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フィカス・ベンガレンシスとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
フィカス・ベンガレンシス
学名

Ficus benghalensis

英名
Benghalensis
科名
クワ科
属名
フィカス属
原産地
インド、スリランカ、東南アジア

フィカス・ベンガレンシスの特徴

観葉植物の中でポピュラーなゴムの木の中でも、フィカス・ベンガレンシスは、ウンベラータ、アルテシマと並んで、人気トップスリーと言っていい人気観葉植物です。

特にベンガレンシスは、葉色といい、葉の適度な光沢といい、個性的な樹形といい、どんな部屋に置いてもなじみやすいインテリアグリーンです。

中鉢や小鉢のものもありますが、葉の大きな植物なので、大鉢のものをリビングのインテリアにすると、その魅力を最大限に楽しむことができるでしょう。

フィカス・ベンガレンシスの詳細情報

園芸分類 観葉植物
耐寒性 やや弱い
耐暑性 やや強い
耐陰性 あり

ゴムの木類の樹液

過剰に心配する必要はありませんが、フィカス・エラスティカ(インドゴムの木)を始めとしたゴムの木類の樹液には少々注意が必要です。ゴムの木類の樹液は乳白色をしている、いわゆる乳液ですが、実は皮膚に直接触れてしまうと体質によっては皮膚炎や蕁麻疹などを起こしてしまうことがあるようです。

そのため、ラテックスアレルギーの方はもちろんのこと、特に何の異常も見られない方もゴムの木類の剪定などを行う場合は出来るだけ手袋などを使用し、樹液が皮膚に直接付着しないようにした方が良いでしょう。

また、ゴムの木類の樹液は服などに付着すると中々落ちないそうなので、エプロンなどもあると安心だと思います。

 

フィカス・ベンガレンシスの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え替え
肥料

フィカス・ベンガレンシスの栽培環境

日当たり・置き場所

日光

ベンガレンシスは日光が好きなので、出来るだけ日当たりのいい場所に置くようにします。

【屋外】

春~秋にかけて屋外で管理することができますが、直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~50%の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。

気温が高ければ高いほど葉焼けは起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。

遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】

耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、ベンガレンシスは元来日光を好み、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。

室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】

耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。

温度

高温には強い植物ですが、低温には弱いので、8℃以下にならない様に気をつけましょう。

ベランダ等で育てられている方は、外の気温が15℃ぐらいから室内に取り込んで下さい。

気温が15℃前後になると成長が緩慢になります。

用土

ベンガレンシスは高温多湿を好みますが、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。

そのため、出来るだけ水はけの良い土を使うのをおすすめします。

自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。

また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。

フィカス・ベンガレンシスの育て方のポイント

水やり

ベンガレンシスは寒さに弱いので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。

【気温が15℃以上のとき】

主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が15℃以下のとき】

ベンガレンシスは気温が15℃前後を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、表面の土が乾燥してから2~3日経ってから水やりをしてください。

ベンガレンシスを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。

水やりの回数を減らしてベンガレンシスの葉が落ちてきたりするようならば水やりの回数を増やすなど調整してください。

【葉水】

葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。

ベンガレンシスは葉にホコリが積もりやすいので、葉水のときに濡らしたティッシュペーパーか、ハンディモップを使って拭いて下さい。

肥料

基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。

冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。

肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。

有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

【ハダニ】

黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。

アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがベンガレンシスの中に侵入し、病気を発症させます。

また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

【カイガラムシ】

3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。

カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

【ナメクジ】

葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。

外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。

大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。

少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

【ダンゴムシ】

柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにベンガレンシスを置いている場合は注意が必要です。

【バッタ】

イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。

割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

フィカス・ベンガレンシスの詳しい育て方

選び方

ベンガレンシスを買う時は必ず病害虫に注意してください。

ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々ベンガレンシスが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。
ベンガレンシスは美しい葉が特徴なので、出来るだけ葉が健康的で多く付いており、枝ぶりの良いものを選んでください。

植え付け

植え付けは5月~7月の暖かい時期に行ってください。挿し木(茎伏せ)は湿度の高い6月頃がおすすめです。 7月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けるようにします。

根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。

剪定・切り戻し

ベンガレンシスは春~秋が成長期にあたるので、春~秋の間に剪定します。

古くなってきた葉や邪魔な葉は思い切って剪定してしまうことをおすすめします。切れ味のいいハサミやナイフを使って剪定してください。

ベンガレンシスを始めとしたフィカス属の樹液には人体にあまり良くない成分が含まれており、触れてしまうと体質によっては皮膚がかぶれてしまうことがあります。

そのため、グローブやゴム手袋などをして触れないようにしてください。また、触れてしまった場合は流水でよく流してください。

剪定した葉は花瓶などに生けたりすると、葉が美しいためインテリアとしても抜群の存在感を出してくれるのではないでしょうか。
切り戻しには適期があります。春先~秋までです。真夏は避けたほうがよいでしょう。また、剪定ハサミは清潔で切れ味のよいものを使いましょう。雑菌などが入ってしまうとそこから腐ってしまったり病気になってしまうことがあります。剪定する箇所は、伸びすぎている枝を葉の少し上で剪定します。

病気の葉や枝は避けましょう。フィカス属は剪定個所から白い樹液が出てきます。いわゆるゴムの木の樹液と同じで、ラテックスを主成分としたものです。衣服やインテリアなどにつくと取れなくなる恐れがあるばかりか、肌につくとかぶれる可能性があります。目などにも入らないように注意しましょう。

植え替え・鉢替え

ベンガレンシスは植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになってしまい根詰まりを起こしてしまいます。

そのため、環境にもよりますが1~2年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。

水はけの良い土を使って植え替え、鉢底にはしっかりと鉢底石を入れてください。

植え替え時期は5~6月頃が最適です。

フィカス属の花は一般的な花と違い花嚢と呼ばれる実のようなものの内側に咲いています。イメージとしてはイチジクを思い浮かべてください。実際、イチジクもフィカス属に分類されています。

夏越し

屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。

水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。

午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が15℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを2週間に1度に減らします。

気温が5℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように15℃前後になったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。

ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

フィカス・ベンガレンシスを増やす方法は挿し木・取り木があります。今回は挿し木についてご説明します。

◆用意するもの

フィカス・ベンガレンシスの枝、土、鉢、ハサミ

◆挿し木の手順

枝の切断面を斜めにカット

枝の切断面を斜めにカットしておきます。水を吸い上げやすいようにします。

1時間ほど水につけておく(水揚げ)

大きい葉から水分を蒸散させている状態なので、カットした枝は水につけます。そのまま水を1時間ほど吸わせておきます。

土に挿す

水を吸わせたら土に挿します。あらかじめ割りばしや指などで穴をあけて置き、枝を刺します。土は菌や肥料が入っていない清潔な土で、赤玉土をベースに腐葉土をまぜた土がいいでしょう。「観葉植物用の土」として販売されているものを使用する場合は、肥料が入っていないか確認してくださいね。根が生えてくるまでの間は水のみを必要とするので、肥料をあげても吸い上げることができません。

水に挿す

水耕栽培で発根した根っこは、土で栽培する場合に発根した根っこだと土の中で水分や養分を効率よく吸い上げることができず、失敗してしまう場合があります。
そのため、ハイドロカルチャーなどで植え込む必要があります。

用意した容器に水耕栽培用用土を半分いれます。

 

発根している挿し穂を鉢の真ん中に置き、周りに少しずつ用土を入れます。

挿し穂がぐらつかないように、入れ終わったら割りばしや棒などで上から何度か挿し安定させます。

 

水の量は鉢の1/5程度入れてください。土の鉢物よりも、水耕栽培は水の加減が難しいです。初めての場合は、ガラスやプラスチックの外から水の量が見える容器がおすすめです。目で見て水がなくなっているのを確認したら、2~3日してから水をあげます。

水が常にある状態にしてしまうと、根腐れをおこして枯れてしまうこともあります。もし、中が見えない場合は、水を容器にひたひたに入れて、水を捨てます。

水耕栽培用の用土は保水性に優れているため、これを2日に1度を目安に行うと根腐れの可能性が減ります。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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