植物の保護や美観に欠かせない「マルチング」って何?種類やメリット・デメリットを紹介
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園芸用語でよく聞くマルチングって何?どんなふうに使うのか、何に役立つのか、マルチング材の種類とそれぞれの特徴や原料、メリット・デメリットを紹介します。
目次
マルチングとは|何のため?

マルチングとは、植物の株元の土を資材で覆うこと。保温や保湿、病害虫や雑草の予防、美観を整えることを目的として使用されます。
土の表面を覆うことで日照を妨げ、雑草の生長を防ぐことができます。また、夜間の気温が低くなる冬季は、マルチングを施すことで保温と保湿ができるほか、霜よけの効果もあるので根の凍結を防ぎ、健やかな春の芽吹きへと繋がります。ほかにも、室内観葉の鉢にマルチングを施すことで、むき出しの土を隠して美観を整えられるようになります。
マルチング材の種類
マルチング材の種類を紹介します。ホームセンターや園芸店で購入できます。
ココチップ(ヤシガラチップ)

- 特徴:保水性と通気性に優れている
- 原料:ココナッツの殻
ココチップは、ココナッツの殻を細かく砕いたマルチング材です。ココヤシチップやヤシガラチップと表記されていることもあります。お庭にも鉢植えにも使用できます。水やりを繰り返しているうちにだんだんと土に馴染んで沈んでいきますが、有機物なので土にすき込めば、数年かけて土の栄養となっていきます。
ウッドチップ
- 特徴:通気性と保水性に優れている
- 原料:木材
ウッドチップは木材を細かく砕いたマルチング材です。サイズは色々で、粉末に近いくらい細かいものから数cmのものまであるので、お好みのサイズを選ぶとよいでしょう。大きなものは鉢植えの美観を整えるために、細かいものは土に馴染みやすいのでお庭に使用するのがおすすめです。有機物なので土にすき込めば、数年かけて土の栄養となっていきます。
バークチップ
- 特徴:通気性と保水性に優れている
- 原料:樹皮
バークチップは樹皮を細かくしたものです。ウッドチップと同じように、通気性と保水性に優れているのが特徴。こちらもサイズは大きなものから細かいものまで様々です。用途やお好みに合わせて選んでください。有機物なので土にすき込めば、数年かけて土の栄養となっていきます。
ココナッツファイバー(ココヤシファイバー)

- 特徴:軽く、通気性に優れている
- 原料:ココナッツの繊維
ココナッツファイバーは、ココナッツの繊維から作られたマルチング材です。ふわふわと軽く、通気性に優れているのが特徴。非常に軽く、強風で飛んでしまう心配があるため、お庭での使用はおすすめしませんが、鉢植えのマルチングに使うとナチュラルな風合いが植物ともインテリアともなじみやすく、おしゃれに見えるので人気があります。また、水やりの度に土が流れ出てしまうのを防ぐ役割も果たします。販売店の店頭に並んでいるときは小さな袋に入っていますが、袋から取り出してほぐすとふわっと広がってボリュームが出るので、始めは小袋で購入するとよいでしょう。
腐葉土

- 特徴:保温性や保湿性、通気性に優れた、肥沃な土壌にする改良剤
- 原料:広葉樹の落ち葉
腐葉土は、広葉樹の落ち葉が発酵したもので、土を肥沃にするための土壌改良剤として使用されます。保温性や保湿性、通気性に優れているのが特徴で、土にすき込むことで微生物が増え、植物が育ちやすい肥沃な土壌になります。寒い間は根の凍結を防ぎ、春になったらそのまま土にすき込むことができるので、冬越しのマルチング材として人気があります。
腐葉土を購入する際は完熟腐葉土を選ぶようにしてください。完熟していないものは、根を傷めてしまう心配があります。
藁や枯葉
- 特徴:身近な素材で手に入りやすく、通気性や保温性に優れている
- 原料:藁や枯葉
藁や枯葉は、もっとも自然でシンプルなマルチング材です。自然界では、秋に降り積もった落ち葉が、そのまま多年草を寒さから守ります。私たちの暮らしの中でも、昔は秋に刈り取った藁や枯葉をマルチング材にしていました。通気性や保温性に優れ、使用後は土に返すことができる藁や枯葉は、ナチュラルなマルチング材として今でも人気があります。もっとも身近でお金のかからないマルチング材です。
セラミス グラニュー

- 特徴:保水性と通気性に優れている
- 原料:粘土
セラミス グラニューは、ドイツ産の粘土を高温焼成した無機質の人工土です。保水性と通気性に優れているのが特徴で、土と同じように使えます。有機質の培養土と違い、微生物がいないため腐るということがないというのが最大の魅力。室内で育てている鉢植えの土の上に2cm程度敷き詰めると、見た目に美しいだけでなくコバエなどの虫の発生を防ぐことができます。
マルチシート
- 特徴:温度や湿度の保持と雑草予防
- 原料:ポリエチレン
マルチシートは、ポリエチレンなどから作られたシート状のマルチング材です。色は黒や白、透明、シルバーなどがあり、通常ホームセンターなどでロール状で販売されています。雑草が繁茂するのを防いだり、土の温度や湿度を保つことを目的として、家庭菜園など広範囲にマルチングを施したいときに使用します。
先に畝を作ってからその上にシートを張り、ワイヤーや土で留めて、シートに穴をあけて苗を植え付けるようにして使用します。
マルチングのメリット・デメリット

メリット
保水性、保温性を確保できる
土の表面にマルチングを施すことで、外気から守り、乾燥を防いだり、温度を保ったりすることができます。また、サイズの細かいものや通気性の良いものを選べば、蒸れることなく、植物にとって良い環境を維持することができます。
冬越し対策
ガーデニングでもっともマルチング材が活躍するのは冬越し対策。土の表面を保護することで、霜よけや根の凍結を防ぐほか、保温効果が期待できます。地上部が枯れた多年草や植え付けたばかりの苗木などに施しましょう。
鉢植えは、土が見えなくなるまで全体をしっかりと覆うようにしましょう。地植えは、株元をぐるっと1周囲むように、土が見えなくなるくらいの厚さを目安に施します。
雑草対策
マルチシートなどで土全体を覆うことで、雑草の種が着地して発芽するのを防ぐことができます。また、日が当たらなくなるため、発芽してもそれ以上育つことがなく、雑草の繁茂を防ぐことができます。
美観を整える
室内で管理している鉢植えは、マルチング材で土の表面を覆うようにすると美観が整うのでおすすめです。ココナッツファイバーやバークチップを使えば、ナチュラルな雰囲気に仕上がります。セラミス グラニューは、レンガ色が美しくおしゃれな上に、コバエの発生も防げるのでおすすめです。
デメリット
病害虫が発生することもある
使用するマルチング材の種類にもよりますが、気温が高くなってからも株元を覆ったままにしておくと、暗くて湿度が高い場所を好む害虫が発生しやすくなる心配があります。また、通気性が悪いと病気が発生しやすくなる心配もあります。
マルチング材は目的に合わせて使い分けるようにしてください。また、冬越しのために施したものは、春になったら取り除くか、土にすき込むようにしましょう。
不要になった時に取り除く手間がかかる
そのまま土に返すことができる有機物のマルチング材以外の種類は、不要になった時に取り除く手間がかかります。先々のことも見越して、マルチング材の種類を選択することをおすすめします。
マルチングは植物を健やかに育てるため、また美観を整えるために使用するもの。お庭やお部屋の雰囲気に合わせて、使いやすい種類を選んでください。
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