ジャカランダとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ジャカランダ
- 学名
Jacaranda
- 英名
- Jacaranda
- 和名
- キリモドキ、紫雲木
- 科名
- ノウゼンカズラ科
- 属名
- ジャカランダ属
- 原産地
- アルゼンチン
ジャカランダの特徴
ジャカランダは、ノウゼンカズラ科ジャカランダ属の落葉高木です。和名をキリモドキとも言いますが、ジャカランダという名前で広く知られ、世界中の温暖な地域で植栽されています。初夏に咲く青紫色の花が美しく、世界三大花木のひとつに数えられていることでも有名です。世界三大花木とは、鳳凰木(ホウオウボク)というマメ科の赤い花を咲かせる花木、火炎木(カエンボク)というノウゼンカズラ科の赤い花を咲かせる花木、もうひとつが紫雲木(シウンボク)と呼ばれるジャカランダです。
南米アルゼンチン原産で、高さは15mほどまで大きくなります。花は4~5cm程度の釣鐘型で、色は青紫、枝の先に密集するように咲かせます。葉は二回羽状複葉といって、オジギソウやミモザに似たフォルムをしています。鳥の羽を思わせるような細やかで繊細な葉は観賞価値が高く、観葉植物としても流通しています。花後にできる実は平たい楕円形をしています。
通常は落葉期に花を咲かせるので、木全体が青紫色の煙るような美しい姿を楽しめます。日本では気候のせいか、葉と花が同時に展開します。耐寒性が弱いことと、ある程度の高木にならないと花が咲かないことから、日本ではジャカランダの花の鑑賞は難しいとされてきましたが、今では日本国内の温暖な地域で花を楽しむことができます。また、2~3mの樹高で開花する矮性種も人気があります。
ジャカランダの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
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草丈・樹高 | 3~15m |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 青紫、紫、ピンク |
開花時期 | 5月~6月 |
ジャカランダの種類
ジャカランダ・ミシモフォリア
- 学名:Jacaranda mimosifolia
ジャカランダ・ミシモフォリアは、キリモドキという日本名でも呼ばれます。樹高15mほどまで大きくなる種類です。
オオバジャカランダノキ
- 学名:Jacaranda cuspidifolia
オオバジャカランダノキは、ミシモフォリアよりもやや大型。日本でも九州南部では露地に植栽されています。
ジャカランダ・カロバ
- 学名:Jacaranda caroba
ジャカランダ・カロバは、矮性の種類です。大きくならずに花が楽しめ、育てやすいのが魅力です。
ジャカランダの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
開花 |
ジャカランダの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと水はけの良い場所を好みます。枝を横に広げる樹形なので、地植えは周囲の植栽とのバランスも考慮しましょう。
鉢植えは、春から夏は戸外で管理して、気温が下がってきたら室内の日当たりの良い窓辺に取り込むようにしましょう。
用土
水はけが良く、肥沃な土壌を好むので、赤玉土や腐葉土などをすき込むようにしましょう。
鉢植えは、市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
ジャカランダの育て方のポイント
水やり
根付いてからは特に水やりの必要はありません。夏の高温乾燥が続くような時は水を与えるようにしてください。夏の水やりは早朝気温が上がる前か、夕方涼しくなり始めてからにしましょう。
鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと与えます。
肥料
春から秋の生育期に緩効性肥料を施します。
病害虫
日当たりが悪いとカイガラムシが付くことがあります。歯ブラシなどでこそぎ落すか、薬剤を散布しましょう。
ジャカランダの詳しい育て方
選び方
主幹が太く、葉につやがあり、変色していないものを選ぶようにしましょう。
稀に観葉植物として出回っている小さいサイズのジャカランダに花が咲いていることがありますが、接ぎ木で花の咲いている枝を挿しているため翌年は開花しません。
植え付け
植え付け適期は4月~6月、9月~10月です。夏と冬の植え替えは根に負担をかけるので、避けるようにしてください。
剪定・切り戻し
花が咲き終わった6月~7月、9月~10月頃が剪定時期です。伸びすぎた枝や不要な枝を整理し、樹形を整えるようにします。猛暑時期と厳寒期は株に負担がかかるので避けてください。
植え替え・鉢替え
鉢植えは下から根が出てくるくらいになったら、一回り大きい鉢に植え替えましょう。植え付け適期は4月~6月、9月~10月です。
花
ジャカランダの花は、青紫色の桐に似た4~5cm程度の釣鐘型をしています。
夏越し
夏は生育期なので、水を切らさないようにしましょう。表土が乾いたらたっぷりと与えます。
冬越し
鉢植えは、冬は日当たりの良い室内に取り込み、水やりも控えめにします。地植えは、落葉し休眠期に入るので、特に水やりの必要はありません。降雨に任せます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は、5月以降の初夏です。元気がいい枝を2節程度に切り落とし、バーミキュライトに挿して半日陰の場所で根が出るまで育てます。根が出てきたら、通常の園芸用培養土で植え付けます。
日本のジャカランダの名所
南国の花木というイメージの強いジャカランダですが、日本にも名所があります。宮崎県日南市南郷町にはジャカランダの森があります。昭和39年に植栽され、1400本以上が育てられています。5月~6月はジャカランダ祭りが開催されています。
熱海にもジャカランダ遊歩道があります。1990年に熱海にポルトガルからジャカランダの木が2本贈られたことが始まりです。毎年ジャカランダ祭りが行われ、熱海の初夏を彩る風物詩として親しまれています。親水公園の周りには平成26年6月からジャカランダの公園がオープンしました。ポルトガルでは桜のように愛されている、ジャカランダの紫色の花景色を熱海の公園でも楽しむことができます。
ジャカランダの歴史
1964年東京オリンピックが開催された年、ブラジルの宮崎県人会の方より宮崎県の総合農業試験場がある亜熱帯作物支場に授与されたのが始まりです。ジャカランダは日本では紫雲木(シウンボク)とも呼ばれています。