バオバブとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
バオバブ
学名

Adansonia

英名
Baobab
科名
アオイ科
属名
バオバブ属
原産地
アフリカ、オーストラリア

バオバブの特徴

「目を閉じてアフリカの大地を想像してください」
「そこに大きな一本の木が立っています。どんな木ですか?」
そんな質問をされたら、ほとんどの人がバオバブを思い浮かべるのではないでしょうか。

ずんぐりとした太い幹の、梢付近にだけ枝葉がついた独特な姿のバオバブは、アフリカの代表的な樹木の一つです。遠目には根が上を向いているように見えるため、「さかさまの木」とも呼ばれて親しまれています。

日本でその雄大な姿を楽しむことは難しいのですが、観葉植物として鉢植えや盆栽として楽しむことはできます。

バオバブの幹には大量の水が蓄えられており、原産地のアフリカでは象が牙でバオバブの幹を削り、水を飲むことがあるようです。

また、バオバブの実は食用にもされており、その味はグレープフルーツのように甘酸っぱい味だそうです。

バオバブの詳細情報

園芸分類 観葉植物
草丈・樹高 20cm~30m
耐寒性 普通
耐暑性 強い
花色 白色
開花時期 8月頃

種でアフリカを応援!

バオバブの種は固い殻の一部を削り落として、発芽しやすい状態にします。その際、雑菌が入りやすいので注意を必要としますが、育てやすいのが特長です。 種は通販で入手できます。売り上げをアフリカの途上国支援に回しているNPO法人もあります。せっかくバオバブを育てるのなら、一緒にアフリカを応援してみませんか。

バオバブオイルのパワー

アフリカの人々はバオバブを貴重な生活の糧としてきました。葉は食用になりますし、樹皮は解熱剤として使われます。すりつぶした果肉は水と混ぜればスムージーのような飲み物に。

アフリカンな庭に!

バオバブと一緒にアフリカ原産の植物を育ててみましょう。 紫色の葉が特徴的なイネ科のペニセタム、近年人気のネメシア、星のような黄色い花をつけるコンロンカ、葉の色が美しいエピスシアなど個性豊かなものばかりです。 夏に負けないパワーをくれる野菜、オクラもアフリカ原産です。アフリカをテーマにしたユニークなお庭を目指しませんか。

 

バオバブの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
開花
肥料
剪定

バオバブの栽培環境

日当たり・置き場所

日光

【屋外】

春~秋にかけて屋外で管理することができます。日光を好みますが、環境によっては直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまいます。

バオバブの状態を観察しながら、必要ならば30%前後の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。

遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】

耐陰性があまりないので、屋内での管理は難しいです。そのため、なるべく日光が当たる場所に置いてください。

【置き場所】

日当たりのいい場所に置いてください。エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。

温度

高温には強い植物ですが、低温には弱いので、10℃以下にならない様に気をつけましょう。

ベランダ等で育てられている方は、外の気温が15℃ぐらいから室内に取り込んで下さい。

気温が15℃前後になると成長が緩慢になります。

用土

水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。

そのため、出来るだけ水はけの良い酸性の土を使うのをおすすめします。

自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土:1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。

また、土の表面を赤玉土や化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。

バオバブの育て方のポイント

水やり

バオバブは寒さに弱いので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。

【気温が15℃以上のとき】

主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥してから2~3日後にたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が15℃以下のとき】

バオバブは気温が15℃前後を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、土が完全に乾燥してから水やりをしてください。

バオバブを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。

育成環境や個体によって水やりの回数を増やすなど調整してください。

幼株の場合は乾燥に弱いので、土の表面が完全に乾いてから2~3日経ってから水を与えてください。

ある程度の大きさまで育っているバオバブは、冬の間は完全に断水するか、月に1度暖かい昼間に水をやってください。

【葉水】

葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。

肥料

基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。

冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。

肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。

有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

ハダニ
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

アブラムシ】アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、
早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがバオバブの中に侵入し、病気を発症させます。
また、発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

カイガラムシ
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

ナメクジ
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、子株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

ダンゴムシ
柔らかい花芽や新葉、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにを置いている場合は注意が必要です。

【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

バオバブの詳しい育て方

選び方

バオバブを買う時は必ず病害虫に注意してください。

ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々ドラセナが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

2~3年目の中苗がよく出回っています。新芽の数が多く、幹のしっかりしたものを選びましょう。独特の太い幹になるまで育て上げた盆栽も人気です。

種まき

日中の気温が25~30度になる時期、調整済みピートモスにまきます。梅雨寒で20度を下回ってしまうと、植えた種が腐りやすくなってしまいます。種は固い殻と果肉に包まれているので、殻の一部を剥き、一昼夜水に漬けてからまきます。

植え付け

植え付けは6月~8月の暖かい時期に行ってください。挿し木(葉挿し)は湿度の高い6月頃がおすすめです。

剪定・切り戻し

秋になり黄ばんできた葉は切ってしまいます。剪定と同じタイミングで屋内に移動させるとよいでしょう。

植え替え・鉢替え

バオバブは植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになってしまい根詰まりを起こしてしまいます。

そのため、環境にもよりますが2~3年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。

水はけの良い土を使って植え替え、鉢底にはしっかりと鉢底石を入れてください。

植え替え時期は6~8月頃が最適です。

大きくなると白い花を咲かせます。

収穫

開花後に結実すると実を収穫できます。

夏越し

水やりは土の表面が乾いてから2~3日後の夕方~夜にたっぷり与えてください。

午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。

冬越し

気温が15℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを土が完全に乾燥してから行うようにしてください。

気温が5℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように15℃前後になったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。

ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

実生で増やします。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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