自然の造形美 ユーフォルビアの珍奇な姿
LOVEGREEN編集部
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ちょっとマイナーだけど面白い種類がたくさんあるユーフォルビア。今回は多肉系ユーフォルビアを中心に個性的な種類のユーフォルビアをご紹介します。
目次
ユーフォルビアとは
ユーフォルビアは一般的にトウダイグサ科ユーフォルビア属に分類される植物のことを示します。主に世界の熱帯・亜熱帯に多く分布しており、塊根・多肉・草本・木本など非常に多くの形態と種類があります。冬の花の定番であるポインセチア(Euphorbia pulcherrima)などもユーフォルビアの仲間で、一説にはユーフォルビア属だけで2,000種以上もあり、非常に大きなグループであると言えます。その中でもアフリカ・マダガスカルに分布している多肉・塊根系のユーフォルビアは人気が高く、趣味家も多く存在しています。
多肉系ユーフォルビアとサボテンの違い
写真の様にユーフォルビアの中にはサボテンに似た種類が存在しています。ユーフォルビアやサボテンにあまり興味のない方からしてみればどちらも同じに見えてしまうかもしれませんが、ユーフォルビアとサボテンには明確な違いがあります。
主な違いに関してはトゲの付け根に刺座と呼ばれる毛のようなものが生えているかいないかで、サボテンには刺座があるのに対し、ユーフォルビアは刺座が無くツルツルとしています。また、ユーフォルビアの樹液は白濁した乳液で、独特の臭いとベタつき感があります。ユーフォルビアの中には樹液を矢じりに塗って毒矢とし、狩猟に使用していたものなどがあるのでむやみに素手で触らないようにしましょう。
ユーフォルビアの花
ユーフォルビアは杯状花序と呼ばれる花を包む苞葉が花びらの様になっています。また、種類が多いユーフォルビアは雌雄異株(雄株と雌株に分かれており自家受粉しないようになっている)や雌雄異熟(雄花と雌花の開花期がずれている)、雌雄異花同株(1つの株に雄花と雌花が咲く)などの咲き方をするものがあります。多肉系ユーフォルビアになると雌雄異株のものが多く、定番種のユーフォルビア・オベサ(Euphorbia obesa)などは雌雄異株となり、受粉させるには雄株と雌株をそろえる必要があります。
基本的に地味な花の多いユーフォルビアですが、花材に使われる種類もあり、草姿だけでなく花の観賞価値も十分高いです。
個性的なユーフォルビアたち
ユーフォルビアの中でも個性的な姿をした種類をご紹介します。
1.ユーフォルビア・ポリゴナ・スノーフレーク
Euphorbia polygona ‘Snowflake’
多肉系ユーフォルビアの中でも手に入りやすく人気の高いスノーフレークです。サボテンのような見た目で白くて分厚いブルーム(ワックス)に覆われており、頭上灌水を行わずに底面給水か株元に水差しなどで水やりをするようにして育てると白さが際立った美しい姿になります。
2.ユーフォルビア・ロッシー
Euphorbia rossii
ロッシーは株元が塊根状になり、これでもかというほど太く、長いトゲを生やす花キリン系ユーフォルビアです。生長は遅いですが非常に猛々しい姿をしており、魅力的なユーフォルビアです。花が地味なところも個人的に好感触です。
3.ユーフォルビア・プラティクラダ
Euphorbia platyclada
葉が生えておらず、ピンクや緑がまばらに入った模様をしているプラティクラダ。その見た目の奇妙さはユーフォルビア随一ではないでしょうか。ちょっと気持ち悪さを感じるのもプラティクラダの魅力の一つで、その見た目からか英名ではゾンビプランツと呼ばれています。生長は早く、しっかりと管理すれば株元から新しい枝が出てきます。
枝にうっすらと生えている毛がまた絶妙。個体によってはもっとフサフサに毛が生えたものも存在しています。
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