熱帯スイレン(ギガンティア)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- 熱帯スイレン(ギガンティア)
- 学名
Nymphaea gigantea
- 英名
- Large Blue Water Lily, Giant Water Lily, Australian Native Water Lily
- 別名・流通名
- ブルーギガンティア、ギガンテア
- 科名
- スイレン科
- 属名
- スイレン属
- 原産地
- オーストラリア
熱帯スイレン(ギガンティア)の特徴
赤みのほとんど入らない爽やかなブルーの花が美しい、オーストラリア原産の原種スイレンです。一般的な熱帯スイレンとはまた違うその花姿は、まるで青いハスの花のようにも見えます。
giganteaという種小名が表す通りの大型種で、本来の大きさに育つと30㎝ほどにもなる巨大な花を咲かせますが、一般家庭での栽培下でそこまで大きく育てるのは困難です。
また、本種の球根は水圧を感知することができると言われており、水深50cm以下では一時的に生育してもすぐに休眠してしまうことがあります。ぎりぎりの水深でも旺盛に生長する熱帯スイレン(昼咲き)や熱帯スイレン(夜咲き)と比較すると、栽培にはやや癖があると言えるでしょう。そのためか一般的な流通はほとんどなく、専門店や趣味家から入手するのが主流となっています。
熱帯スイレン(ギガンティア)の詳細情報
園芸分類 | 水生植物 |
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耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
花色 | 水色~青 |
開花時期 | 7~9月 |
熱帯スイレン(ギガンティア)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
生育期間 | ||||||||||||
開花期間 | ||||||||||||
肥料 |
熱帯スイレン(ギガンティア)の栽培環境
日当たり・置き場所
出来る限り直射日光が長く当たる場所で育てます。日照時間が長ければ長いほど株が充実し、花数も多くなります。
60㎝以上の水深を確保できる容器で栽培する必要があるため、日光の入射角が低い一般的なマンションのベランダなどでは株元まで光が当たらず、開花に必要な日照が得られない可能性があります。
温度
春先など水温が低い時期はちまちまと水中葉を出すばかりで一向に大きくなりませんが、夏が近づいて水温が24℃を超えるようになってくると生育スイッチが入って次々と浮葉を出すようになります。
高温には耐性があり、水温が40℃ほどになろうとも元気に葉や花芽を上げて生育を続けます。
耐寒性もその他熱帯種より強く、温暖地であれば屋外でそのまま越冬させることも可能です。
用土
粒を潰して練った赤玉土や荒木田土をベースに、腐葉土を混ぜ込んだものを使います。鉢は水没させるため、水捌けなどについては特に気にしなくても大丈夫です。
熱帯スイレン(ギガンティア)の育て方のポイント
日常の管理
枯れ込んできた葉や咲き終わった花などを切除し、株元までできるだけ日光が当たるようにします。
水やり
水深が60cmを切らないよう、適宜差し水をします。夏場は特に水の蒸発が早いので、水量には普段から気を付けておきましょう。
肥料
植え付けの際に元肥として化成肥料を鉢底付近に埋め込んでおきます。
追肥は2か月に1度くらいの間隔で、割り箸などを使い鉢の縁に沿って用土に3か所ほど穴を開け、化成肥料をできるだけ深く埋め込んでください。
また越冬期間中に肥料分が残っていると球根が腐る原因になりますので、8月末くらいからは追肥をしないようにします。
熱帯スイレン(ギガンティア)の詳しい育て方
選び方
葉数が多く艶があり、害虫が付いていない株を選びます。また花芽がついているものを選ぶことで早めの開花が楽しめます。
植え付け
大きな鉢に植え付けるとその分巨大化してしまうため、4号~5号程度の鉢を用います。生長点は球根の頂点にありますので、生長点が土の上に露出するように植え付けてください。
また鉢を沈めるための睡蓮鉢は口の広い大型の水甕(みずがめ)など、深さ60cm以上を保てるものにします。少々見た目は悪くなりますが、大型のポリバケツなどでも代用可能です。
植え替え・鉢替え
生育期間中は基本的に植え替えや鉢増しなどを行いません。
植え替えは休眠期間中に行います。休眠状態に入ると大きな葉が全て枯れて、生長点付近に小さな芽が出ているだけの状態になります。
掘り上げるタイミングは冬越し方法によって異なりますが、その際に古くなった黒い根は全て取ってしまいましょう。
花
花もちは一般的な熱帯スイレンよりも長く、午前中に開き始めて昼過ぎに閉じるというサイクルを繰り返しながら5日間ほど開花します。
初日は雄蕊が全て開くため中心部にある柱頭液が見えますが、2日目以降は雄蕊が閉じて柱頭を隠してしまいます。
冬越し
休眠に入った球根を冬越しさせるにはいくつかの方法があります。
・鉢に植え付けたまま水を張ったバケツなどで管理
・掘り上げた球根を野菜ネットなどに入れて、水を張ったバケツなどで管理
・掘り上げた球根を濡らしたフェルトに包み、ジッパー付きビニールなどに入れて管理
上記いずれも凍結の恐れがなく温度変化のあまりない場所で管理します。
温暖地であれば春先まで屋外で越冬させることも可能です。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
分球している球根は、春に植え付けるタイミングで割ってそれぞれ植え付けます。もし手で簡単に割れないような場合は無理に割らないようにしましょう。