バナナとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- バナナ
- 学名
Musa
- 英名
- Banana
- 和名
- 甘蕉、実芭蕉
- 科名
- バショウ科
- 属名
- バショウ属
- 原産地
- 東南アジア
バナナの特徴
昔からデザートとして愛されてきたバナナ。現代でもアスリート必須の完全栄養食として人気を保っています。熱帯産の植物なので家庭で収穫するイメージがあまりありませんが、実は鉢植えからでも採れるんです。本来は5m以上も伸びる大きな多年草ですが、家庭での栽培用に改良された品種は1~2mまでしか成長せず、果実も採れるのでおすすめです。南国の雰囲気をいっぱいに発散しているので、インテリアとしても重宝します。冬の間は鉢カバーを用意して室内で楽しみます。果樹に見えますが、幹にあたる部分は、葉が重なり合った「擬茎」と呼ばれる部位です。
バナナの詳細情報
園芸分類 | 果樹 |
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草丈・樹高 | ~2m |
開花時期 | 5~10月 |
バナナの種類
三尺バナナ
1mほどにしか育たず、果実もつけてくれる家庭での栽培にうってつけの品種です。寒さを苦手とし、冬は屋内管理になりますので、鉢植えで育てましょう。
スーパーミニバナナ
60cmほどで結実する品種です。
アイスクリームバナナ
耐寒性に最も優れている品種です。寒さに耐えるのに冷たいスイーツの名前がついているのは、味がバニラアイスにそっくりなためです。
バナナの語源
バナナの語源は、アフリカやアラビア半島で「指」または「複数の指」を意味する言葉。言語は違っても実の形から共通のイメージを持っていたようです。 和名は「ミバショウ(実芭蕉)」。より早い時代から日本に入っていた「バショウ」とよく似ていますが、食用の実をつけることで区別しました。日本にバナナが輸入されたのは明治36年(1903)のこと。現代でもおなじみの台湾バナナです。
松尾芭蕉の人生観
『奥の細道』で知られる松尾芭蕉。俳句を専業とする俳諧師となった当初は「桃青」と名乗っていました。芸術志向の強かった彼は俗っぽい江戸の中心を離れ、深川に質素な庵をかまえました。そこにバショウを植えたところ見事に育って評判に。彼は庵を「芭蕉庵」と名づけ、自らも芭蕉と名乗るようになったのです。 バショウの幹(擬茎)は家の柱に使えません。バナナではないので実も食べられません。俳句には実用性がないけれど、バショウのように人生の役に立つ。芭蕉の名にはそんな彼の想いが込められているのです。
バターバナナ
耐寒性に優れるバナナの品種に「バターバナナ」がありますが、ここでは園芸種ではなく、おやつレシピの「バターバナナ」をご紹介しましょう。 バナナを5mm程度の輪切りにし、バターをひいたフライパンで炒めるだけ。はちみつとシナモンパウダーをかければ完成です。手軽でバナナのコクを堪能できますよ。
バナナの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
バナナの栽培環境
日当たり・置き場所
春~秋は直射日光に十分当てます。冬は日当たりのよい屋内で育てましょう。
用土
果実をつけるには土の量が20Lは必要なので、15号以上の大鉢が必要です。小粒の赤玉土、腐葉土、川砂を配合した水はけのよい土にします。「サボテンの土」も効果的です。
バナナの育て方のポイント
水やり
土が乾いたらたっぷり与えます。夏の生育期は特に水を欲しがりますので1日2回を目安にあげましょう。休眠期の冬は控えめに。
肥料
生育期の4~10月には、2ヶ月に1回窒素分とカリウムを多く含んだ固形肥料を与えます。肥料不足になると果実の甘みが減り、成長も遅くなります。
病害虫
ハダニがつきやすいので、こまめに葉水します。病気に強いのが特長です。 ハダニは気温が高いところや乾燥している場所に発生します。暖かい時期に発生しやすく植物の葉から栄養を吸収して弱らせます。また、弱った植物はハダニの被害に遭いやすく、被害も大きくなりやすいです。数が増えて被害が大きくなってくると、葉緑素の不足によって光合成ができなくなり、生長不良になったり、植物自体が枯れていきます。
バナナの詳しい育て方
選び方
「三尺バナナ」「島バナナ」といった国産の品種は本土の寒さにやや弱いので、米国原産種の苗がおすすめです。葉が黄変しておらず、色の濃いものを選びましょう。
種まき
暖かな時期を選びます。皮が硬いので種を2昼夜ほど水に漬けてから、花や野菜の培養土に植えます。成長が速いので定期的な鉢増しが必要です。
植え付け
生育中に寒さがこないよう、春から夏の間に植え付けます。根詰まりを起こすと生育が止まるので、植え替えは早めに。
剪定・切り戻し
園芸用でも品種によっては3mに育つので、鉢植えの場合、1mを超えたところで切り戻しします。切り口からすぐに新芽が出てきます。幹の古皮は気づいたら取り除きます。開花一週間後に摘花(中性花と雄花苞を摘み取る)、実がなったら一番下の段の実を摘果します。
植え替え・鉢替え
植え替えの時は土を崩さず、そのままひとまわり大きな鉢へ。大きな鉢ほど大きく育ちます。
花
開花一週間後に摘花(中性花と雄花苞を摘み取る)しましょう。
収穫
実をつけると、その株は枯れてしまいます。掘り起こして株分けしましょう。株分けから2~3年で収穫できます。