塊根植物(コーデックス)とは? 種類、季節ごとの育て方など

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野生味溢れるものから花が美しいものなど個性的な姿形が魅力的な塊根植物。別名、コーデックスとも呼ばれています。独特なルックスからインテリアグリーンとしても人気が高く、愛好家も多い植物です。塊根植物(コーデックス)とはどういうものかや種類や育て方などをまとめました。

目次

塊根植物(コーデックス)とは?

多肉植物は砂漠などの厳しい自生地の環境でも身を守るため、茎や根、葉に水分を蓄えています。塊根植物は多肉植物の仲間であり、その中の一部の総称です。南アフリカ、マダガスカルなどの乾燥地帯の自生地が多く、個性的な見た目でぽってりとトックリのようなシルエットをしたものもあれば「星の王子様」で有名になったバオバブの木も塊根植物の仲間です。

塊根植物の生長期は夏型と冬型の2タイプあります。総称の「塊根植物」は「コーデックス」とも呼ばれています。

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塊根植物(コーデックス)の種類

塊根植物(コーデックス)の種類を生長期と合わせていくつかご紹介します。

パキポディウム・グラキリス

塊根植物パキポディウム・グラキリス

塊根植物の人気者と言えばグラキリス。マダガスカルが自生地です。基部がどっしりと膨らみ細い枝が伸びていきます。枝の先端には細長い葉が付きます。美しい葉脈も是非注目して欲しいところ。  夏型の塊根植物なので、冬は暖かい場所で冬越しをしましょう。

 

鮮やかな黄色い花が咲きます。

 

グラキリス 実生

種から育てることもできます。小さくてもグラキリス感があるような!?

▼パキポディウム・グラキリスの詳しい育て方

 

パキポディウム・ブレビカウレ

パキポディウム・ブレビカウレ 恵比寿笑い

別名「恵比寿笑い」とも呼ばれている夏型の塊根植物です。ぽってりと扁平な姿で縦ではなく、横に育っていく感じです。生長がゆっくりなので、小さい実生(種から育てた株)をじっくりと育てて楽しめます。グラキリス同様に黄色い花が咲きます。

 

パキポディウム・サンデルシー

パキポディウム・サンデルシー 白馬城

別名「白馬城(ハクバジョウ)」というかっこいい名前で呼ばれるサンデルシー。アフリカが自生地です。恵比寿笑いが横ならば、サンデルシーは縦に生長をします。白い幹肌に鋭く長いトゲが特徴的です。夏型の種類で、パキポディウムの中でも丈夫な種類なので初めての一鉢におすすめです。

 

アデニウム

アデニウム

南アフリカやソコトラ島、アラビア半島が自生地のアデニウム。別名「砂漠のバラ」とも呼ばれるよう砂漠に生えて、鮮やかなピンクの花を咲かせます。自生地からわかるように乾燥を好みますが、水が不足するのは枯れる原因に。基本、土が乾いてから水やりをします。生長期は様子を見て2〜3日置きに水やりをしてもよいでしょう。 寒さには弱いので、休眠期に入ったら断水し暖かい場所で冬越しをしてください。

 

アデニウムの花

夏に咲くアデニウムの花

▼アデニウムの詳しい育て方

 

アデニア・グラウカ

アデニア・グラウカ

南アフリカが原産のアデニア・グラウカ。なんといっても緑色の肌が特徴的。膨らんだ基部は生長するにつれ灰色味を帯びて緑とグレーのツートーンになっていきます。アデニアはトケイソウ科です。トケイソウの仲間なので、ツルが伸び葉が付きます。夏型なので、秋以降に落葉したら断水して冬越しします。

 

ヤトロファ・サンゴアブラギリ

トウダイグサ科ヤトロファ属のサンゴアブラギリ。珊瑚のようなコーラルレッドの花を咲かせます。小さいサイズの時からトックリのようなユニークなシルエットを楽しめます。ライトグリーンの葉も大きく立派なので小さくても存在感があります。丈夫な種類なので、初心者の方でも育てやすい塊根植物です。夏型なので冬は暖かい場所で冬越しをしてください。

 

サンゴアブラギリの実生

サンゴアブラギリの実生株。まだほっそりスリムです。

 

フィランサス・ミラビリス

フィランサス・ミレビリス

ミラビリスの特徴といえば、夜になると葉を閉じて朝になると開くという性質があること。水が不足している場合や調子が悪い時も葉は閉じていますので、水やりのサインがわかりやすいのもうれしいところ。ラオスやミャンマー、タイなどのアジア原産の塊根植物です。夏型なので気温が下がると落葉し休眠し春以降また葉を付けます。

 

フィランサス・ミレビリス 夜 葉を閉じる

夜、葉を閉じた姿。葉裏のほうは白が強いです。

 

フィランサス・ミレビリス 葉っぱ

新しい葉は赤みを帯びた緑。これまた綺麗。

 

ボンバックス

ボンバックス

中南米が自生地のボンバックス。 幹から枝が伸び、大きな葉を付けます。

 

ゴツゴツとした表皮は縦にひび割れて、味わい深い見た目をしています。

年季の入った株とフレッシュグリーンの葉のギャップも魅力的。夏型なので、冬の寒さで葉を落とします。ボンバックスは他の塊根植物に比べると休眠明けが遅い印象です。

 

ボンバックス 新緑

環境にもよりますがゴールデンウィークくらいに葉が芽吹きます。赤く小さな葉っぱはまるでハートのようでとても可愛らしいです。

▼ボンバックスの詳しい育て方

 

ユーフォルビア

ユーフォルビア・キリンドリフォリア

ユーフォルビアはとにかく種類が多く、塊根種もあります。写真はユーフォルビア・キリンドリフォリアです。ユーフォルビアならではの控えめな花が咲きます。 基部はぽってりと膨らみ細い枝が横に伸びていきます。塊根種では「飛龍(ひりゅう)」「エクロニー」「デカリー」などがあります。 夏型なので、冬は水を控え暖かい場所で管理してください。

▼ユーフォルビア・デカリーの詳しい育て方

 

亀甲竜

亀甲竜

その名前の通り、亀の甲羅のような姿をした亀甲竜。原産地がアフリカとメキシコがあり、アフリカ亀甲竜は冬型、メキシコ亀甲竜は夏型です。購入する時にラベルを確認してください。園芸店やホームセンターや花屋さんに流通しているものはアフリカのほうが多いでしょう。ハート型の葉がツル状に伸びていきます。休眠期はほぼ断水して管理します。

▼アフリカ亀甲竜の詳しい育て方

 

モンソニア

サルコカウロン

モンソニアは南アフリカに自生する冬型の塊根植物です。波打つようにうねる葉と鋭いトゲでワイルドな見た目をしています。写真はモンソニア・クラシカウレ。冬も屋外でも育てることはできますが、寒冷地や真冬の積雪や霜が降りる場合は室内に取り込むように。夏は断水し、涼しい場所で夏越しをしてください。

 

サルコカウロンの花

かっこいいルックスとは裏腹にクリーム色の優しい雰囲気の花が咲きます。

▼サルコカウロン・ヘレーの詳しい育て方

 

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塊根植物(コーデックス)の育て方

ここでは水やり、置き場などの基本的な育て方のみをまとめました。育て方は種類によって異なる部分や、品種ごとの特性もあります。名前や属で調べて適した管理をしてください。

塊根植物(コーデックス)の置き場所

日当たりと風通しの良い屋外、または窓辺で管理します。日光不足になると枝がひょろっとしたり、株自体が間延びした印象になります。可能な限り、よく日に当てることが望ましいです。どうしても厳しい時は植物用のLEDライトを使って光を補うのもいいでしょう。

夏型種で冬休眠している時も、日光に当ててください。たまに鉢を回してまんべんなく日が当たるようにしてください。

塊根植物(コーデックス)の水やり

水やり ジョーロ ミッテ

土が乾いてから水やりします。鉢底穴から水が出るくらいの量が水やりの目安です。 塊根植物だけに限らず、季節によって水やりの時間は変えてください。 夏の場合、日中は高温になることを考えて、暑さの落ち着いた夕方以降に水やりをしましょう。 逆に冬の場合は、気温が低い朝晩は避けて暖かい日中に水やりをするように。 初夏〜夏は雨ざらしでも育ちます。

生長期に合わせた管理をする

塊根植物は生長期が「夏型」と「冬型」があります。

<夏型の塊根植物> パキポディウム属、キフォステンマ属、ドルステニア属、プレクトランサス属、ユーフォルビア属など

<冬型の塊根植物> オトンナ属、チレコドン属など

パキポディウム 落葉前

夏型の 塊根植物は秋以降、気温が下がり休眠に入ると落葉し、冬を越して桜が咲く頃を目安に新しい葉が芽吹きます。

冬型の 塊根植物は夏が休眠期になります。夏の暑さが落ち着く頃、葉が芽吹きゴールデンウィーク前くらいには再び休眠します。

どちらも休眠のタイミングは種類や育てている環境により異なります。あくまでもここでの時期は目安です。 休眠期に入ったら、水やりの回数は控えるか、断水します。

ユーフォルビアなど種類によっては根が細く完全に断水をしてしまうと枯れてしまうものもあります。お休み中にいきなりたっぷり水やりされても、水を吸いきれず根腐れの原因になります。もし水やりする場合は土が湿る程度にしてください。 休眠明けも同じくです。いきなりたくさん水やりするのではなく、少しずつ慣らしていくようにしましょう。

いきなりの直射日光は避ける

水やりだけではなく、日光も同様です。季節によって日光の強さは異なります。 休眠していた夏型塊根植物を外に出す時は要注意。冬にお休みをしていた株を春以降の直射日光にたっぷりと当ててしまうのは葉焼けの原因になります。まずは優しい光から徐々に慣らしていきましょう。

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こんな時はどうする?塊根植物(コーデックス)のお悩み

塊根植物を育てていると、ぶつかることがあるトラブル。よくある事例をまとめました。いざという時に役立ててください。

株がふわふわ、ぶよぶよと柔らかい

健やかな株はハリがあり、触ると硬さもあります。スポンジのようにふわふわ、ぶよぶよとしている時は根腐れを起こし、傷んでいる可能性があります。一度鉢から抜いて確認を。ぶよぶよの場合はもう手遅れの場合もありますが、傷んだ部分をカットして殺菌剤を塗布、乾かすことで発根する場合もあります。

葉色が悪い

ハダニが発生することで、葉色が黄色く変色することがあります。いつもと様子がおかしいと思ったら全体をよく確認してみてください。害虫の場合は放置せず薬剤を使い早めに処置をしてください。

葉がなかなか出てこない

生長期になったにも関わらず、葉が出ない。塊根植物を育てている環境やその年の天候によっても葉が出るタイミングは異なります。多少不安になるかもしれませんが、気長に待ちましょう。明らかに出ない場合は枯れてしまった場合もあります。一度鉢から抜いて根の状態を確認してみましょう。

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