バイカオウレンとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
バイカオウレン
学名

Coptis quinquefolia

和名
梅花黄連、梅花黄蓮
別名・流通名
ゴカヨウオウレン
科名
キンポウゲ科
属名
オウレン属
原産地
東北南部から四国

バイカオウレンの特徴

バイカオウレンは、キンポウゲ科オウレン属の常緑多年草。東北南部から四国の山林、雑木林に自生します。明るい半日陰と豊潤な湿地を好みます。横に広がるように生長し、木漏れ日が入る山野に群生する姿が美しい野草です。

早春の2月~3月頃、白い花を咲かせます。早いものでは1月の末に咲いていることもあります。花の大きさは、直径1.5cm程度。5枚の白い花びらと中心から飛び出したしべ類が印象的です。白い花びらのように見える部分は、実は花びらではなくがく片です。これはキンポウゲ科の花によく見られる特徴で、クレマチスやクリスマスローズなども同様です。花びらは、しべに混じるようにして存在している黄色の部分。よく見るとスプーンのような形をしています。

葉は縁に切れ込みがある5枚の小葉からなり、学名についているquinquefoliaは「5葉」という意味があります。別名のゴカヨウオウレンも小葉が5枚であることに由来します。

バイカオウレンの名前の由来は、花が梅の花に似ていることからバイカ(梅花)、根が黄色いのでオウレン(黄連)だとされています。キンポウゲ科オウレン属の特徴は、根が黄色いところ。オウレンとは漢字で黄連と書き、黄色のヒゲのような細かい根を連ねる特徴に由来します。

バイカオウレンの詳細情報

園芸分類 草花
草丈・樹高 10cm
耐寒性 普通
耐暑性 普通
花色
開花時期 2月~3月

バイカオウレンの花言葉

 

牧野富太郎が愛したバイカオウレン

バイカオウレンの花は、植物分類学者 牧野富太郎博士が愛した花として有名です。

牧野富太郎氏は、1862年に高知県で生まれました。小学校を中退し、独学で植物学者を志した人です。東京大学理学部植物学教室で研究、助手、講師として仕事をしながら、日本全国の植物を採取調査しました。多くの新種を発見したことでも有名で、生涯におよそ1500種もの植物を発見及び命名しました。日本の植物分類学の礎を作った人物とされています。

牧野氏がバイカオウレンを愛したのは、故郷の裏山に群生していたからだとか。バイカオウレンは高知だけでなく、東北南部から四国の山林や雑木林に自生しています。四国にはバイカオウレンの変種であるシコクバイカオウレンも自生しています。

 

バイカオウレンに似ているセツブンソウをご紹介

セツブンソウ バイカオウレンに似た花

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セツブンソウ

セツブンソウは、キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草。バイカオウレンにとても似ています。

セツブンソウは、花の中心部に紫色のおしべがたくさんあります。アネモネのように、花びらのように見えるがく片の外側に切れ込みのある葉が付いています。

バイカオウレンの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花
植え付け、植え替え
肥料

バイカオウレンの栽培環境

日当たり・置き場所

明るい半日陰くらいの場所を好みます。秋から春は日が当たり、夏の直射日光は避けられるとよいでしょう。落葉樹の下や、木漏れ日が当たるような場所が最適です。常に日光が当たらないと花が咲かなくなってしまうので、場所選びは大切です。

用土

地植えの場合は、事前に植える場所を耕し、腐葉土などを混ぜ込んでふかふかにしてから植え付けましょう。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土に鹿沼土や赤玉土小粒を少量混ぜて使うと、水はけが良くなるので最適です。

バイカオウレンの育て方のポイント

水やり

鉢植えの場合は、表面の土が乾いたらたっぷり水やりします。

地植えの場合も、土が乾きすぎないように様子を見て水やりしましょう。

湿地を好みますが、水はけが悪く常に湿っている状態だと根腐れを起こしてしまいます。

肥料

開花後と秋に緩効性肥料を与えます。夏は生長が鈍るため、株への負担を軽減するためにも施肥は行わないようにしましょう。

病害虫

特にありません。

バイカオウレンの詳しい育て方

選び方

きれいな緑色でイキイキとした葉が茂っている株を選びましょう。葉が枯れていたり、株元がぐらついている苗はおすすめしません。

植え付け

植え付けの適期は春です。

植え替え・鉢替え

地植えの場合は植え替えの必要はありません。

鉢植えの場合は、2~3年に1回、一回り大きな鉢に新しい土を使って植え替えしましょう。

バイカオウレンは、2月~3月のまだ寒い頃に白いきれいな花を咲かせます。

夏越し

明るい半日陰を好み、真夏の直射日光は苦手です。夏は明るい日陰になるような場所で管理しましょう。

冬越し

東北南部から四国に自生する植物なので、ある程度の耐寒性はありますが、強い霜に当たると葉が傷みます。また、乾燥した北風が苦手なため、軒下や建物の陰など風をよけられる場所で冬越しできるとよいでしょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

種まきと株分けで増やすことができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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