グズマニアとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- グズマニア
- 学名
Guzmania
- 英名
- Guzmania
- 科名
- パイナップル科
- 属名
- グズマニア属
- 原産地
- 中南米
グズマニアの特徴
グズマニアは熱帯雨林に生息する着生植物です。着生植物とは、通常の植物と違い地面に根を生やし生長する植物の事ではなく、他の木々や岩など地面以外の場所に根を張り生長する植物の事です。
熱帯雨林で木の幹に様々な種類のシダや葉が共存しているのを見ると思いますが、あれが着生植物なのです。グズマニアはその仲間です。グズマニアの特徴は細く長い葉でしょう。細長い楕円形の緑の葉を生やします。
その長さは約20cm前後。葉の中から花が咲き、花の周りも葉が覆います。この時花の周りを覆う苞状葉は赤や黄色、紫などがありこの部分が花だと思われがちですが実は葉っぱで、その中央が花に当たります。
同じブロメリア科のティランジアとも見た目が似ており、花が咲くまでグズマニアかティランジアか区別できないこともあります。
グズマニアの詳細情報
園芸分類 | 熱帯植物 |
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草丈・樹高 | 30cm~50cm程度 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 赤、黄、オレンジ、ピンクなど |
開花時期 | 不定期 |
グズマニアの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 |
グズマニアの栽培環境
日当たり・置き場所
【屋外】
屋内から屋外に出した直後に直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまいます。最初は日陰に出して徐々に日光に慣らしていくか、30~50%の遮光をしてください。
遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。
【屋内】
屋内で管理する場合は日光不足になり、徒長してしまうことが多いのでなるべく日光が当たる場所に移動してください。
室内でも直射日光は厳禁です。レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。直射日光に当たると葉焼けを起こす可能性があるので30~50%遮光した風通しの良い場所に置いておくと安心です。室内ではレースのカーテン越しの光が当たる場所が好ましいです。植物育成ライトやメタルハライドランプを導入するなどして補ってください。
ライトやランプの種類によっては本体が高熱になり、火災の原因となることがあるので、取り扱いには充分注意してください。
置き場は室内室外関係なく、日当たりが良く、風通しの良い場所に移動してください。風通しが悪いと水やり後に蒸れてしまい、腐って枯れてしまいます。
温度
グズマニアの適温は20℃~30℃です。最低気温10℃、最高気温40℃までは耐えますが、それを越えてしまうと弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまいます。
最低気温10℃以下になる場合は屋内に取り込むか、温室の中にグズマニアを移動し、ファンヒーターなどを使って保温してください。
最高気温40℃を越える場合は扇風機やサーキュレーターを使って風を当てるか、日陰に移動してください。
長い時間日陰に置いておくと、日光不足で徒長する危険性があるので、午前中など40℃を越えない時間帯は日当たりのいい場所に置いてください。
用土
グズマニア は素焼き鉢にミズゴケかバークチップなどで植え込むのがオススメです。
グズマニアの育て方のポイント
水やり
グズマニアはどの種類も共通して2~3時間濡れており、タンクの中に水が溜まっている状態がベストです。
【屋外】
最低気温10℃以上の季節は毎日~2,3日に一度のペースで、夕方~夜の涼しい時間帯に水やりを行ってください。屋外は蒸れる心配がないので、水やり後に株を逆さまにする必要はありません。午前中に雨が降った日は水やりをしなくて大丈夫です。
最低気温10℃以下の季節は週に一度のペースで午前中に水やりを行ってください。夕方~夜の気温が下がる時間帯に水やりをしてしまうと、凍ってしまい最悪の場合枯れてしまいます。
【屋内】
最低気温10℃以上の季節は2,3日に一度のペースで水やりをしてください。
水やり後に風通しの悪い場所に置いておくと蒸れてしまい、腐って枯れることがあるので株を逆さまにして、タンクに溜まっている水を抜いてください。また、扇風機やサーキュレーターで風を当てて下さい。
最低気温10℃以下の季節は耐寒性を上げるためと、徒長を防ぐために、週に一度のペースで午前中に水やりを行ってください。夕方~夜の気温が下がる時間帯に水やりをしてしまうと、凍ってしまい最悪の場合枯れてしまいます。
冬に乾燥してきて部屋の湿度が極端に下がってきたら加湿器を使って過湿するか、霧吹きを使ってグズマニアを置いてある場所付近の湿度を上げて下さい。
肥料
基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が生長がはやくなります。
冬場の生長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の生長期に与えるようにします。
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。
病害虫
【ハダニ】
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。
【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがグズマニアの中に侵入し、病気を発症させます。
また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。
【カイガラムシ】
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。
【ナメクジ】
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。
【ダンゴムシ】
柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにグズマニアを置いている場合は注意が必要です。
【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。
グズマニアの詳しい育て方
選び方
買う時に注意したほうがいいポイントは全部で5つあります。
・葉先が枯れていない
・葉に弾力がある
・株に重量感がある
・害虫がついていない
・病気になっていない
特に注意してほしいのが病気と害虫の有無です。病気や害虫が付いている株を家に持ち帰ってしまうと、その株が原因で他の株にも病害虫が広がってしまう可能性があります。
病害虫さえ付いて無ければ、他のポイントは妥協しても大丈夫です。
苗を選ぶ際、葉の色は変色していないか、くたびれていないかという所に着目してください。花を咲かす過程を楽しみたいと言う方は花の咲いていないものを選んでください。グズマニアは一度花を咲かすと枯れてしまい、二度と花を咲かすことはありません。子株にて新たに育てることになります。
種まき
種が採取出来次第すぐに種まきをしてください。水で戻した水苔の上や濡らしたキッチンペーパーの上に蒔いて、常に濡れている状態にすれば1~2週間程度で発芽します。
植え付け
植え付けは4月~9月の暖かい時期に行うのがおすすめです。 7月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けるようにします。根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。
剪定・切り戻し
花が咲き終わり枯れるとその間に新たな子株が誕生します。花をつけたままだとずっと養分を贈り続けることになり、子株に必要な養分が十分に回らない可能性が。それを防ぐために萎れた花は剪定して取り除きましょう。
植え替え・鉢替え
植え替えは鉢に対してのみ行います。グズマニアの地植えは向いていません。鉢は苗よりも一回り大きい物を用意してください。植え付替えの際は、グズマニアの中心がふらふらしないように土で抑えるのがポイントです。
花
特定の開花時期はありません。株がある程度大きくなったら開花します。エキゾチックカラーの花を咲かせます。
収穫
花が枯れた後に親株から新たに子株が現れます。これが新たに生長することによってまた新しい花を咲かせるので、見逃さないようにしましょう。
夏越し
気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30~40%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。水やりは毎日~2、3日に一度のペースで夕方~夜に行ってください。午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。
活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に一度のペースで行うと夏バテを防止できます。
冬越し
気温が10℃以下になったら耐寒性を上げるためと、徒長を防ぐために水やりを週に一度のペースで午前中にたっぷり行ってください。タンクの部分に水を溜めないようにしてください。
気温が10℃を切らないように室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。
活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に一度のペースで行うと耐寒性を上げられます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
グズマニアを増やす方法で一般的なのは株分け。この方法なら簡単なので比較的よく使用されます。株分けのタイミングは新たな子株が出現した時。わかりやすいのは花が枯れた後と覚えておくことができます。親株から子株を切り落とし、水苔を敷き詰めた鉢に植え付けします。植え付けから根を張り自生するまでおよそ1ヶ月から2か月かかります。生長が遅い、葉が弱ってきていると感じた時は肥料を与えてください。最初の一年は花が咲かないかもしれませんが、枯れたわけではなく花が咲く準備が整っていないだけ。辛抱強く育てれば花は咲きます。
中国で大人気!?グズマニアは幸運の花
お隣の中国ではグズマニアをこぞって購入し、贈りあいます。何か特別な意味があるのでしょうか。その答えは、中国の旧正月、春節にあります。春節の時期には花を贈りあう風習があるのです。ではなぜグズマニアなのか?それはその呼び方にあります。グズマニアは中国語で「鳳梨フェンリー」と呼ぶのです。これを口にすると幸運が訪れるとされています。なので中国の人たちはこぞってグズマニアを贈るのですね。
グズマニアは寄せ植えで楽しむ!
赤、黄色、ピンク。グズマニア一つとっても花色がたくさんあります。また形や葉丈も違うので、グズマニアで固めて寄せ植えをする事も可能です。例えば、円形の鉢の中央に背の高いグズマニアを配置して、その周りに背の低いボリュームのあるグズマニアを植え付けると噴水のようなアレンジが出来上がります。吊り下げ式の鉢に植えれば、お家の塀に吊り下げ、華やかな門前を作ることも可能です!ぜひ試してみて下さい!
病害虫の駆除
ハダニ、アブラムシ、ナメクジ、カイガラムシ、ダンゴムシはLOVEGREEN内の記事で詳しく紹介されているのでご覧ください!
バッタは見つけ次第割りばしなどを使い捕殺するか、防虫ネットをお使いください。