蓮(ハス)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
蓮(ハス)
学名

Nelumbo nucifera

英名
Lotus
和名
科名
ハス科
属名
ハス属
原産地
中国、インド

蓮(ハス)の特徴

蓮(ハス)は東南アジア原産の草本性水生植物です。観賞用にも食用にもなるため世界中で育成されています。

蓮(ハス)は早朝に開花し、昼には閉じる花が美しく、世界中で愛されている花です。特に仏教では、泥の中から出てきて美しい花を咲かせるところから汚れのない花とされています。その他の宗教でも象徴的な意味合いを持つ花として愛されています。

蓮(ハス)の葉は円形または楕円形で薄く、長い葉柄をもち水面上1.5m以上になります。光沢は無く水を弾く特性があります。蓮(ハス)は、葉よりさらに上まで花茎を伸ばして咲きます。花色は桃色、白、黄色などがあります。チャワンバスと呼ばれる小型種は鉢栽培で親しまれています。

蓮(ハス)の根茎は日本人にも馴染みの深い蓮根(レンコン)です。日本では蓮(ハス)の食用部分と言えば主に蓮根(レンコン)ですが、他国では葉から茎まで食用とされます。蓮(ハス)の花の雄しべを緑茶と合わせた蓮茶も有名です。

日本で有名な蓮(ハス)の一つに大賀蓮(ハス)があります。大賀蓮(ハス)は2000年以上前に土の中に落ちた種を大賀一郎博士が発芽させたものです。2000年もの長い間発芽しなかった理由は蓮(ハス)のタネの外皮が非常に厚く、自然に発芽することがあまりないからと言われています。

蓮(ハス)の詳細情報

園芸分類 水生植物
草丈・樹高 1~2m(水上)、水深40cm
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色 白、黄、ピンク
開花時期 7月~8月頃

 食器のれんげの語源になった蓮(ハス)

中華料理でスープをすくうときに使うレンゲは漢字で書くと蓮華です。この名前は、蓮(ハス)の花から散った一枚の花びらに見立てられたのが由来です。別名を散り蓮華とも言います。因みにこのスープをすくう道具を、蓮華あるいは散り蓮華と呼ぶのは日本のみです。

仏様が座る蓮華座も蓮(ハス)の花

蓮(ハス)は仏教では清浄な花とされています。仏教画で仏様が座っているのは蓮華座と言って蓮の花を台座に見立てたものです。蓮(ハス)は泥の中から上がってきて汚れのない美しい花を咲かせることから、仏教では清浄な花とされているのが由来です。

 

蓮(ハス)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
肥料
開花

蓮(ハス)の栽培環境

日当たり・置き場所

蓮(ハス)は日光を好みます。日光に当てることで花付きが良くなります。
日光に当たり、水温が上昇することで蓮(ハス)の生長が活発になります。

用土

粘土質の肥沃な土を好みます。田んぼの土が理想的ですが、手に入らない場合は荒木田土に腐葉土、黒土、赤玉土を混ぜ込んで作ることができます。赤玉土は粒を潰してから使用してください。

蓮(ハス)の育て方のポイント

日常の管理

水を腐らせないように管理します。

水やり

水に浸して育てるので水を腐らせないように注意します。水深は土の面から最低10~15cm以上は必要です。
水の交換を怠ると油膜のような汚れが水面に浮かんできてしまうので、ジョウロなどを使って水が溢れるようにして交換します。そのときに一度バケツに汲んで水温を上げておくと、水交換で水温が下がらずに済むのでおすすめです。

肥料

蓮(ハス)を植え付けるときに元肥を土に混ぜ込みまましょう。葉が出てきたら月に一度のペースで追肥をしてください。葉が落ちて根が休眠状態になったら追肥をする必要はありません。

病害虫

乾燥するとハダニが発生しやすくなります。乾燥させないように気を付けましょう。まれにアブラムシの被害にあうこともあります。見つけ次第捕殺します。

蓮(ハス)の詳しい育て方

選び方

蓮(ハス)は根茎の色つやが良く、芽や切り口が腐っていないものを選びましょう。開花していない状態の蓮(ハス)を選ぶ時には、品種や花色を確認してください。

チャワンバスは開花した状態で流通しています。花を確認して好みの株を選べます。

植え付け

日当たりの良い場所が適しています。大型種は直径60cm以上、中型種は50cm以上、小型種は30cm以上の鉢を選びます。漬物用の桶やバケツでも代用できます。鉢底に肥料を入れ蓮根(レンコン)の細くなっている生長点を上向きになるように植え付けます。

植え替え・鉢替え

蓮(ハス)の植え替え、株分けは春に行います。地下茎が生長し鉢が窮屈になってきたら、植え替えをしましょう。

蓮根(レンコン)は節目から根を出すので節目は傷つけないようにしましょう。植え替え後はしっかり土中に埋め、水深10㎝は維持してください。植え替え時に乾きすぎると蓮根(レンコン)が腐ってしまうので植え替えは手早く行います。

蓮(ハス)は7月~8月頃に葉よりも高く伸びた花茎の先に、ピンクや白、黄色の花を咲かせます。

収穫

実を収穫することができます。蓮(ハス)の種子は、若く青いうちは柔らかく食用にできます。

夏越し

蓮(ハス)にとって夏は生育期です。月に一度施肥を行ってください。

冬越し

蓮根(レンコン)が凍らなければ屋外で越冬することができます。水位が低くなるとレンコンが凍ることがあるので、10cm前後の水位を保ってください。
水が氷ると膨張し、鉢が割れる事があるため注意しましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

蓮(ハス)は株分けで増やすことができます。春3~5月の植え替えのタイミングで株分けを行いましょう。水洗いした蓮根(レンコン)の2~3節を残し、太いところでカットします。レンコンは節目から根を出しますので節目は傷つけないように扱います。

水の交換

蓮(ハス)は桶の中の水が腐ると株が傷みやすくなるので、こまめに水を交換するようにします。

日当たりの注意点

日光を好みますが真夏の直射日光で葉焼けを起こすことがあります。葉焼けを起こした場合は速やかに日当たりの良い半日陰に移動させてください。午前中は日が当たり、午後には日陰になるような場所が好ましいようです。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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