エディブルガーデン12か月|12月の作業
古幡真恵
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illustration:小野寺 葉月
エディブルガーデンとは?
野菜や果樹、ハーブなど食べられる植物を取り入れ、育てて収穫を楽しむことができる庭や菜園のことを意味します。
今年から家庭菜園を始めようとしているみなさんと一緒に楽しいエディブルガーデン作りを始めましょう。
さあ、エディブルガーデン12か月の始まりです!
目次
二十四節気〜12月は大雪・冬至
〜大雪〜
冬の到来です。陽が出ているうちはポカポカとした陽気に包まれますが、曇ってしまうと途端に体の芯まで冷えてしまいます。ガーデニング作業は暖かい服装で体を冷やさないように気を付けましょう。
〜冬至〜
一年で最も日が短い日です。冬至の別名は「一陽来復(いちようらいふく)の日」。
中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくるという前向きな意味合いを含んだ言葉なのです。冬至を境に運も上昇するとされているので、カボチャを食べて栄養を付け、身体を温める柚子湯に入り無病息災を願いましょう。
11月のおさらい
・スプラウト栽培
・リボベジ栽培
・エディブルフラワーを生活に取り入れる
・11月におすすめのエディブルフラワー
家庭菜園〜12月の作業
illustration:小野寺 葉月
冬になると私たち人間も寒くて何だか動くのが億劫になってしいまいます。植物だって同じです。生長のスピードだって落ちてきます。そんな時、植物はどんなふうに育ててあげれば良いのでしょうか?
秋冬野菜の生育適温
ほとんどの秋冬野菜が生育するのに適した温度は、だいたい15~20℃位です。
そのため、15℃を下回る季節は、寒い時期に適した野菜の育て方を心がけましょう。
冬の育て方
では、具体的に冬の間どんなことに気を付けて育てていけば良いのでしょうか。
15℃を下回ったら、肥料はストップしましょう。
〜どうして?
寒くなるこれからの季節、15℃を下回るようになるとお野菜の生長するスピードは遅くなるのに、温かい季節の頃と変わらず肥料を与えては、吸収されない肥料が土の中で溜まってしまうことになります。
また、春夏と違い秋から冬にかけて雨も少なく肥料分が大量に水で流れ出すこともありません。
〜だから!
15℃を下回ったら、ほとんどの秋冬野菜の肥料は控えた方がいいでしょう。
気温と土中の温度を測ることができる温度計があると便利ですね。
水やりは暖かい日の午前中に済ませましょう。
〜どうして?
「水は熱くなったら水蒸気に、冷えたら氷に」温度で姿を変えます。
冬の間日中は温かくなっても、夜はとても冷え込みます。
つまり、夜に水を与えてしまうと寒さで土が凍てつき、植物の根を傷めてしまいます。
〜だから!
冬は暖かい日の午前中に与えて、根を傷めることのないように気を付けましょう。
野菜の株元を腐葉土やバーク堆肥などで温めるとさらに良いでしょう。
〜どうして?
作物を育てる際の敷き藁と同じ原理で、腐葉土やバークで株元を覆うことによって保温や乾燥防止の役割を果たします。
〜だから!
地温を温める目的で腐葉土やバーク堆肥などを利用してみましょう。
作物を育て終わったら、使用した腐葉土やバーク堆肥を土に漉(す)き込むことで土壌改良もできます。
保温も出来て、土壌改良もできるのでおすすめです。
干し野菜を作る時のポイント
旨味をギュッと凝縮した、ご家庭で作る「干し野菜」。わざわざ干すの?って思いがちかもしれませんが、やってみるのと意外に簡単なのでついつい作り過ぎてしまうかも。
気温や湿度が低く、カラッと晴れた日は干し野菜を作るのに最適な環境です。色々な野菜を使って、料理の食材だけでなく、おやつやお茶にも干し野菜を活用してみましょう。
how to 干し野菜~作り方
材料
・お好みの野菜
・干しカゴまたはざる
※干す日数はあくまで目安です。その場の天気や環境により、完成までの日数は前後します。
注意点
必ず屋外の風通しが良い場所で野菜を干しましょう。室内や風通しの悪い空間で干すと、野菜が腐ってしまいます。
電子レンジ
電子レンジ加熱で焦げたニンジン
野菜を電子レンジで乾燥することもできますが、長時間かけっぱなしにすると、野菜の中心部分が焦げ付き、発火することがありますので、できるだけ自然の風で干すことをおすすめします。電子レンジを使用する際は、低いワット数で時間をかけて乾燥させましょう。
保存方法
乾燥することで保存が効きます。湿気が入らないように、密封できる袋や瓶で必ず保管しましょう。賞味期限は保存状態に左右されますので、手作りの干し野菜はできるだけ早いうちに使い切りましょう。
干し野菜の作り方〜生野菜
それでは、野菜ごとの干し野菜の作り方をご紹介します。
ゴボウ
干しゴボウは料理に使えるだけでなく、ゴボウ茶としても活用できるので、常備したい干し野菜の代表格ですね。
大根などと比べて水分含有量も少ないため、干している間も腐りずらく簡単に干し野菜を作ることができます。
料理を作る際ゴボウが変色しないように水にさらしますが、そのあくの正体はポリフェノール系物質です。干しゴボウにする際は、変色を気にせずにそのまま使用しましょう。
1.ゴボウの土をたわしで綺麗に落とすか、包丁の背の部分を使ってこそぎ取ります。
2.ゴボウを薄くスライスします。
3.ゴボウのささがきもおすすめです。
4. 重ならないようにざるや干しカゴに並べて、1~2日間天日干しにします。
5. しっかり水分がなくなったら完成です!
ニンジン
ニンジンは干してもあまり色が変わらないため、干し野菜におすすめです。
料理に使用した際の見た目も綺麗に仕上がりますよ。
1. ニンジンを洗い皮をむきます(皮付きのままでも構いません)。
2. ニンジンを薄くスライスします。
3. 重ならないようにざるや干しカゴに並べて、3~4日間天日干しにします。
4. しっかり水分がなくなったら完成です!
大根
干し野菜といえば「切り干し大根」が有名ですね。
大根はゴボウやニンジンよりも水分量が多いため、風通しが悪い環境で干すと腐りやすい食材です。干す環境には注意しましょう。
1. 大根を洗い皮をむきます(皮付きのままでも構いません)。
2. 大根を薄くスライス(短冊切り、輪切り、斜め)します。
3. 重ならないようにざるや干しカゴに並べて、3~4日間天日干しにします。
4. しっかり水分がなくなったら完成です!
きのこ
干ししいたけに代表されるように、良い出汁がでるキノコ類も干していきましょう。
美味しい出汁のお味噌汁が作りたくなりますね。
1. えのきや舞茸の石づきを取り、手でほぐして小分けにしていきます。
2. えりんぎは薄くスライスします。
3. 重ならないようにざるや干しカゴに並べて、3~4日間天日干しにします。
4. しっかり水分がなくなったら完成です!
干し野菜の作り方〜蒸し野菜
illustration:小野寺 葉月
サツマイモとカボチャは、干す前に一度蒸かすことがポイントです。切り方はお好みで構いませんが、サツマイモは繊維にそって切ると綺麗に切ることができます。
おやつにおすすめ!~干しサツマイモ
干しいもって美味しいですよね。自分で作る「干しいも」は自然な甘みで素朴な味がとってもおいしいのです。
1. サツマイモを洗い、甘味を引き出すため蒸し器で蒸します。
2. サツマイモの中までしっかり火が通たら、皮をむきます。
3. サツマイモの繊維に沿って、1cm程の厚さに切ります。
4. 重ならないようにざるや干しカゴに並べて、半日~1日間天日干しにします。
5. 半乾きの状態で完成です!味見しながらお好みの乾かし状態に仕上げましょう。
おやつにおすすめ!~干しカボチャ
干しいもは有名ですが、サツマイモと同じくらい甘くて美味しいカボチャも干したら美味しいかも?という思いから、カボチャも同じ様に干してみました。
1. カボチャを洗い、サツマイモと同じように蒸し器で蒸し、1cm程の厚さに切ります。
2. 重ならないようにざるや干しカゴに並べて、半日~1日間天日干しにします。
3. 半乾きの状態で完成です!味見しながらお好みの乾かし状態に仕上げましょう。
干しゴボウで作るゴボウ茶
ゴボウ茶は野菜のゴボウから作るお茶です。季節の変わり目で体調を崩しそうなとき、滋養のあるゴボウで作ったお茶で体を温めてくださいね。
ゴボウ茶の作り方
1. 天日干しで乾燥させて、干しゴボウを作ります(詳しくはゴボウの箇所をご覧ください)。
2. フライパンで干しゴボウを焦がさないように焙煎しましょう。ここでしっかり乾煎り(からいり)することで、お茶の風味が増します(焙煎が足りないと、茹でたゴボウの汁の味になります)。
3. 湿気を避けて保存し、早めに消費しましょう。
ゴボウ茶の入れ方(淹れ方)
では、さっそくゴボウ茶を飲みましょう!作る量によって、ティーポットまたはヤカンで入れるか選びましょう。
ティーポット
1.ゴボウ茶を2gほど用意します。量はお好みで構いません。
2. ティーポットにゴボウ茶を入れ、沸騰したお湯を150㏄ほど注ぎます。
3. 2~3分蒸らしたら飲み頃です。
やかんで煮出す
illustration:小野寺 葉月
やかんに1Lほどの水を入れ、ゴボウ茶を2g位入れ、お好みの濃さになるまで煮出します。
ゴボウ茶の茶殻も食べましょう!
美味しいゴボウ茶を楽しんだ後の茶殻は捨ててしまいますか?
ちょっと待って!
ゴボウ茶の茶殻は食物繊維の宝庫です。味付けをしてお料理に再利用しましょう。「きんぴらごぼう」や「つくだ煮」、小麦粉をまぶして油で揚げ「ゴボウチップス」としておやつにもなります。
▼その他の楽しめるお茶ならコチラ
いかがでしたか?
昔の人の保存食としての干し野菜ですが、今も色あせることなく食生活を豊かにしてくれます。干しカゴは100均でも売っていますので、気軽に始められそうですね。みなさんも干し野菜をぜひ作ってみてくださいね。
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