世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 –「オーストラリア北東部の植物」前編 –バオバブの雄姿
LOVEGREEN編集部
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個性豊かなバオバブたち
さらにかなり奥に入り、車から降り、ブッシュをかき分け、樹齢1000年とも言われるバオバブを案内してもらった。その姿は圧巻であった。
しばらくバオバブの姿に心奪われ、見とれているとJoe氏が私に登ってみないか?と声をかけ、いつものようにきちんと敬意をはらい、登らせていただいた。ただ私にとっては登ったというより、抱かれたという感じがした。
またこの地から少し離れたところで、深いブッシュをかき分けていけば、とんでもなく大きくユニークなバオバブがある。通称:オクトパス! Joe氏が勝手に呼んでいるだけであろうが……。地元でもこの樹の存在を知らない人が多い。
確かに大きい。カメラに入りきらないぐらいである。そしてそのあだ名の通り、幹が分かれていて、タコのようにも見える。本当にユニークなバオバブである。アフリカでもこのような姿のバオバブは見たことがない。
Joe氏も自慢気に「凄いだろう! きっと日本人でこのバオバブを観たのは又右衛門だけじゃないか?」と言っていた。ただこの樹をいつまでも守りたいから、「この樹がどこにあるかは誰にも教えるな!」とも付け加えていた。
乾燥地での自生している光景が印象的であるバオバブだが、写真のように年中水につかったような場所でも、そこで生まれれば生き続けることができる。
またある程度成木になったバオバブは、ブッシュファイヤーで丸焦げになりながらも、生きていくことができる。
ブッシュファイヤーで樹皮が焼かれ、真っ黒になっているバオバブ。
近くで見るとかなり炭化しているのが分かる。
完全に倒れてしまっても、条件が整えばそこから新たな根を出し上に向かって伸びていく。
ここは海岸際の海水が混じるところ。何度かは生きているバオバブを見かけることができた。本当にバオバブの生命力の強さを実感することができる。
また、樹の中が空洞になっているバオバブ。このように空洞になっても、まだまだ元気に生き続けている。
大きなものでは、大人が数名入っても全く狭さを感じさせないものもある。以前には囚人を閉じ込める牢屋にも使われていたことから、別名プリズンツリーとも言われている。現在では観光スポットとして訪れる人も多いようである。
いかがでしょう? バオバブの生命力の凄さや適応力には、驚いていただけたのではないでしょうか? ただ自らの生命力の強さだけではありません。
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