イロハモミジ(イロハカエデ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- イロハモミジ(イロハカエデ)
- 学名
Acer palmatum
- 英名
- Japanese Maple
- 科名
- ムクロジ科
- 属名
- カエデ属
- 原産地
- 日本、東アジア
イロハモミジ(イロハカエデ)の特徴
イロハモミジはムクロジ科カエデ属の落葉高木です。カエデ属の中で最も有名な種がイロハモミジです。紅葉と言えば多くがこの木を指します。東北以南の谷間や川べりに自生。数多くの園芸品種が作られており、庭木、鉢植え、盆栽として愛好されています。イロハモミジは紅葉の時期に注目されがちですが、春から初夏の新芽、若葉、小さな花、青葉なども見どころがたくさんある魅力的な樹木です。
イロハモミジ(イロハカエデ)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
---|---|
草丈・樹高 | 5m~ |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 赤 |
開花時期 | 4月~5月 |
イロハモミジ(イロハカエデ)の種類・品種
古来から鑑賞されてきただけあり、斑入りや葉形の違う数多くの品種があります。「赤地錦」「伊豆の踊子」「扇子流」「琴姫」「涼風」「高尾」「千染」など枚挙にいとまがありません。
イロハモミジの実
イロハモミジの実には2枚の羽に似た部分がついてます。「翼果(よくか)」と呼ばれ、タンポポの綿毛のように種を遠くまで飛ばして、生活圏を広げる役割があります。 イロハモミジの実はほとんど出回っていないので、公園などで採取して翌春までの間にまきます。発芽を抑制する作用のある殻をむき、30分ほど水につけてから種の表面を少し傷つけ、赤玉土などに植え付けます。発芽率が高くないので、多めにまいておくとよいでしょう。
イロハモミジの盆栽
イロハモミジはコンパクトな樹形を保ちやすいため、盆栽としても広く用いられています。 鉢植えから盆栽に仕立てる場合は休眠期の冬に植え替えを行います。用土は赤玉土3、腐葉土3、桐生砂1。水はけをよくするため鉢底にゴロ土(大粒の赤玉土)を敷いてから入れます。鉢土を軽く落とし、傷んでいる根を取りのぞいてから植え付け。色を出すには日光が欠かせないため、基本的に屋外で管理します。
古典に登場するモミジ
『万葉集』の中には実に138首もモミジを題材にした歌があります。すべてイロハモミジかといえばそうではなく、「黄葉」の字があてられています。当時は黄色や赤に色づく葉はすべてモミジとして扱われており、イロハモミジなどカエデ科の植物はもちろん果樹や山野草まで含まれていたのです。 平安時代に編まれた『古今集』には、ようやく「紅葉」の文字が登場。人々がカエデ類をモミジとして扱い始めたことが分かります。 モミジが幾多の芸術作品でモチーフになった要因は紅色の美しさだけではありません。『平家物語』は敗れ去る平家の赤い旗色をモミジに重ねて描写しました。「滅びの美学」が日本人の感性にはまったからこそ、モミジは末永く愛されるようになったのです。
イロハモミジ(イロハカエデ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
肥料 |
イロハモミジ(イロハカエデ)の栽培環境
日当たり・置き場所
イロハモミジは日当たりの良い場所を好みます。
用土
イロハモミジは肥沃で水はけ良く保水性の良い土壌を好みます。
イロハモミジ(イロハカエデ)の育て方のポイント
水やり
庭植えのイロハモミジは根付いてからは水やりの必要はありません。
鉢植えのイロハモミジは表土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
イロハモミジは乾燥に弱いので、庭植え、鉢植えどちらも水を切らさないように気を付けましょう。
肥料
冬の落葉期に穏効性肥料を与えます。
病害虫
カミキリムシの幼虫(テッポウムシ)に注意しましょう。木の下におがくずのようなものが落ちていたら幹の中に侵入している証拠です。
イロハモミジ(イロハカエデ)の詳しい育て方
選び方
主幹がしっかりとしてぐらついていない、枝ぶりや葉の出方がきれいなものを選びましょう。
植え付け
イロハモミジの植え付けは落葉期に行います。
仕立て方
イロハモミジは放っておくと枝が混みあってきます。落葉期に樹形を整える強剪定をします。横に枝を広げる樹形が美しいので、枝の広がりを意識しましょう。
剪定・切り戻し
他種に比べイロハモミジは葉が小さく、細かく枝分かれするため、剪定をおこたるともっさりした樹形になってしまいます。落葉期に樹形を整える強剪定をします。初夏の剪定は不要な枝葉を整理する程度にしましょう。
植え替え・鉢替え
鉢植えのイロハモミジは2~3年に1度は植え替えを行いましょう。根詰まりを起こすと生育が悪くなります。
花
春に小さな赤い花を咲かせます。花だとわからないくらい小さな花です。
収穫
モミジ類は紅葉、青モミジとも料理などの添えとしてよく利用されます。
秋には紅葉(モミジ)狩りという行楽があるほど、日本では紅葉したモミジが愛されています。紅葉したイロハモミジの葉は押し葉などにして保存できます。
夏越し
イロハモミジは夏が生長期です。特に必要な夏越しの作業はありません。
冬越し
イロハモミジは落葉して越冬します。特に必要な冬越しの作業はありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
接ぎ木か種まきで増やします。
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