岡井路子先生に教わった!オリーブの様々な楽しみ方~実・品種・植え方など
とまつあつこ
このライターの記事一覧
オリーブの様々な楽しみ方~実・葉・枝・幹・種・品種・植え方など、オリーブを丸ごと楽しむ方法をご紹介します。
今年もプロトリーフガーデンアイランド玉川店にて、ガーデニングカウンセラー「岡井路子先生」によるオリーブセミナーに参加してきました。国内でのオリーブ栽培地である小豆島、スペインやポルトガル、トルコなどを毎年のように訪れてオリーブへの造詣を深めていらした岡井先生に、オリーブの楽しみ方をたくさん教わってきたのでさっそくお伝えします。
目次
オリーブの「実」を楽しむ
オリーブの実を食べるための加工方法というと、苛性ソーダで渋を抜く大変な作業をイメージしませんか?
岡井先生はもちろん苛性ソーダで渋を抜いてオリーブの新漬けも作られるのですが、最も簡単なのはオリーブを水に漬けて渋を抜く方法。スペインやポルトガルなど、オリーブ生産地の多くの家庭で行われているそうです。渋みは完全には抜けませんが、生産地の人にとっては苦みが旨味。慣れるとくせになる美味しさなんだそうです。
完熟オリーブの塩漬けを試食させていただきました。程よい塩気と渋みがある、食感はプルーンのような感じでした。この完熟オリーブの塩漬けの種を取ってペースト状にしてパンや温野菜、パスタにからめて食べるととても美味しいそうです。想像しただけで美味しいのがわかります。
また、完熟したオリーブの実は、塩を使って渋を抜くこともできるそうですよ。
作り方のレシピ詳細は、岡井路子先生の著書「決定版育てて楽しむオリーブの本」に載っていますのでぜひお読みくださいね。
「決定版育てて楽しむオリーブの本」
また、2018年10月20日には「NHK趣味の園芸 12ヶ月栽培ナビ⑩オリーブ」の本も新しく発売されたそうです!この機会にぜひ、オリーブの本を読んでオリーブについて詳しくなってみてはいかがでしょうか。
オリーブの渋を抜く時、種抜き器で種を取ったり、ナイフで種に当たるまで3か所くらい切り込みを入れるのですが、岡井先生はオリーブ生産地の方に教わって木づちで実に割れ目を入れるそうです。
写真の木の板と木づちは、オリーブの実を一粒一粒つぶして割れ目を入れる時に使う岡井先生のお気に入り。木の板は、使われていなかったチーズのカット台をもらってきて磨いて磨いてきれいにしたものを愛用しているそうです。本物のアンティーク、とてもあたたかい気持ちになりますね。
こちらは完熟オリーブのメープルシロップ漬けです。
岡井先生「完熟したオリーブの実の種を抜くか、ナイフで種に届くまで切り目を入れてから消毒済みのガラス瓶に入れてメープルシロップを注いで冷暗所で保存するだけ。ほろ苦さと甘味が絶妙なデザートになりますよ。ヨーグルトにかけても美味しいの。」
完熟オリーブが手に入ったら、まず、これを作ってみたい!と思っています。どんな味がするのでしょう。楽しみでわくわくします。
明るい黄緑から黒紫まで、熟し方によって色を変えるオリーブの実。岡井先生の本の中で、成熟度のカラースケールがなんとも美しく掲載されています。塩水漬けにするならこの段階の色、メープルシロップや塩漬けにするならこの段階の色、というように、加工方法ごとにベストな実の成熟度の段階があるそうです。
岡井先生によると、11月以降に収穫したものは、外見が緑色でも中身の成熟度は進んでいるそうですよ。
岡井先生「実を使う予定が無くても、実は必ず年内には摘み取ってね。実に栄養を奪われてしまいますからね。」
実をしっかり摘み取っておかないと、実にばかり栄養が流れてしまいオリーブ全体の生長する力が少なくなってしまうそうです。
オリーブの「葉」を楽しむ
プロトリーフガーデンアイランド玉川店には、様々な品種のオリーブがそろっていました。たくさんの品種が並んでいると、品種によって葉色が違うこともわかりますね。
「フラントイオ」という品種のオリーブの葉です。葉は槍形で、表面は光沢のある緑色、裏はグレーがかった緑色です。
「ひなかぜ」という品種のオリーブの葉です。「フラントイオ」と比べると葉の緑色が淡く、葉もやわらかく感じました。
そしてこちらは「ネオディロブランコ」という品種のオリーブの葉です。ハート形の葉がまぎれていました。岡井先生によると、ネオディロブランコは、剪定するとハート形の葉が出てくることがたまにあるそうです。先生と参加者でハート型の葉をみつけて盛り上がり、その場の雰囲気がさらにほっこりしました。
また、無農薬で育てたオリーブは、剪定した時に葉をお茶にして楽しむこともできます。
▼オリーブ茶の作り方やオリーブ収穫後の楽しみ方はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
オリーブの「枝」を楽しむ
岡井先生に教わった樹形づくりの方法にチャレンジすると、麻ひもを使ってオリーブを好みの枝ぶりに仕立てることができます。
岡井先生「オリーブが空に向かって両手を広げて光と風をたくさん取り込む樹形をイメージしてね。」
▼オリーブの樹形づくりの方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
岡井先生「剪定した枝はぱっと捨てちゃわないでね。枝をくるっと丸めてカトラリー置きにしたり、グラスに生けておしゃれに楽しみましょう!」
岡井先生がその場でさっと、オリーブの枝で楊枝を作ってくれました。ホームパーティーで大活躍しそうですね。
オリーブの「幹」を楽しむ
これは、10年もののオリーブです。早く幹を太くしたい場合は、まっすぐ上に伸びる枝をばすっと切るそうです。太い幹と樹形がかっこいいですよね。
オリーブの「種」を楽しむ
これは、岡井先生が種から育てたオリーブです。
よく熟したオリーブの実の中にある種を取り出し、先端のとがった部分に少し割れ目を入れて土に植え、欠かさずにお水をあげると、1、2年して忘れたころに芽が出るそうです。
発芽率はあまり良くないのですが、芽が出た時の喜びは格別だそうですよ。お店で売っているオリーブと違い、オリジナル感がありますよね。
オリーブの「品種」を楽しむ
オリーブの品種は、世界ではなんと1000品種以上に及ぶそうです。実の大きさや形、樹形の違い、育てやすさや実の油分の含有量、実のつきやすさなどがそれぞれ違うとか。
オリーブセミナーでは、みなさん岡井先生からのアドバイスを聞いてオリーブを選んでいました。自分の庭や目的にぴったりのオリーブを選ぶのは楽しいですし、そうやってこだわって選んだオリーブを大切に育てる時間がさらに楽しいですよね。
これは、「アルベキーナ」という品種のオリーブです。コンパクトで、葉も実も小さめですが、木が若くてもよく花をつけ、収穫期にはすずなりに実がつくそうです。
私は、岡井先生から「アルベキーナ」のお話を聞いて好きになり、自分の2本目のオリーブとして「アルベキーナ」を購入することにしました。どんな風に生長していくかとても楽しみです。
オリーブの「植え方」を楽しむ
岡井先生は様々な器にオリーブを植えています。真ん中の二つのオリーブ色の缶と、右側二つの茶色い缶は、オリーブオイルが入っていた空き缶です。よく見ると、あえて空き缶のふたの部分を残して立ち上げていて、とても面白みのある器にしつらえてあるんです。味があって素敵ですよね。植える器が違うと、オリーブの雰囲気が全く違います。好みの器にオリーブを植えて育てたら愛着もさらに倍増しますね。
でも、空き缶で育てると真夏は鉢の中が高温になりやすかったり、根が窮屈だったり、もちろんオリーブにとってはベストな環境ではありません。この写真のオリーブは、岡井先生によると栄養不足で葉の色が半分薄いグリーンになっています。追肥が必用な状態です。オリーブにとってベストな場所に植えてあげない場合は、使う土を良いものにしたり、水や肥料をまめにあげたり、環境が良い場所に移動してあげたり、少し気を遣ってあげることが大切だそうです。
オリーブを丸ごと楽しもう!
岡井路子先生のオリーブセミナーに2年連続参加させていただきました。今年もためになるお話とデモンストレーションが盛りだくさん。今年は昨年よりもっとオリーブと仲良くなれたような、オリーブととても近くなれた気がしました。
岡井先生によると、オリーブはとても丈夫な果樹で特別な世話をしなくても枯れないけれど、少し手をかけることで見違えるほどよく育つそうです。平和の象徴とされるオリーブを健やかに育てて丸ごと楽しみたい。そんな気持ちとともに、まだまだ剪定に自信が無いところもあったりするのですが、「失敗を恐れずに剪定してね。」という岡井先生のあたたかい言葉を思い出し、肩の力を抜いて楽しく育てたいと思いました。参加者の皆様もきっと同じ「オリーブ愛にあふれた」わくわくした気持ちでお帰りになったと思います。
オリーブを育てている方、これから育てたい方はぜひ、岡井路子先生のオリーブセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。プロトリーフガーデンアイランド玉川店では、毎年春と秋に開催されることが多いそうですよ。
▼オリーブの植え替えや剪定、かっこいい樹形づくりの方法をご紹介します。
▼今回岡井路子先生のオリーブセミナーが開催された、プロトリーフガーデンアイランド玉川店はこちら
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「岡井路子先生に教わった!オリーブの様々な楽しみ方~実・品種・植え方など」の記事をみんなにも教えてあげよう♪