え付け可能ですが、生長が遅くなります。

用土

水はけの良い肥沃な土壌を好みます。

アオダモの育て方のポイント

水やり

根付いてからは雨に任せて問題ありません。ただし地面が割れるような日照りが続く場合は水やりをしましょう。

肥料

自然の循環ができている肥えた土ならば、特に与えなくても毎年開花します。

与える場合は、落葉期に寒肥として緩効性肥料もしくは有機質肥料(園芸用として市販されている固形の油粕など)を与えましょう。

病害虫

目立った病害虫の害はありません。

アオダモの詳しい育て方

選び方

苗木としては株立ち樹形がほとんどですが、単木も若干流通しています。枝の本数などによって見た目がかなり変わるので、好みの樹形を選びましょう。

種まき

種子が乾燥すると発芽率が落ちるので、秋に種が熟したらすぐにまきます。発芽するまで土を乾かさないように注意します。

植え付け

真冬を除いた落葉期が植え付け適期です。日当たりと水はけが良い場所で西日が強く当たらない場所を選びます。

根鉢のサイズの倍の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。

植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。支柱を添えるのもよいでしょう。

剪定・切り戻し

自然樹形が美しい樹種なので特に剪定は必要ありません。混み合った部分をすかしたり、枝を間引く程度にとどめます。花芽は夏ごろに分化するため切り落とさないように注意しましょう。

アオダモ

春に新葉の展開と同時に蕾が生長し、木全体を覆うように白い花が開花します。

アオダモは雄性両全性異株性といって、雄株と両性株があります。両性株は花のあとに翼果がつきます。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

種まきか挿し木で増やすことができます。

材としてのアオダモ

アオダモは生産量が非常に少なく木の径が小さいため、家具材に使われることはほとんどありません。良材は北海道の一部で採れるもののみといわれ、現状は枯渇しています。バットの材料として使用されるのが有名ですが、それ以外にもスキー板や楽器にも使用されます。メジャーリーグで偉大な成績を残しているイチローもアオダモのバットを使用している一人です。ただ近年はバットの材に適したアオダモがどんどん姿を消しています。米国ではホワイトアッシュという木を材としてバットにしているのでイチローもアッシュを使用する事もあるそうです。

北海道では苗木を植栽してアオダモ材を安定的に確保できるように計画されていますが、生長が著しく遅いためバットに適した材になるまでには60~70年かかります。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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