もも(桃)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
もも(桃)
学名

Amygdalus persica

英名
Peach blossom
和名
別名・流通名
実桃
科名
バラ科
属名
モモ属
原産地
中国中北部

もも(桃)の特徴

もも(桃)は、バラ科サクラ属の落葉中高木で、樹高は2~4mに達し花が美しく、果実は、ほのかな紅色をし甘くみずみずしさがあります。植え付けから数年で成木になり大きな実を収穫できますが、病害虫が多く栽培には摘果や袋かけ、薬剤散布の手間と技術が必要です。極早生種から晩生種までさまざまですが初心者は早生種の方が栽培しやすいです。中国では3000年以上前から食用として栽培されていたといわれており、禍を避け福を招く縁起のよい木と考えられています。ヨーロッパには紀元前に伝わっておりローマ帝国の書物にも登場します。日本に伝わった時期は不明ですが縄文遺跡から種が出土しています。

もも(桃)の詳細情報

園芸分類 果樹
草丈・樹高 2m~8m程度
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色 ピンク~白
開花時期 3~4月

もも(桃)の種類

「白桃」や「砂子早生」は花粉がないため1本では実がつきません。「あかつき」「白鳳」「大久保」は花粉があるため1本でも実がつきます。早生~中生種の「ちよひめ」は晩生種に比べて害虫がつきにくいです。

 

もも(桃)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
剪定
肥料
開花
収穫

もも(桃)の栽培環境

日当たり・置き場所

もも(桃)は日当たりと水はけがよく、強風が直接当たらない場所を選んで植え付けます。

用土

もも(桃)は、水はけのよい砂質土を好みます。停滞水に弱いので地下水位が高い所や水はけの悪い用土では育ちにくく、石が多いような水はけのよい場所の方がよく育つ場合もあります。

もも(桃)の育て方のポイント

水やり

もも(桃)は乾燥に弱いので若木のうちは夏の乾燥に注意しましょう。根付けば夏の高温時以外は水やりは不要で乾燥気味の環境を好みます。夏に水をやる場合は朝早くか夕方にやりましょう。果実が成熟する時期には水をきったほうが果実が甘くなります。

肥料

もも(桃)は2月に寒肥、実を収穫した後のお礼肥と年に2回施します。冬場は有機質の肥料で窒素分よりもカリ分とリン酸の多いものを選びましょう。その他、生育状況を見ながら鉢植えの場合は液肥を薄めたものを適量、施します。

病害虫

比較的病害虫が多い花木です。害虫はアブラムシ、モモハモグリガ、モモノゴモダラメイガ、シンクイムシ類、カイガラムシがあり、病気は縮葉病や灰星病が発生します。葉が展開する時から夏、秋にかけて定期的に殺菌殺虫剤を散布して防除しましょう。
アブラムシアブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
カイガラムシがつくと樹液を吸われてしまい、株が弱り生育も悪くなり衰え枯れてしまいます。カイガラムシは国内で約400種が発見されており、大きさや形なども様々であり、カイガラがあるのとないものもいます。野菜や果樹、草花、サボテン、ラン、観葉植物と様々な植物に発生し、吸汁(きゅうじゅう)します。 

もも(桃)の詳しい育て方

選び方

もも(桃)は、購入する苗に品種名が確実なラベルがついているものを選び、11月~3月の間に購入しましょう。また病害虫がないもの、幹の太さがしっかりしているものを選びましょう。

種まき

もも(桃)は落果した後に自然実生で発芽させる事もできます。種を乾燥させずにとってすぐに植えておくと寒さにあたってから発芽します。割って中身を取り出し、薄皮を剥いておくとより発芽率が上がります。

植え付け

もも(桃)の苗木は日当たりと水はけのよい、強風が直接当たらない場所を選んで植え付けます。11月~2月が植え付けに適していますが、暖地では開花が早いので12月中に終わらせる方がよいでしょう。

摘芯(摘心)・摘果

もも(桃)の花は着花が多い場合は短い枝や細い枝に蕾が2つ以上上向きに着いている蕾を摘蕾します。
結果が多い場合は開花から4週間後と5月下旬に下向きのよい実を残して摘果します。

剪定・切り戻し

もも(桃)の剪定は冬と夏に剪定します。

冬場の剪定は12月~2月下旬に、前年結実した枝を残し、混み過ぎないように細かい枝を剪定します。外側の枝は枝先の1/3ほど切り戻します。

夏場の剪定は、8月ころ、徒長した枝を間引き翌年のために成長させたい結実枝を残し剪定します。

植え替え・鉢替え

もも(桃)の植え替えは、11~3月に行います。鉢植えの植え替えは2~3年に1度、根詰まりを防ぐために行います。

 

もも(桃)の花は3月の下旬から4月上旬にピンク色の花を咲かせます。

収穫

もも(桃)の果実の色を目安に収穫します。果実の緑色が完全に消え、桃色に色づき始め香りがしてきたら収穫時です。落果直前がいちばん熟れて甘い果実を収穫することが出来ます。

夏越し

夏越しの為の特別な準備はありません。

冬越し

冬越しの為の特別な準備はありません。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

もも(桃)は種まきで増やす事ができます。

もも(桃)のあとにまた桃を植えると育ちが悪くなるわけ

もも(桃)の植えてあった場所に再度、もも(桃)を植えるとうまく育ちません。この現象を「いや地」といいます。いや地を抑えるためには前の木の根をきれいに取り除き、植え穴に新しい土を入れます。また他の場所で1年育てた木を植えるという方法もあります。

もも(桃)の選び方と保存方法

もも(桃)は、ふっくらときれいな丸みをしていて全体的に赤く色づいているものを選びましょう。皮の色は濃い方が甘味があり、色の濃い部分に白い点々が出ているとより甘味があると思われます。また果皮全体に産毛があって香りの強いものが美味しいもも(桃)です。もも(桃)は枝に付いていた方と反対側の少しとがった部分が糖度が高いため切るときは縦にくし形に切るのがよいでしょう。室温におくと果肉が軟らかくなるので、かたいもも(桃)は新聞紙などで包み風通しのよい所で常温保存します。冷やしすぎると甘味が落ちますので熟れて食べごろになったら食べる2~3時間前に冷蔵庫で冷やすとよいでしょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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