岡井さんと川瀬さんのモノづくり前編|ザブザブ洗えるZABって?
LOVEGREEN編集部
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とある展示会で、とっても素敵なバッグと出会ったLOVEGREEN編集部の伊藤。秒で購入して編集部内で自慢したところ、同じ編集部の戸松が「私、発売当初から愛用していますよ」のひと言。「え?知らなかったのって自分だけ?もしや感度の高いガーデナーはみんな知ってるの?」と自慢から一転、気まずい雰囲気が流れたのでした。
編集部メンバーも愛用しているこちらのバッグ。「ZAB(ザブ)」といいます。
ザブザブ洗えるからZAB。分かりやすい。そして、使うほどに実感するのが、ガーデニングはもちろん、暮らしのあらゆるシーンで活躍する懐の広さです。
ということで、発案者の岡井路子さんと川瀬良子さん、そして販売元であるモリトグループの泉可奈子さんにお集まりいただき、「ZAB」の誕生秘話から、その人気の秘密を根掘り葉掘り聞くべく、座談会を開催しました。
※ZABはモリトグループの登録商標です。
岡井路子(おかい みちこ)さん 「ガーデニング・カウンセラー」として |
川瀬良子(かわせ りょうこ)さん NHK「趣味の園芸やさいの時間」の司会を10年間務め、書籍「川瀬良子のプランター野菜」を刊行するなど、家庭菜園・農業を楽しむモノ・コトを提案する。家庭菜園歴14年目。岡井さんとは10年来の畑友だち。 |
ザブザブ洗える「ZAB」が生まれるまで
編集部
LOVEGREEN編集部でも愛用者が多い「ZAB」ですが、岡井さんと川瀬さんが「こんなバッグが欲しいなあ~」と話していたのが、誕生のきっかけだそうですね。
川瀬さん
そうなんです。私が岡井さんと出会ったのは2015年ぐらい。当時はNHK「趣味の園芸やさいの時間」の司会をしつつ、「川瀬良子のプランター野菜」という書籍の準備をしていたのですが、そのタイミングで岡井さんと仲良くなり。
岡井さん
そうそう。それから畑を手伝ってもらったりするようになって、気がつけば10年来の畑友だち。良子ちゃんは当時、畑に通う時に電車で移動してたんだよね。
川瀬さん
そうなんです。収録で畑に行くときは、長靴や手袋、園芸道具などを、汚れてもいい使い捨ての紙袋に入れて移動していたのですが、収穫した野菜を入れると水分で破れたりと、とにかく大変で・・・。
編集部
当時はZABのような防水バッグはなかったのでしょうか?
川瀬さん
似たバッグはありましたが、持ち手が短すぎて肩にかけられなかったり、逆に長すぎて手で持ちづらかったりと、どこか使い勝手が悪かったんですよね。重い園芸道具を入れるので肩にかけられないと辛いし、長靴なんかもスポッと入るサイズでとなると、なかなかしっくりくるものがありませんでした。
(左から)LOVEGREEN編集部の戸松、岡井さん、川瀬さん、モリトグループの泉さん
川瀬さん
2人で「カラフルなバッグが欲しいね」って話していた時に、2019年のギフト・ショーでモリトグループさんが展示していた「ZAT®」(ザット)という防水リュックに出会い、「これだ!」「見つけた!」って2人で小躍りしました(笑)。
泉さん
弊社では釣りやアウトドア用品に使われる「ターポリン」という防水生地と、防水仕様にする熱圧着の技術を持っていて、いろいろなメーカーさんの商品をOEMで製造しているのですが、展示していた「ZAT®」は防水リュックとして男性に人気でした。
川瀬さん
「ZAT®」はグリーンやカーキ、迷彩色のリュックだったんですが、私たちが注目したのは生地。ブースにいた当時入社1年目だった女性の方に「この生地のトートバッグが欲しいんです!色はカラフルな明るい色で!」と、初対面なのに想いをぶつけて。
岡井さん
でも、その担当の方がすごく共感してくれて、後日改めて打ち合わせの機会をいただいて、ZABづくりがはじまったんだよね。
川瀬さん
サイズや色、マチの広さ、持ち手の長さなど、すべての要望をモリトさんにこれでもかとお伝えして。
岡井さん
いよいよ試作品を作ろうってなった時に、ちょうどコロナ禍になって。スタートから大変!
川瀬さん
中国の工場がストップしてしまい、ようやく送られてきた試作品が、家族5人がすっぽり入れるぐらいの「嘘でしょ!?」っていうぐらいのサイズだったり(笑)。イチからモノづくりをする難しさを知りました。
泉さん
モリトグループとしても、個人の方と一緒にモノづくりをするのが初めてで、社内では出てこない発想ばっかりでした。まずカラフルにする発想がなかったですし、製品には必ずブランドロゴを入れるのが当たり前だったのですが、お二人から「ロゴは入れないで!」と何度も要望をいただいて社内がざわついたり(笑)。弊社としても初めてのチャレンジでした。
「ZAB」のこだわりポイントって?
ミニサイズ・普通サイズ・大きいサイズがあり、バッグインバッグで大きいサイズに小さいサイズがすっぽりと入るようになっている
色にこだわった
岡井さん
私も良子ちゃんも「色」が好きで、とにかくカラフルでポップなバッグをつくりたいというのは最初からあって。
川瀬さん
園芸で使う道具ってやっぱりアースカラーが多いですよね。
岡井さん
私も昔はシックな色が好きだったの。でも歳をとってくるといろんなものが目に入らなくなって、畑でも「あれ?どこに置いたっけ?」って、なくすつもりないのに物をなくすの!でも、こういうカラフルなバッグなら地面に置いてあってもすぐに目に入る。
畑の中でもパッと目に入るカラーラインアップ
川瀬さん
カラフルなものを持つと気分も上がりますよね。畑で使うバッグに白は絶対選ばれないと思うのですが、ZABではあえてそこを選んだ!
戸松
私はハサミや土入れ、手袋や肥料など、園芸に使う道具一式を入れています。散らばりがちな園芸道具がZABの中にまとまっているという安心感もありますし、ZABをひょいっと持っていけばすぐに作業が始められます。目立つのでどこに置いたか分かりやすいですし、何より可愛いのでテンションが上がります。
価格にこだわった
岡井さん
よく驚かれるのが価格です。ミニサイズは1,800円、普通サイズは2,400円、大きいサイズは2,800円。2人とも主婦だから、買いやすい価格にはこだわりました。
編集部
どうしてこんなに価格を抑えて作ることができるのでしょう?
泉さん
弊社では、アウトドア用品や釣り用品などで、大量にオーダーを入れている工場があるので、その中にさりげなくZABのオーダーも滑り込ませまして(笑)。おそらく、はじめての工場でイチから同じ製品を作ろうとしても、何倍もの価格になってしまうと思います。
川瀬さん
2千円台で買えるのは本当にありがたいです。商品が良くても、価格が高いと畑で気兼ねなく使いにくいですし、気軽に買い足すこともできないので。
普段使いにこだわった
岡井さん
ガーデニングバッグが欲しくて作りはじめたんだけど、ガーデニングだけに使えるバッグにはしたくなくて。そこの使い勝手にもこだわりました。
川瀬さん
川遊びやプール、旅行、普段の買い物のエコバッグにと、暮らしのいろいろなシーンで使いやすいサイズ、色になるように意識しましたね。
岡井さんがトルコの市場で野菜をたっぷり買ってZABに。これだけの野菜が入る
岡井さん
プロサーファーの方は、海からあがったら濡れたウェットスーツや砂のついた道具をZABにがばっと入れて持ち帰れて便利だと言っていました。キャンプが趣味の方は、汚れた食器をZABに放り込んで、洗剤でサッと洗って水を切って、そのまま持ち帰っているみたい。
海やキャンプなどアウトドアレジャーでも大活躍
川瀬さん
あと、苗を買いに行くときにZABを持っていくと便利ですよ。
編集部
確かに!よく段ボールを敷いたビニール袋に苗を入れてもらうことがありますが、帰ってからゴミになるのが毎回ちょっと嫌で。苗を買いに行くときにZABがあればそのまま苗を入れられますね。
買った苗をそのままZABに
岡井さん
取り外せる底板が入っているので、苗がひっくり返らない。実は卵のパックが縦に入るサイズにしていて、エコバックとしても優秀なんです。
川瀬さん
逆に底板を外せば、すごくコンパクトに畳むこともできるので「もしかしたら使うかも?」という時にもカバンにしのばせて持っていきやすい。
編集部
人によって使い方が無限大ですね。
岡井さん
本当にそう。今年の2月にトルコのオリーブ畑に剪定に行ったのですが、その時は、畑の木にZABをひっかけて中にお菓子やビールを入れておいて、みんなが好きな時に持っていけるようにしていました。
おやつやビールを入れたZABを木にかけて
トルコのおじいちゃんたちにも取り合いになるぐらい人気
細部にこだわった
戸松
タグもとってもかわいいですよね。
川瀬さん
ロゴデザインは私の幼馴染のデザイナーが考えてくれました。しずくをモチーフに、タグを開くと海の中をざぶーんと泳ぐクジラのイラストがあって、すごく気に入っています。すぐに捨てられるようなタグにしたくないなと思い、麻紐にもこだわって・・・。
岡井さん
麻紐も色や太さがいろいろある中から、あーでもないこーでもないと相談して選んだよね。
川瀬さん
太さや長さにこだわりましたし、麻紐の結び方も岡井さんが自分で結んでいる様子を動画に撮って中国の工場に送って手作業でつけてもらったり。
岡井さん
そんなところに手間暇かけるなって言われそうだけど、細かいところまでこだわってるんです(笑)。
編集部
この部分は何ですか?
泉さん
これはデザインではなく、持ち手の強度を増すためのあしらいです。
編集部
最初名前を書く場所かな?と思って、ペンで名前を書くところでした(笑)。
一同
それもいいかも!小さいお子さん用に名前を書いたりしてもいいですよね。書きやすい生地だからお絵描きして遊んだり、ステンシルで模様をつけるのも楽しそう。
最終的には鉢にもなる!
植物を植える袋コンテナにしたり・・・
持ち手をひっかけてハンギングバッグにも
岡井さん
使い倒してボロボロになったら、穴をあけて植木鉢としても使えるのよ。持ち手があるからベランダの手すりにS字フックで吊るしてハンギングにしてもいいし。価格が安いので、ヘビーユースをしても用途に合わせて買い足しやすいと思います。
岡井さん
あとは、ZABの中にお酒とかお菓子を入れてプレゼントすれば、ZAB自体も使ってもらえるから、余計な包装がいらない贈り物にもなると思うの。ある人には「進化系エコバッグですね」って言わて、確かにそうかも!って。
想いがあれば実現できる!
ZABをもってご機嫌の岡井さん
編集部
最後にひとことお願いします!
岡井さん
なくても生きるのに困らないけど、それがあることで毎日が楽しくなるモノがつくりたかったんですよね。自分が欲しいモノが世になくて、それが自分で作れなかったとしても、誰かに想いを伝えていけば実現できる!
川瀬さん
欲しいけれど世の中にない。でもこういうのがあったら絶対にいいはず!と思ったら、とにかく行動してみる。ZABづくりを通じて、それを実感しましたし、たくさん学ばせていただきました。
猫ホイホイにもなるZAB。そりゃあ入ってしまいますよね~(ZABインスタグラムより)
泉さん
ZABのインスタグラムでは、いろいろな方の使い方をご紹介しているので、ぜひご覧いただければうれしいです!
編集部
編集部でもガンガンZABを使っていこうと思います!本日はありがとうございました!
▼後編に続く
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