サザンカ(山茶花)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- サザンカ(山茶花)
- 学名
Camellia sasanqua
- 英名
- Sasanqua (camellia)
- 和名
- 山茶花
- 科名
- ツバキ科
- 属名
- ツバキ属
- 原産地
- 日本
サザンカ(山茶花)の特徴
サザンカ(山茶花)は、ツバキ科ツバキ属の常緑低木。本州から沖縄まで自生している日本固有種で、学名の種小名である sasanqua は、和名に由来しています。サザンカ(山茶花)の花が咲く時期は10月~4月、秋から春まで長く咲き続けます。耐寒性が強く常緑で、日向から半日陰まで植え付け可能、花付きも良く、あまり手がかからないなどの理由から、昔から庭木として利用されてきました。
サザンカ(山茶花)は、花や葉の特徴がツバキによく似ているため、間違えられることの多い花木ですが、花びらやしべ類の付き方、葉の特徴などに違いがあります。サザンカ(山茶花)の花びらは1枚ずつ平たく広がるように開き、ツバキのようにつながっていません。雄しべは、ツバキのように筒状にならず、1本ずつ付いています。サザンカ(山茶花)の葉はツバキに比べて小さく厚みがあり、葉の縁にはギザギザとした鋸歯があり、細毛が生えています。 また、ツバキの花は、花首からぽとりと落ちるのに対し、サザンカ(山茶花) は、花びらが1枚ずつ散っていく様子も違います。
サザンカ(山茶花)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、常緑 |
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草丈・樹高 | 1~5m程度 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
花色 | 白、ピンク、複色 |
開花時期 | 10月~4月 |
サザンカ(山茶花)の種類
ヒメサザンカ
- 学名:Camellia lutchuensis
ヒメサザンカは、沖縄、西表島などに分布する日本固有種。サザンカよりも小ぶりで香りの良い花を咲かせます。多くの改良種の親となっている品種です。
ハルサザンカ
- 学名:Camellia × vernalis
ハルサザンカは、サザンカとヤブツバキの雑種と考えられている品種。遅咲きの品種です。
サザンカ(山茶花)とツバキ(椿)の見分け方
花の散り方
サザンカ(山茶花)
・ツバキ(椿):花首から落ちるように散る
・サザンカ(山茶花):花びらが1枚ずつ散る
花が咲いている時期が一番見分けやすいと思います。木の下に花びらが散っていたらサザンカ(山茶花)、花首ごと落ちていたらツバキ(椿)です。ただし、サザンカ(山茶花)とツバキをかけ合わせた園芸種も存在します。
花が咲いている時期
・サザンカ(山茶花):10月~4月(厳寒期を休む)
・ツバキ(椿):11月~4月(厳寒期を休む)
花の品種や種類によっても変わってきますが、一般的にサザンカ(山茶花)の花の方が咲くのが早く、ツバキ(椿)の方が遅い傾向にあります。
花の形
・サザンカ(山茶花):花びらが平たく開いたようなフォルムをしている
・ツバキ(椿):花びらの付け根がつながり、筒状のフォルムをしている
八重咲きなど、品種によって差はありますが、基本はこのような違いがあります。
葉で見分ける
・サザンカ(山茶花):楕円形で、幅2~3cm、長さ3~7cm、表裏の葉脈に沿って細毛があり、鋸歯がある
・ツバキ(椿):楕円形で、幅3~5cm、長さ5~12cm、表面に光沢があり、鋸歯はない
サザンカ(山茶花)の葉は、小ぶりで鋸歯があります。対してツバキ(椿)は、鋸歯がなく、光沢のある葉をしています。
チャドクガに注意
サザンカ(山茶花)を含むツバキ科の樹木には、「チャドクガ」という毛虫が付くことがあります。チャドクガの毛に触れると激しい痒みがあり、湿疹が出ます。ツバキ科の植物に触る時は手袋などをして観察すると安全です。毛虫本体がいなくても、脱皮した皮や葉に残った毛だけでも痒みが出ますので、食痕があるような葉は避けて観察してください。もし、激しい痒みや以上を感じたら、早めに皮膚科に行くようにしてください。
サザンカ(山茶花)の花言葉
サザンカ(山茶花)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 |
サザンカ(山茶花)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所から半日陰で育てられます。日当たりが良い方が花付きが良くなります。
用土
保水性、排水性共に良い土壌を好みます。
鉢植えは、市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
サザンカ(山茶花)の育て方のポイント
水やり
根付いてからは特に水やりの必要はありません。乾燥が続くようなときは、様子を見て水やりしましょう。
鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりします。
肥料
庭植えは、2月に寒肥を施します。
鉢植えは、3月~4月に緩効性肥料を施します。
病害虫
チャドクガの幼虫の食害にあいやすい庭木です。触れるとかぶれるので、手袋をし、見つけ次第駆除します。カイガラムシの被害にあうことがあります。風通し良く管理するよう心がけましょう。
サザンカ(山茶花)の詳しい育て方
選び方
葉が変色していないもの、株元にぐらつきがなく、主幹がしっかりした株を選びましょう。つぼみが確認できれば、購入後すぐに花を楽しめます。
植え付け
植え付け適期は、3月~4月、9月~10月です。水はけの良い土壌に、元肥を混ぜて植え付けます。植え付け後はたっぷりと水やりをして、根と土をなじませるようにします。
剪定・切り戻し
開花が終わる3月~4月にかけて剪定をします。サザンカ(山茶花)は、その年に伸びた枝の先に花芽を作ります。夏には花芽がふくらんでくるので、開花後、早めに剪定してください。夏以降の剪定は、暴れている枝や、混みあった枝、細い枝を整理する程度にとどめます。
植え替え・鉢替え
植え替え適期は、3月~4月、9月~10月です。根が回って鉢底の穴から見えてきたら、一回り大きな鉢に植え替えます。
花
サザンカ(山茶花)は、10月~4月に華やかな花を咲かせます。
冬越し
耐寒性の強い常緑低木です。特に必要な冬越しの作業はありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
挿し木で増やすことができます。