野草の花図鑑70種!季節ごと色別に紹介。名前がわかります。

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山田智美

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野草の花を、早春、春、夏、秋の季節に分けて、色別に紹介します。身近なものからちょっと珍しい種類まで。花の写真付きなので、探していた野草の花の名前がわかるかもしれません。

目次

野草とは

野草とは

野草とは山林の中や野原など、人が管理していない土地に生えている植物、人為的に植えていない植物のことです。

人為的に植えていないという意味では雑草と同じですが、雑草とは主に公園や庭、畑など、人が管理している土地に植えていないのに生えてきた植物を指します。

野草も雑草も人が便宜上使用している言葉です。

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冬から早春(1月~3月)に咲く野草の花22種を色別に紹介

冬から早春(1月~3月)に咲くピンク色の野草の花2種

ヒメオドリコソウ

冬から早春(1月~3月)に咲くピンク色の野草の花ヒメオドリコソウ

  • 花期:2月~5月

ヒメオドリコソウは、草丈10 ~20cm程度のシソ科の越年草。淡いピンク色に薄紫を混ぜたような色の花を咲かせ、四角い茎に対生にスペード型の葉をつけます 。上の方の葉がうっすらと赤みを帯びているのが特徴です。

カタクリ

冬から早春(1月~3月)に咲くピンク色の野草の花カタクリ

  • 花期:3月~4月

カタクリは、ユリ科の多年草。早春に落ち葉の間から顔を出すように、可憐な花を咲かせます。春に花を咲かせて、夏には姿を消してしまいます。他に白花を咲かせるシロバナカタクリがあります。

カタクリ(片栗)

  • カタクリは山々に春の訪れを告げてくれる存在。まだ雪の残る森でいちはやく紫の花を咲かせ、他の草木が勢いよく生い茂る初夏には、早々と地上部を枯らして休眠に入ります。つかのま姿を見せるカタクリは、まさに「春の妖精」なのです。 カタクリの球根(鱗茎)は充分に大きくなるまで、下へ下へともぐるように伸びていきます。そのため植木鉢やプランターではすぐ底に届いてしまい、なかなか球根が成長しません。庭植えは深さを確保できる分、季節に合わせてカタクリの好む明るさに遮光する必要があります。 地中で過ごす秋~冬の間も存在を忘れず、他の植物同様に水やりを続けてください。

冬から早春(1月~3月)に咲く紫色の野草の花6種

カスマグサ

冬から早春(1月~3月)に咲く紫色の野草の花カスマグサ

  • 花期:3月~4月

カスマグサは、マメ科の一年草。カラスノエンドウとスズメノエンドウの中間くらいのサイズだから、「カ」と「ス」の間「マ」でカスマグサ。ふざけているようですが、正式名称です。薄紫色の楚々とした可憐な花を咲かせます。

スミレ

冬から早春(1月~3月)に咲く紫色の野草の花スミレ

  • 花期:3月~4月

スミレは、日本原産のスミレ科の多年草。山野や道端などの身近な場所で見かけます。濃い紫色が印象的な春を代表するような花です。

スミレ(すみれ・菫)

  • スミレという名前は、スミレ科スミレ属の総称のように使われていますが、本来は「スミレ」と名付けられたViola mandshuricaのことを指します。mandshuricaとは中国を意味する言葉ですが、スミレは日本原産の植物です。日本の風土に馴染みやすく、非常に育てやすい植物です。 スミレの花は形が特徴的で、花の後部が突き出して細長い袋状となっており、ここが蜜を分泌する蜜房となっています。スミレという名前の語源は、その花の横から見た姿が大工が使う墨入れ(墨壺)に形が似ていることから付いたと言われていますが、諸説ありますので定かではありません。 スミレは日本に自生する多年草で、野山や森以外に街中でも見かけられます。典型的な虫媒花で、その花の蜜を求めてやってきた昆虫の体に付着した花粉が、次の花に移動して授粉するという仕組みです。けれど、実際にはこの方法で結実することは少ないと言えます。春の開花期を過ぎた夏から秋、環境がよければ冬でも、閉鎖花と言って蕾の段階で自家受精して結実します。スミレが花を咲かせていないのに、種を作っているのを見かけるのはこのためです。

コスミレ

冬から早春(1月~3月)に咲く紫色の野草の花コスミレ

  • 花期:3月~4月

コスミレは、薄紫色の花を咲かせるスミレの仲間の多年草。山野の落葉樹の下など、明るい半日陰で見かけます。

タチツボスミレ

冬から早春(1月~3月)に咲く紫色の野草の花タチツボスミレ

  • 花期:3月~4月

タチツボスミレは、早春に他のスミレより一足早く咲き始めます。薄紫色の小さな花が可憐なスミレの仲間です。

ホトケノザ

冬から早春(1月~3月)に咲く紫色の野草の花ホトケノザ

  • 花期:3月~5月

ホトケノザは、その葉の形が仏様の台座(蓮座)のように見えるというのが名前の由来です。早いものは2月くらいから咲いています。

道端や田んぼの畦道、コンクリートの隙間など「こんなところにも?」って言いたくなるくらい、身近な場所で見かける野草です。

ホトケノザ

  • ホトケノザは日本に自生する在来種の多年草です。一般には野草として扱われています。その葉の形状が、仏様が座る蓮座のように見えるところから「仏の座」と呼ばれるようになりました。他にも葉が段状につくことから「サンガイクサ(三階草)」という別名も持ちます。非常に強健で痩せ地でも育ちますが、肥沃な土壌のほうが花付きも良くなります。 春の七草の「ホトケノザ」と混同する人がいますが、こちらは全くの別種です。春の七草のホトケノザは「コオニタビラコ」というキク科の植物です。シソ科のホトケノザは、食べても毒ではありませんが、食用にはされていません。  

ツタバウンラン

冬から早春(1月~3月)に咲く紫色の野草の花ツタバウンラン

  • 花期:3月~10月

ツタバウンランは、淡い紫色の花を咲かせるオオバコ科の一年草もしくは多年草。ツタに似た葉と、ウンラン(リナリア)に似た花を咲かせるのが名前の由来です。山野や道端など、身近な場所で見かけます。

シンバラリア

  • シンバラリアは、横に広がるように育ち、花径1cmにならないスミレに似た小さな花を春から秋まで次々と咲かせる耐寒性多年草。葉はアイビーに似た形をしていて柔らかい質感です。 日光を好みますが、強すぎる直射日光が当たる場所よりも半日陰くらいの場所で管理した方が状態良く育ちます。日陰でも育ち、丈夫で手間がかからないため、シェードガーデンのグランドカバーとして重宝がられるほか、寄せ植えやハンギングバスケットのアクセントとしても用いられます。 和名の蔦葉海蘭(ツタバウンラン)は、ツタのような葉を持ち、海蘭(ウンラン)の花に似ていることから名付けられました。学名のmuralisは壁という意味を含み、城壁などに生えることから付けられています。

冬から早春(1月~3月)に咲く青色の野草の花2種

オオイヌノフグリ

冬から早春(1月~3月)に咲く青色の野草の花オオイヌノフグリ

  • 花期:2月~5月

オオイヌノフグリは、早春に水色の小さな花を咲かせる越年草。草丈低く群生する姿は水色のカーペットのようで見とれてしまう可愛らしさです。

オオイヌノフグリ

  • オオイヌノフグリは早春から春にかけて地面に小さな青い花を咲かせます。ひとつひとつの花はとても小さくかわいらしい花ですが、地面一面に青い花が広がる様子はとても美しい光景です。かわいらしい花とは裏腹に、とても丈夫で繁殖力の強い植物です。そのまま雪が降ろうが霜が降りようが、ものともせずに春を待ち、ほかの植物が動き出す前の、2月頃から咲き始め、5月頃まで次々と花を咲かせます。 花は一日花で、翌日にはしぼんでしまいますが、その後実ができて、熟すとはじけて種が飛び、勝手に広がっていきます

フラサバソウ

冬から早春(1月~3月)に咲く青色の野草の花フラサバソウ

  • 花期:2月~5月

フラサバソウは、オオイヌノフグリ似た水色の花を咲かせる越年草。花の直径は5mm程度と小さく、全体に軟毛が生えています。

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花8種

キクザキイチゲ

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花キクザキイチゲ

  • 花期:3月~4月

キクザキイチゲは、山野に自生するキンポウゲ科の多年草。花の形状が菊に似ているというのが名前の由来だとされています。

ニリンソウ

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花ニリンソウ

  • 花期:3月~4月

ニリンソウは、山野に自生するキンポウゲ科の多年草。葉と葉の間から2輪の花を咲かせることが名前の由来ですが、2輪以上の花を咲かせることもあります。森の中で群生する姿を見かけると小さく声を上げてしまうくらい可憐でかわいらしい花です。

ニリンソウ(二輪草)

  • ニリンソウ(二輪草)は、4月~5月に白い可憐な花を咲かせるキンポウゲ科の多年草。半日陰の湿地帯を好み、地下茎で増えていきます。群生地では、開花時は地面一面が白い花で覆われ、美しい光景を見ることができます。 Adobe Stock ニリンソウ(二輪草)は、1本の茎から2輪の花を咲かせることから二輪草と呼ばれています。ただし、実際には花は必ず2輪とは限らず、中には1輪や3輪のものもあります。茎から2本ずつ長い茎を出し1輪ずつ開花し、2本目の花は1本目の花に寄り添うように遅れて咲きます。花弁に見えるのは萼片で、枚数は5~7枚です。葉は葉柄を持たず、うっすらと斑があるのが特徴です。 ニリンソウ(二輪草)は若葉を山菜として食用にできますが、トリカブトの若葉と似ていて、誤食による事故例もあります。見分けがつかない場合は、むやみに口に入れるのは避けましょう。

ミスミソウ

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花ミスミソウ

  • 花期:2月~4月

ミスミソウは、別名雪割草とも呼ばれるキンポウゲ科の多年草。小さく可憐な花を咲かせます。花色は白の他にピンクや青などがあります。

ユキワリソウ(雪割草)

  • 雪割草はキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草で日本には自生地が異なるミスミソウ、オオミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウの4種類がありこれらを総称して園芸的にユキワリソウと呼びます。温かい日光がさしたときだけ花を開き曇ったり寒いには花を開きません。落ち葉の間から他の花に先駆けて小さな花を咲かせ、春の訪れを告げるような姿から雪割草と名付けられています。花色は白、赤、黄、青、複色、絞り咲きなど変化が多いうえに花形も多様で葉の変化もあります。1株ごとに異なるといえるほど非常に多くの変異種があります。1株から次々と花を咲かせ環境が合えば丈夫な山野草です。

ユキワリイチゲ

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花ユキワリイチゲ

  • 花期:2月~4月

ユキワリイチゲは、日本原産のキンポウゲ科の多年草。花色は薄っすらと青みがかった白で、草丈は15~30cm。まだ緑少ない森の中などで落ち葉の間でひっそりと花を咲かせています。

クサイチゴ

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花クサイチゴ

  • 花期:3月~5月

クサイチゴは、初春から春にかけて山林や藪の中で白い花を咲かせるバラ科の落葉低木。5月~6月には真赤なビーズ細工のような果実を実らせます。

オドリコソウ

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花オドリコソウ

  • 花期:3月~5月

オドリコソウは、山野の明るい半日陰に自生するシソ科の多年草。花色は白の他に淡いピンクがあります。

ヒメウズ

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花ヒメウズ

  • 花期:3月~4月

ヒメウズは、キンポウゲ科の多年草です。オダマキに似た白い花をうつむくように咲かせます。ヒメウズの花は直径5mm、草丈5~10cm程度ととても小さな草花です。

ミヤマエンレイソウ

冬から早春(1月~3月)に咲く白色の野草の花ミヤマエンレイソウ

  • 花期:3月~4月

ミヤマエンレイソウは、山野に自生する多年草。三枚の葉の上に三枚の花びらのエンレイソウによく似た白い花を咲かせます。

冬から早春(1月~3月)に咲く黄色の野草の花1種

ミツバツチグリ

冬から早春(1月~3月)に咲く黄色の野草の花ミツバツチグリ

  • 花期:3月~5月

ミツバツチグリは、黄色い花を咲かせるバラ科キジムシロ属の多年草。小さな黄色の花は同じバラ科のヘビイチゴを思わせます。木漏れ日が良く当たるような明るい山野に自生します。

冬から早春(1月~3月)に咲く茶色の野草の花1種

エンレイソウ

冬から早春(1月~3月)に咲く茶色の野草の花エンレイソウ

  • 花期:3月~5月

エンレイソウは、山野に自生する多年草。三枚の大きな葉の上に小さな茶色ともえんじ色とも言えるような小さな花を咲かせます。

冬から早春(1月~3月)に咲く緑色の野草の花2種

バイモユリ

冬から早春(1月~3月)に咲く緑色の野草の花バイモユリ

  • 花期:3月~4月

バイモユリは、ユリ科の球根植物。淡いグリーンの花を俯くように咲かせる姿が可憐でファンも多い植物です。高温多湿に弱いので自宅で育てる際には、夏は風通しの良い半日陰に移動させましょう。

フリチラリア

  • フリチラリアは、春咲きの球根植物です。フリチラリアの仲間は豊富で、和名が「ヨウラクユリ」のFritillaria imperialis(フリチラリア・インペリアリス)、茶花で有名な「バイモユリ」のFritillaria thunbergii(フリチラリア・ツンベルギ)、パイソン模様のようなFritillaria meleagris(フリチラリア・メレアグリス)、「クロユリ」の和名で有名なFritillaria camtschatcensis(フリチラリア・カムチャトケンシス)などがあります。 花は釣鐘型に咲くのが特徴で、ちょっと変わった形状から愛好家も多い花です。フリチラリアと聞くとあまり耳馴染みがありませんが、バイモユリやクロユリは日本でも古くから茶花として親しまれてきました。 フリチラリアは春に開花し、夏には地上部が茶色くなって枯れていきます。高温多湿が苦手なので、夏は掘り上げて冷暗所で保存するか、日陰に移動させて乾燥気味に管理する必要があります。

フキノトウ

冬から早春(1月~3月)に咲く緑色の野草の花フキノトウ

  • 花期:1月~3月

フキノトウはフキの花です。まだ寒い早春に落ち葉の間から顔を見せます。食用にするのは花が開ききる前。まだつぼみか、わずかに開き始めている状態を摘んで食べます。

ふき(蕗・フキ)

  • ふき(蕗・フキ)は数少ない日本原産の山菜で、日本全国の山野に自生しています。キク科フキ属の宿根草で、毎年同じ場所で収穫を楽しめる山菜です。 細長い地下茎を数本伸ばして、その先に大型の葉が発生します。私たちがいつも食べている部分はじつは茎ではなく、葉柄(ようへい)といって茎につながる柄(え)のような部分です。ふきの地下茎は有毒なため食さないように気を付けましょう。 早春の雪解けとともに葉よりも先に花茎が土から顔を出すフキノトウは、ふき(蕗・フキ)の花です。フキノトウは雌花と雄花に分かれています。雄花は黄色で、花が咲き終わると枯れていきますが、雌花は白い花を咲かせた後、茎が伸びタンポポの綿毛のような種子を飛ばします。 北海道の足寄町に自生するラワンブキは、高さ2~3mにも達する大きさが有名で、人気の観光スポットにもなっています。

 

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春(4月~5月)に咲く野草の花19種を色別に紹介

春(4月~5月)に咲くピンク色の野草の花2種

イカリソウ

春(4月~5月)に咲くピンク色の野草の花イカリソウ

  • 花期:4月~5月

イカリソウは、山野に自生するメギ科の多年草。花の形が特徴的で、船の錨(いかり)のように見えることが名前の由来です。花色はピンクの他に白や黄色があります。

イカリソウ(錨草)

  • 山野に自生するメギ科の多年草です。花の形が特徴的で、船の錨(いかり)のように見えることが名前の所以です。花色は白からピンク、黄色まで豊富です。その種類は多く、北半球を中心に数十種類あります。木洩れ日のあたる半日陰や日当たりのいい日陰を好みます。地下茎で増えるので、自生地では群生を見られます。

クリンソウ

春(4月~5月)に咲くピンク色の野草の花クリンソウ

  • 花期: 4月~6月

クリンソウは、サクラソウ科の耐寒性多年草。日本原産の植物で、森や山の中でも水辺に近い明るい半日陰に自生しています。花茎に対して数輪の花を円状に、数段重なるように咲かせる様子が仏閣の屋根の九輪に似ているということでクリンソウの名前がつきました。

クリンソウ

  • クリンソウはサクラソウ科の耐寒性多年草です。日本原産の植物で、森や山の中でも水辺に近い明るい半日陰に自生しています。葉の大きさは10~30㎝程度、縁がギザギザとした葉を数枚をロゼット状に広げます。 クリンソウの花期は春から初夏です。花は直径2~3㎝程度で、濃い赤紫からピンク色、稀に白花もあります。花茎に対して数輪の花を円状に、数段重なるように咲かせます。その様子が仏閣の屋根に付いている九輪に似ているということでクリンソウの名前がつきました。九輪とは五重塔のような、仏閣の屋根の上の飾りのことを指す言葉です。

春(4月~5月)に咲く紫色の野草の花4種

ナヨクサフジ

春(4月~5月)に咲く紫色の野草の花ナヨクサフジ

  • 花期:4月~7月

ナヨクサフジは、紫色の花を咲かせるマメ科の越年草。空き地や河原、その他いろんな場所で野草として見かけます。群生する姿は、遠くから見ると紫色の波のようで見惚れてしまうほどの美しさです。

ニワゼキショウ

春(4月~5月)に咲く紫色の野草の花ニワゼキショウ

  • 花期:4月~6月

ニワゼキショウはアヤメ科の多年草または一年草。中心が濃い紫、外側はうっすらと縞模様が入った淡い紫色をしています。花は一日花で、紫色の他に白花があります。

ニワゼキショウ

  • ニワゼキショウは、北アメリカ原産のアヤメ科の多年草です。夏の暑さに弱いため、一年草として扱われる場合もあります。ニワゼキショウの名は、石菖(セキショウ)というサトイモ科の植物に似ていることから名づけられました。日本には明治時代に渡り、野生化した帰化植物です。 日当たりの良い場所を好み芝生や道端に生え、5月~6月に剣形をした10㎝程の草丈の葉に5㎜~1㎝の赤紫色、白、ピンクの小さな花を咲かせる一日花です。花びらは6枚に分かれ紫色の細い筋が入っています。花を咲かせ終わると、さく果ができ、熟すと3つに裂けて種子が散布されます。

マツバウンラン

春(4月~5月)に咲く紫色の野草の花マツバウンラン

  • 花期:4月~6月

マツバウンランは、ゴマノハグサ科の一年草。すっと伸びた茎に縦に連なるように、淡い紫色の小さな花を咲かせます。群生する姿が美しい草花です。

ムラサキケマン

春(4月~5月)に咲く紫色の野草の花ムラサキケマン

  • 花期:4月~6月

ムラサキケマンは、春に紫色の花を咲かせるケシ科の越年草。山野や道端の明るい半日陰でよく見かけます。ホトケノザに似ていますが、ムラサキケマンは全草に毒があるので蜜を吸わないように気をつけてください。

ムラサキケマン

  • ムラサキケマンは春に紫色の花を咲かせるケシ科の越年草です。山野や道端の明るい半日陰でよく見かけます。春先まだ周囲の草が生い茂る前にムラサキケマンの鮮やかな紫色は人目を引きます。 葉茎は明るく瑞々しいグリーンで、細く華奢な印象です。葉先には細かい切れ込みがあり、芹の葉に似ています。細い茎を20~30㎝程度伸ばし、その先に鮮やかな紫色の花を縦に房状に咲かせます。花の形状は特徴的で、ラッパ状の花の先端は避けるように開き、基部を後ろに突き出すような形をしています。この部分に蜜が入っています。花後マメによく似た果実が出来ます。この果実は熟しても色が変わりません。 ムラサキケマンの名前は、ケマンソウに似ているというのが所以です。ケマンとは漢字で華鬘と書き、寺院や仏堂で使用されている装飾具のことです。ケマンソウはこの華鬘に似ているということからケマンソウの名が付きました。ムラサキケマンはケマンソウに似ているというところから、ムラサキケマンの名が付いたようです。 ムラサキケマンは少量ではありますが、ケシ科特有の毒性を持っています。口には入れないように気を付けましょう。

春(4月~5月)に咲く青色の野草の花2種

キュウリグサ

春(4月~5月)に咲く青色の野草の花キュウリグサ

  • 花期:4月

キュウリグサは、小さな忘れな草のような水色の花を咲かせるムラサキ科の越年草。見逃してしまいそうなくらい小さな花ですが、群生する姿はかわいらしく目を惹きます。名前は葉をもむとキュウリのような香りがすることに由来します。

セリバヒエンソウ

春(4月~5月)に咲く青色の野草の花セリバヒエンソウ

  • 花期:4月~5月

セリバヒエンソウは、キンポウゲ科デルフィニウム属の一年草。デルフィニウム属の野草は珍しく、セリバヒエンソウは外来種が帰化したものだと言われています。春に水色のデルフィニウムのような花を咲かせます。

セリバヒエンソウ

  • セリバヒエンソウはキンポウゲ科デルフィニウム属の一年草です。デルフィニウム属の野草は珍しく、セリバヒエンソウは中国からやってきた帰化植物です。帰化植物というと繁殖力が高く害草とされているものが多いのですが、このセリバヒエンソウはそこまで繁殖している姿は見かけません。 花姿が可憐で可愛らしく、そこら中に繁茂するほど逞しい野草でもないので、ファンが多い野草でもあります。一年草でこぼれ種で増えます。 森の中の落葉樹の下など、少し湿った明るい日陰を好みます。少し薄暗い森や人の手があまり入らない公園などで群生している姿を見かけます。 葉は明るく黄色味の強くないグリーンで、セリの葉のように細かく切れ込みが入っています。花はラベンダー色とも言えるような淡い青味がかった紫色で、サイズは2㎝程度、スミレの花のような小さな花を咲かせます。草丈はスミレよりも高く20~30㎝程度となります。森の中で淡い紫色の花が地面から少し浮く感じで群生していたら、スミレではなくセリバヒエンソウかもしれません。近くに行って確認してみましょう。 キンポウゲ科の植物の中には毒性のあるもの多く存在するのですが、このセリバヒエンソウも有毒植物と言われています。間違って口に入れることのないように気を付けてください。

春(4月~5月)に咲く白色の野草の花4種

イカリソウ

春(4月~5月)に咲く白色の野草の花イカリソウ

  • 花期:4月~5月

イカリソウは、山野に自生するメギ科の多年草。花の形が特徴的で、船の錨(いかり)のように見えることが名前の由来です。花色は白の他にピンクや黄色があります。

イカリソウ(錨草)

  • 山野に自生するメギ科の多年草です。花の形が特徴的で、船の錨(いかり)のように見えることが名前の所以です。花色は白からピンク、黄色まで豊富です。その種類は多く、北半球を中心に数十種類あります。木洩れ日のあたる半日陰や日当たりのいい日陰を好みます。地下茎で増えるので、自生地では群生を見られます。

ニワゼキショウ

春(4月~5月)に咲く白色の野草の花ニワゼキショウ

  • 花期:4月~6月

ニワゼキショウは、アヤメ科の多年草または一年草。中心が濃い紫、外側はうっすらと縞模様が入った淡い紫色をしています。花は一日花で、花色は白の他に紫色があります。

ニワゼキショウ

  • ニワゼキショウは、北アメリカ原産のアヤメ科の多年草です。夏の暑さに弱いため、一年草として扱われる場合もあります。ニワゼキショウの名は、石菖(セキショウ)というサトイモ科の植物に似ていることから名づけられました。日本には明治時代に渡り、野生化した帰化植物です。 日当たりの良い場所を好み芝生や道端に生え、5月~6月に剣形をした10㎝程の草丈の葉に5㎜~1㎝の赤紫色、白、ピンクの小さな花を咲かせる一日花です。花びらは6枚に分かれ紫色の細い筋が入っています。花を咲かせ終わると、さく果ができ、熟すと3つに裂けて種子が散布されます。

チゴユリ

春(4月~5月)に咲く白色の野草の花チゴユリ

  • 花期:4月~5月

チゴユリは、山野に自生するイヌサフラン科の多年草。以前はユリ科に分類されていました。白い花を俯くように咲かせます。

ホウチャクソウ

春(4月~5月)に咲く白色の野草の花ホウチャクソウ

  • 花期: 4月~5月

ホウチャクソウは、イヌサフラン科チゴユリ属の多年草で山野に自生しています。以前はユリ科に分類されていました。宝鐸(ほうちゃく)という寺社の飾りに似ているというのが名前の由来です。

ホウチャクソウ(宝鐸草)

  • ホウチャクソウ(宝鐸草)は日本全国の山林に分布している宿根草で、4~5月に白い花を咲かせます。食用の山菜として食べられているアマドコロに似ていますが、ホウチャクソウ(宝鐸草)は茎の先端に花をつけるのに対し、アマドコロは茎の途中に花をつけます。 全国的にみられるありふれた山野草ですが、斑入りのホウチャクソウ(宝鐸草)などは園芸植物として育てられています。画像のホウチャクソウ(宝鐸草)は普通の葉ですが、地植えでも草丈15~20cmほどの矮性ホウチャクソウ(宝鐸草)になります。  

春(4月~5月)に咲く黄色の野草の花4種

キケマン

春(4月~5月)に咲く黄色の野草の花キケマン

  • 花期:4月~5月

キケマンは、黄色の個性的な花を咲かせるケシ科の一年草または多年草。山野の日当たりの良い場所で見かけます。葉茎を傷つけると独特の臭いがします。筒状の花を縦に連ねるように咲かせる姿が美しい野草です。

キンラン

春(4月~5月)に咲く黄色の野草の花キンラン

  • 花期: 4月~5月

キンランは、日本の本州から九州の山林に自生するラン科の多年草。キンラン(金蘭)の名前の由来は、黄色の花色を金色に見立てて付けられたものです。同じキンラン属にギンラン(銀蘭)という白花を咲かせる品種もあります。

キンラン(金蘭)

  • キンランは日本の本州から九州の山林に自生するラン科の多年草です。金蘭(キンラン)の名前の由来は、黄色の花色を金色に見立てて付けられたものです。同じキンラン属に銀蘭(ギンラン)という白花を咲かせる品種もあります。 キンランは太陽の光がある程度入る山林で見かけます。強い陽射しが当たるような場所では見かけません。キンランの花は4~5月頃に開花します。茎の先に付いた数個の花を、晴れた日の日中に咲かせます。花びらが開ききらないのも特徴です。 キンランは土中の菌根菌やそれを取り巻く環境と共存していると言われています。かといって非常に気難しい植物というほどのことはなく、環境が合えば群生するように咲いている姿も見かけます。 キンランは現在絶滅危惧種とされています。山野で見かけても掘り起こして持ち帰ることのないようにしてください。

ヘビイチゴ

春(4月~5月)に咲く黄色の野草の花ヘビイチゴ

  • 花期:4月~6月

ヘビイチゴは、バラ科の多年草。森林、公園、空地、道端など、身近な場所で見かけます。ヘビイチゴは、桜が終わった頃に明るい黄色の可愛らしい花を咲かせます。花の後には、小さくて真赤な果実が実ります。ヘビイチゴの果実は食用にはできません。

ハハコグサ

春(4月~5月)に咲く黄色の野草の花ハハコグサ

  • 花期:4月~5月

ハハコグサは、身近な場所で見られるキク科の一年草または多年草。小さな黄色の花がかわいらしい野草です。

春(4月~5月)に咲くオレンジ色の野草の花1種

ナガミヒナゲシ

春(4月~5月)に咲くオレンジ色の野草の花ナガミヒナゲシ

  • 花期:4月~5月

ナガミヒナゲシは、春から秋まで咲き続けるケシ科の一年草。帰化植物として道端などで自生しています。繁殖力が強いので厄介な雑草と言われていますが、淡いオレンジ色の花が風にそよぐ様子は愛らしくあります。

春(4月~5月)に咲く茶色の野草の花1種

マムシグサ(テンナンショウ類)

春(4月~5月)に咲く茶色の野草の花マムシグサ

  • 花期:4月~5月

マムシグサは、サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、山野に自生します。独特フォルムは毒々しくもあり、目を惹きます。色は他にグリーンがあります。テンナンショウの仲間は交雑しやすいので品種を特定するのが難しいとも言われています。

春(4月~5月)に咲く緑色の野草の花1種

ムサシアブミ

春(4月~5月)に咲く緑色の野草の花ムサシアブミ

  • 花期:4月~5月

ムサシアブミは、サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、山野に自生します。仏炎苞(ぶつえんぼう)のなかにある肉穂花序(にくすいかじょ)が花です。テンナンショウの仲間は交雑しやすいので品種を特定するのが難しいとも言われています。

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夏(6月~8月)に咲く野草の花19種を色別に紹介

夏(6月~8月)に咲くピンク色の野草の花2種

ネジバナ

夏(6月~8月)に咲くピンク色の野草の花ネジバナ

  • 花期:5月~8月

ネジバナは、春から夏に芝生や歩道の脇、花壇の中などで咲いているのを見かけるラン科の多年草。日本に自生する原種のランです。らせん状に花を咲かせるからというのが名前の由来です。

ネジバナ(捩花)

  • ネジバナ(捩花)は、らせん状に巻き付くように花をつけるラン科の多年草。日本に自生する原種のランですが、とても小ぶりであることや生えている場所が他のランとは違うので、雑草として扱われてしまうことがほとんどです。 株の中心から高さ15~40cmほどの花茎をまっすぐに伸ばし、らせん状に花を咲かせます。1つの花は5mmほどですが、明るいピンク色とユニークな咲き方でとても目立ちます。花色はピンクが一般的ですが、稀に白花もあります。真直ぐな茎に絡みつくように花を咲かせる姿は独特で、山野草愛好家の間で人気の植物でもあります。 ネジバナ(捩花)の花の巻き付き方は、実は一定ではありません。右巻きもあれば左巻きもあります。中には、らせん状にねじれないものや、途中からねじれ方が変わるものもあります。「ねじり草」「ネジレバナ」「ネジリバナ」などの呼び名もあります。

ハゼラン

夏(6月~8月)に咲くピンク色の野草の花ハゼラン

  • 花期:8月~10月

ハゼランは、夏から秋にかけてピンクの小さな花を無数に咲かせる多年草または一年草。花の後の小さな粒々の実がはじけて種が飛び出すことから、爆蘭(ハゼラン)という名前がついています。

夏(6月~8月)に咲く紫色の野草の花6種

ツルボ

夏(6月~8月)に咲く紫色の野草の花ツルボ

  • 花期:8月~9月

ツルボは日本に自生するキジカクシ科の球根植物で、山野草の1つにも数えられます。淡い紫色のムスカリのような花がかわいい野草です。

ツルボ

  • ツルボは、日本各地に分布するキジカクシ科の耐寒性多年草(球根植物)。日当たりの良い山野、畑のあぜ道、河原の土手などの丈の高い草が生えないような場所に自生しています。 日本に自生している植物のため、丈夫で繁殖力旺盛で植えっぱなしで管理できます。夏と冬は休眠し、春に出た葉は夏に枯れ、8月~9月に再び葉が出て株元から花穂を立ち上げ薄紫色の穂状の花が開花します。野草なので派手さはありませんがかわいらしい花は群生すると見栄えがします。 別名の参内傘(サンダイガサ)の名前の由来は、花の形が公卿が参内する際に従者がさしかけた長柄の傘をたたんだ形に似ていることにちなみます。古くから薬草として球根をすりつぶしたものを、神経痛、腰痛、膝痛、やけど、切り傷などの患部に貼る湿布薬として使われてきました。ただし、根の部分には毒性があります。

ナンバンギセル

夏(6月~8月)に咲く紫色の野草の花ナンバンギセル

  • 花期:8月~10月

ナンバンギセルは、ハマウツボ科の寄生植物。ススキなどの株元で咲いているのを見かけます。名前の由来は、煙草を吸う道具の煙管(きせる)に似ているから。晩夏から秋まで咲いています。

ホタルブクロ

夏(6月~8月)に咲く紫色の野草の花ホタルブクロ

  • 花期: 6月~7月

ホタルブクロは、キキョウ科の多年草。釣鐘型の花を俯くように咲かせます。名前の由来は、この花の中に蛍が入ると考えられたからだそうです。花色は他に、白やピンクがあります。

ホタルブクロ

  • ホタルブクロは中国原産の多年草で、日本でも山野などに自生している植物です。俯くように咲く釣鐘型の花の形が非常に特徴的で可愛らしく、古くから観賞用としても愛されています。この釣鐘型の花の中に蛍が入ると考えられ、ホタルブクロと呼ばれるようになったと言われています。地下茎でよく増えます。半日陰でも花を咲かせるので、花が少なくなりがちなシェードガーデンでも活躍してくれます。非常に強健で、育てやすい植物です。

レンゲショウマ

夏(6月~8月)に咲く紫色の野草の花レンゲショウマ

  • 花期:7月~8月

レンゲショウマは、山野に自生するキンポウゲ科の多年草で、木漏れ日が当たるような湿地を好みます。淡い紫色の花を俯くように咲かせる姿が美しく愛好家もいるほどです。花色は他に白があります。

クズ

夏(6月~8月)に咲く紫色の野草の花クズ

  • 花期:7月~9月

クズは、日本の山野及び街中の公園や空き地などで見かけるつる性の多年草。秋の七草の一つとしても有名。赤紫色の藤を逆さにしたような花を咲かせます。薬用や食用に利用される傍ら、繁殖力が強く駆除が困難な雑草としても扱われています。

コバノカモメヅル

夏(6月~8月)に咲く紫色の野草の花コバノカモメヅル

  • 花期:7月~9月

コバノカモメヅルは、湿地や草原に自生するキョウチクトウ科のつる性多年草。花は直径7~15mm程度と小さく、えんじ色に近いくらい紫色をしています。とても小さな花なので注意して探さないと見逃してしまいます。

夏(6月~8月)に咲く青色の野草の花1種

ツユクサ

夏(6月~8月)に咲く青色の野草の花ツユクサ

  • 花期:6月~9月

ツユクサは、山野、道端など身近な場所で見かけるツユクサ科の一年草。夏の暑い盛りに涼しげな青い花を咲かせます。ツユクサの花は朝咲いて昼過ぎには萎れてしまうので、午前中にしか会えない花です。

ツユクサ(露草)

  • 東アジアの温帯に広く分布する一年草で6月~9月に小さな青い花をつけることで古くから親しまれています。茂り始めると茎を長くのばし、地を這って枝分かれする茎の節々から根を出して他の植物を覆うほどに生育旺盛なため雑草として扱われます。花は早朝から開花し午後にはしぼむ性質があります。内側に付く3枚の花弁のうち2枚は大きく鮮やかな青色ですが残りの1枚は小さく白いためあまり目立ちません。おしべは6本ありそのうちの2本がめしべとともに前に長く突き出しています。中心部にある雄しべの黄色が青色を背景に引き立たせています。

夏(6月~8月)に咲く白色の野草の花7種

カラスウリ

夏(6月~8月)に咲く白色の野草の花カラスウリ

  • 花期:7月~9月

カラスウリは、山野に自生するウリ科の多年草。周囲の木につるを絡ませて生長します。夏にレースを広げたようなフォルムの白い花を咲かせます。カラスウリの花は夜に咲くので、花を見たければ日が暮れてから探しに行くようにしてください。

カラスウリ(烏瓜)

  • カラスウリ(烏瓜)は秋に卵型をしたオレンジ色の果実を実らせる、ウリ科の多年生つる植物です。カラスウリ(烏瓜)の花は雌雄異株です。夜になると開き翌朝には閉じてしまいます。白い花の縁は糸上に裂けていて、レースのように花びらの周りに広がります。開花期は夏、7~9月くらいに咲きます。 カラスウリ(烏瓜)は根が特徴的で、塊根を成します。冬は地上部が無くなり、翌春また、この塊根から芽吹きます。通常山野や藪を好みますが、街中でも見かけます。生育旺盛で、夏の生育期にはフェンスや他の樹木に絡みつき、繁茂します。非常に強健で、地面に着いた枝からも発根し増えていきます。 カラスウリ(烏瓜)の果実は、熟すまではグリーンに薄い白の縦じまが入っています。秋が深まるにつれ、模様はなくなり濃いオレンジ色へと変化していきます。カラスウリ(烏瓜)は特に秋に熟す果実の中の種子が個性的です。種子の形状が打ち出の小槌に似ていることから、縁起物としてお財布に入れておくと良いとも言われています。  

ドクダミ

夏(6月~8月)に咲く白色の野草の花ドクダミ

  • 花期:5~7月

ドクダミは、全草に独特の臭いを持った多年草。スペード形の濃いグリーンの葉を持ち、真白で可愛らしい花を咲かせます。

ドクダミ

  • ドクダミは、原産地が東アジアのドクダミ科での多年草です。独特な匂いでコンクリートの割れ目からも生えてくるくらい強く、抜いても抜いても生えてくる……と、雑草扱いされることも多い草花ですが、化学薬品のなかった昔は民間治療薬として重宝されてきた和のハーブのひとつです。 ドクダミは別名「十役」と呼ばれ、開花時期は5~6月で、茎先に十字型の白い花を咲かせます。ドクダミの花名の由来は、毒や傷みを抑える効果を持つことから「毒痛み」が転じたと言われる説と、葉の特有の匂いが毒ではないかといわれたことで「ドクダメ」と呼ばれるようになり、それが「ドクダミ」になったという説があります。 冬の間は地上部分はなく、春になると芽吹いて、花は5月の終わりから6月に開花します。ドクダミの花びらに見える白い部分は「総苞(そうほう)」です。花はとんがっている黄色い部分に密集しています。

ハンゲショウ

夏(6月~8月)に咲く白色の野草の花ハンゲショウ

  • 花期:6月~7月

半夏生は、水辺や湿地に自生するドクダミ科の多年草。初夏に白い花穂をつけます。名前の由来は、花の下の葉が半分くらい白くなるから半化粧だと言われています。

半夏生(ハンゲショウ)

  • 半夏生は、日本、フィリピン、中国の水辺や湿地に自生するドクダミ科の多年草です。ドクダミと同じく地下茎で増えるので、地植えにするとよく広がります。水辺や湿地に自生していることから、湿潤な土を好みます。葉が美しく白くなるには日光も必要なので、日当たりの良い場所~明るめの半日陰くらいの場所で育てるのに向いています。背丈は50cmから1mくらいになる大型の宿根草で冬期は地上部分はなくなります。 半夏生は、6月の終わりから7月初旬にかけて、白い花穂をつけます。開花の頃になると、花穂のすぐ下の葉が半分白くなるのが特徴です。白くなる面積は個体差がありますが、葉が一面白くなることはあまりありません。花が咲くと白くなる理由は、半夏生は虫媒花であるため、葉を白くして虫に花のありかを知らせるためではないかと言われています。   半夏生の名前の由来は諸説あります。夏至から数えて11日目を「半夏生」と呼び、農作業などの目安とされる日でした。この半夏生の頃に花を咲かせるので半夏生と呼ばれるようになったという説があります。また、葉が半分白くなることから、「半化粧」と言われるようになった、という説もあります。学名のSaururusは、ギリシア語のトカゲ=sauros、尾=ouraを意味し、細長い花穂に由来しています。カタシログサという別名は、葉が半分程度白くなることからつけられました。 半夏生の近縁種で、「アメリカハンゲショウ」という品種があります。こちらは開花時も葉が白くなることはありません。

ビナンカズラ

夏(6月~8月)に咲く白色の野草の花ビナンカズラ

  • 花期:7月~8月

ビナンカズラは、別名サネカズラともいう、常緑つる性木本。夏に白い花を咲かせ、秋に赤い果実を実らせます。

ヘクソカズラ

夏(6月~8月)に咲く白色の野草の花ヘクソカズラ

  • 花期:7月~8月

ヘクソカズラは、山野や公園など身近な場所で見かけるアカネ科のつる植物。夏に中心部が紫色で周囲が白の花を咲かせ、秋には黄金色の果実を実らせます。全草に独特の臭いがあるのが名前の由来です。

ヘクソカズラ(屁糞葛)

  • ヘクソカズラ(屁糞葛)は日本の山野に自生するつる性多年草です。名前の由来は文字通り、花や葉茎を切断すると屁糞のような悪臭がする為です。同じように英名もstinkvine(悪臭のするツル)や、chicken excrement plant(鶏糞の匂いがする植物)と、散々な名前が付いています。 酷い名前を付けられてしまった可哀そうなヘクソカズラ(屁糞葛)ですが、とても可愛らしい花を咲かせます。1~1.5cmほどの釣鐘型の小さな花は外側は光沢のある白、中心部はボルドーカラーのような紫色をしています。その質感もふわふわとした砂糖菓子のようです。さらに秋から冬にかけて黄金色に色づく種子は、リースやドライフラワーの花材としても人気です。最近ではヘクソカズラという名前のイメージの悪さからか、「カズラ」と言う名前で流通しています。ヘクソカズラ(屁糞葛)の特有の悪臭はフレッシュの状態では悪臭を放ちますが、乾燥させると匂わなくなります。

マツカゼソウ

夏(6月~8月)に咲く白色の野草の花マツカゼソウ

  • 花期:8月~10月

マツカゼソウは、山野に自生するミカン科の多年草。丸みを帯びた葉も、小さな白い花もかわいらしい野草です。

センニンソウ

夏(6月~8月)に咲く白色の野草の花センニンソウ

  • 花期:7月~9月

センニンソウは、山野に自生するキンポウゲ科のつる植物。日本に自生する原種のクレマチスです。周囲の木に絡みつきながら大きく生長し、真白な花をたくさん咲かせます。

センニンソウ(仙人草)

  • センニンソウ(仙人草)は、日本や中国などに自生する原種のクレマチス(フラミュラ系)でつる性多年草です。種の形が白い髭を生やした仙人を連想させることから名づけられました。 花の開花時期は夏から秋。小輪多花性で、白い小さな花が無数に開花します。生長力が旺盛で壁一面に白い花が無数に開花している様は圧巻です。その特徴からフェンス、アーチ、トレリスなどに這わせるクレマチスとして人気です。花にはほのかな香りもあります。 ただし、センニンソウ(仙人草)には毒性があり、茎を切った時に切り口からでる白い液体や濡れた花粉を触るとかぶれることがあります。 もともと日本で自生している植物なので、丈夫で扱いやすいクレマチスです。とても伸びますが、剪定で自由に仕立てることが可能です。

夏(6月~8月)に咲く黄色の野草の花1種

マツヨイグサ

夏(6月~8月)に咲く黄色の野草の花マツヨイグサ

  • 花期:6月~9月

マツヨイグサは、河原、海辺、公園や道端など、身近な場所で見かけるアカバナ科の越年草または一年草。日が落ちてから咲き始め、明け方には萎れてしまうのでマツヨイグサ(待宵草)というのが名前の由来です。

マツヨイグサ(待宵草)

  • 江戸時代後期から明治時代初期に園芸種として日本へ渡ってきた、一年草の帰化植物です。 葉は細い披針型の葉が交互に生え、草丈は10㎝~30㎝、6月~8月に明るい黄色の花を咲かせます、花の大きさは3㎝程の大きさで、花びらは4枚で夕方から一夜だけ花を咲かせます。花が咲き終わる頃にオレンジ色に花色を変えて朝になる頃に萎む一夜花です。 花の後に長細い種が出来ます、種は下の方がはじけて散布されて増えていきます。  

夏(6月~8月)に咲くオレンジ色の野草の花1種

ハルシャギク

夏(6月~8月)に咲くオレンジ色の野草の花ハルシャギク

  • 花期:6月~7月

ハルシャギクはキク科の一年草。コスモスのような花を咲かせます。草丈は1m程度まで生長します。

夏(6月~8月)に咲く緑色の野草の花1種

ヨウシュヤマゴボウ

夏(6月~8月)に咲く緑色の野草の花ヨウシュヤマゴボウ

  • 花期:5月~9月

ヨウシュヤマゴボウは、秋にブドウのような黒い実を実らせるヤマゴボウ科の多年草。夏にあまり目立たないグリーンの小さな花を咲かせます。

ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)

  • ヨウシュヤマゴボウは北米原産の大型多年草で、草丈1~2mほどになり、公園や住宅地などで見かけることが出来ます。夏~秋にかけて白い花を咲かせ、紫色のブルーベリーのような実を総生りにつけます。日本に古くから自生して食用にもされているヤマゴボウと違い、ヨウシュヤマゴボウは全草に毒性があり、特に根の誤食と種子を口にしないよう注意が必要です。

 

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秋(9月~11月)に咲く野草の花10種を色別に紹介

秋(9月~11月)に咲くピンク色の野草の花3種

シュウカイドウ

秋(9月~11月)に咲くピンク色の野草の花シュウカイドウ

  • 花期:8月~10月

シュウカイドウは、山野に自生するシュウカイドウ科の多年草。シュウカイドウの葉は左右非対称のハート型。この葉の形から「片思い」という花言葉がつけられたと言われています。

シュウカイドウ(秋海棠)

  • シュウカイドウ(秋海棠)は日本の山野に自生している、中国原産の多年草です。山野の落葉樹の下など、湿り気があって肥沃な土壌の半日陰で群生しているのを見かけます。楚々とした山野草らしい風情をした、ベゴニアの仲間になります。 大きな葉とその先に俯くように小さな薄ピンク色の花を咲かせます。シュウカイドウ(秋海棠)の花は、いくつにも枝分かれしてその先に花を付けるので、吊り下げ型の花飾りのような趣があります。耐寒性が強く、根は球根となり越冬します。秋には葉腋に出来るムカゴが地面に落ち発芽するので、気が付くと群生しているというようなことがあります。 シュウカイドウ(秋海棠)はその花の形が、春に咲く花木のカイドウ(海棠)に似ていることから、秋に咲く海棠という意味で名付けられたという説があります。左右非対称のハート形の葉が印象的で、この葉の形から「片思い」という花言葉も付けられています。白花種もあります。

ガガイモ

秋(9月~11月)に咲くピンク色の野草の花ガガイモ

  • 花期:8月~9月

ガガイモは、野原に自生するキョウチクトウ科のつる性多年草。薄紫がかった淡いピンクの星型の花を固まって咲かせます。花に軟毛があるのが特徴です。

ミゾソバ

秋(9月~11月)に咲くピンク色の野草の花ミゾソバ

  • 花期:7月~10月

ミゾソバは、湿地や河原などに自生するタデ科イヌタデ属の一年草。ソバによく似た花を咲かせます。淡いピンク色の小さな花が可愛らしい野草です。

秋(9月~11月)に咲く紫色の野草の花3種

ツルマメ

秋(9月~11月)に咲く紫色の野草の花ツルマメ

  • 花期:8月〜9月

ツルマメは、日当たりの良い野原などに自生するマメ科の一年草。晩夏から秋にかけて直径5mm程度の小さな淡い紫色の花を咲かせます。

ノコンギク

秋(9月~11月)に咲く紫色の野草の花ノコンギク

  • 花期:8月~10月

ノコンギクは、野原に自生するキク科の多年草。白に近い淡い紫色の花を咲かせます。ヨメナやシオンなどと同じく野菊の一つです。

ヌスビトハギ

秋(9月~11月)に咲く紫色の野草の花ヌスビトハギ

  • 花期:9月~10月

ヌスビトハギは、山野や野原に自生するマメ科の多年草。淡い紫色からピンク色の小さな花を咲かせます。花は直径3~4mmで、マメ科特有の蝶形花をしています。

秋(9月~11月)に咲く白色の野草の花1種

シャクチリソバ

秋(9月~11月)に咲く白色の野草の花シャクチリソバ

  • 花期:7月~10月

シャクチリソバは、野原や河原などに自生するタデ科ソバ属の多年草。薬用として日本に渡ってきたものが帰化したものです。秋に小さな白い花を咲かせます。

秋(9月~11月)に咲く赤色の野草の花2種

ヒガンバナ

秋(9月~11月)に咲く赤色の野草の花ヒガンバナ

  • 花期:9月~10月

ヒガンバナは、秋の彼岸の頃に真赤な花を咲かせるヒガンバナ科の球根植物。花が咲き終わった後に葉が出てきます。花色は他に白があります

彼岸花(ヒガンバナ)

  • 彼岸花(ヒガンバナ)は夏の終わりから秋にかけて咲く球根の花。お彼岸の頃に開花するLycoris radiataの他、夏に開花する品種もあります。最近はたくさんの園芸品種があり、学名のリコリスという名前で流通していることがあります。 1本の真っ直ぐな緑色の茎の先端に、直径約10cm前後の花を咲かせます。花びらの色は品種改良が進み種類によって違いますが、日本で多くみられるのは赤。田んぼなどのあぜ道に咲いている風景をが印象的です。 彼岸花(ヒガンバナ)の花弁は他の花に比べて独特です。幅は5mm程度、長さは4cm程の花びらを6、7枚放射状に付けます。茎の長さは30~50cm。成人の膝丈程に伸びます。葉っぱも茎と同様細長く30~50cmになります。彼岸花(ヒガンバナ)は面白い事に花が咲く時期に葉っぱはありません。花が枯れた後ににょきにょきと生長する特徴があります。花と葉が同時に着かないことから「葉見ず花見ず」と言われています。 一般的に彼岸花(ヒガンバナ)で流通しているものは、秋の彼岸の頃に赤い花が咲く、リコリス・ラディアータと呼ばれる品種です。白花の彼岸花(ヒガンバナ)はリコリス・アルビフローラと呼ばれる交配種です。

ミズヒキ

秋(9月~11月)に咲く赤色の野草の花ミズヒキ

  • 花期:8月~10月

水引(ミズヒキ)は、夏から秋にかけて、糸のような細い花茎に小さな花を咲かせる多年草。お正月飾りや慶事の熨斗(のし)に添える水引に似ていることから、この名前で呼ばれるようになったと言われています。他にギンミズヒキと呼ばれる白花種もあります。

水引(ミズヒキ)

  • 水引(ミズヒキ)は夏から秋にかけて、糸のような細い花茎に小さな花を咲かせる多年草です。お正月飾りや慶事の熨斗(のし)に添える水引に似ていることから、この名前で呼ばれるようになったと言われています。赤花が一般的ですが、ギンミズヒキと呼ばれる白花種もあります。他にキンミズヒキという黄花を咲かせる植物がありますが、キンミズヒキはバラ科なので全くの別種です。 水引(ミズヒキ)は葉に黒い模様が入っているのが一般的ですが、葉に白く模様の入った斑入り種も園芸種も人気です。この葉の黒い模様は花が咲く頃には自然と消えています。 水引(ミズヒキ)は茶花として好まれていますが、雑草のように山野に生えている逞しい植物です。落葉樹の足元など、明るい半日陰になる場所を好みます。湿った場所を好みますが乾燥にもよく耐えます。こぼれ種で良く増える為、放っておくと広がって増えます。増えすぎて困る場合は、数年に一度は株を整理しましょう。さらに水引(ミズヒキ)の種は動物や人の衣服に付いて移動します。「こんなところから?」という場所から水引(ミズヒキ)が生えてきたら、服に種を付けて持って帰ってきてしまったのかもしれません。

秋(9月~11月)に咲く茶色の野草の花1種

ワレモコウ

秋(9月~11月)に咲く茶色の野草の花ワレモコウ

  • 花期:8月~10月

吾亦紅(ワレモコウ)は、バラ科の多年草。晩夏から秋にかけて日当たりの良い野原や川辺に咲く山野草です。その華奢で風にそよぐ草姿は風情があり、茶花にも使われています。花色は他に白もあります。

吾亦紅(ワレモコウ)

  • 吾亦紅(ワレモコウ)は、バラ科の多年草です。晩夏から秋にかけて日当たりのいい野原や川辺に咲く山野草です。その華奢で風にそよぐ草姿は風情があり、茶花にも使われています。 吾亦紅(ワレモコウ)の花は、茶色に近い赤花が一般的ですが、白花種もあります。草丈は50㎝~160㎝ほどになり、華奢な茎先を枝分かれさせて複数の花を咲かせます。吾亦紅(ワレモコウ)の花のように見える部分は、花びらの無い1~2㎝程度の小さな花穂です。葉は楕円形で、ギザギザとしたノコギリの葉のような切れ込みがあり、その形は羽毛のようにも見えます。改良品種には斑入り葉の品種もあります。 サラダバーネットというハーブは、この吾亦紅(ワレモコウ)の仲間で、よく見ると吾亦紅(ワレモコウ)に良く似た葉をしています。サラダバーネットは日本の多湿に弱く、夏の蒸れで枯れてしまいがちですが、寒冷地や風通しの良い場所で管理することで長く楽しむことが出来ます。

 

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気になる野草の花は見つかりましたか。野草と一口に言っても、身近なものから珍しいものまでいろいろあります。山へ行ったとき、お散歩中、気になる花があったら調べてみてください。植物の名前がわかると、道を歩くのが楽しくなります。日々の生活の中に小さな幸せを見いだせるようになります。豊かな日常を送ってみませんか。

 

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山田智美

植物が好きで好きで、植栽設計、ガーデナー、生花店勤務を経て現在は、フリーランスの花屋「花や蜜」として活動中。「てのひらに森を」がテーマの花屋です。森の中にいるような、見ているだけで力が抜けていくようなお花を作り続けたいと思ってます。街中で突然お花を配る、「花ゲリラ棘」というゲリラ的花配り活動も不定期決行しています。

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