黒く腐った⁉ パプリカの病気と生理障害について
LOVEGREEN編集部
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パプリカは、 品種によって色の変化は異なりますが、約3週間程の時間をかけて完熟します。熟していく段階で、味も栄養素も変わるため、お好みの色でパプリカを収穫する楽しみがあります。
そんな中、sana gardenでも、パプリカの完熟を目指して時間をかけて熟していくのを待ちわびていたのに…いつしか腐っていました。
sana gardenのパプリカに何があったのか、考えていきたいと思います。
目次
■パプリカの被害
実の被害
一体何の病気なのか?
生理障害の可能性
パプリカの被害
実の被害
2017/8/3のパプリカの実
この時期のパプリカは、どのパプリカも艶々として、美味しそうです。
2017/8/31のパプリカの実
あんなに艶々していたパプリカが、黒く腐ってぐちゃぐちゃです。ヘタの部分から下に向かって被害が出ています。
パプリカがかかる病気
パプリカがかかる病気は、同じ仲間であるピーマンのかかりやすい病気とほぼ同じです。
パプリカがかかる病気
・斑点細菌病(茎・葉・果実)
・青枯れ病(葉)→今回は対象外
・軟腐病(茎・果実)
・モザイク病(葉)→今回は対象外
・黄化えそ病(茎・葉・果実)
・疫病(茎・葉・果実)
・炭疽病(果実・葉)
・白斑病(葉・果実・枝)
・うどんこ病(葉)→今回は対象外
・菌核病(茎・果実・葉・花弁)
・白絹病(茎・根)→今回は対象外
・灰色かび病(花弁・果実・葉・茎)
・苗立枯病(地際・根)他→今回は対象外
一体何の病気なのか?
パプリカがかかりやすい病気の中から、症状が近いものを選んでいきたいと思います。
この中で、実に影響があるものをピックアップし、さらに被害の特徴から、1つの病気にたどり着きました。
炭疽病としての判断理由
・黒い斑点ができていること。
・変色した部分がへこんでいること。
・被害が強い箇所の色が、鮭肉色に変化してきていること。
・雨が続いていること。
病気以外に考えられるパプリカの生理障害
生理障害とは…
・栄養素の欠乏
・土壌不良
・高温・乾燥障害
これらの育てる環境により、引き起こされる障害のことをさします。
今回は、実だけに被害が出ていることから、生理障害の中では「しりぐされ果」と「ビターピット」を疑いましたが、「しりぐされ果」は名前の通り、お尻の部分が腐れるのに対し、今回はパプリカの上部が腐れていることから対象外。
「ビターピット」は暗褐色の斑点ですが、鮭肉色に変化したり、へこんだりしていないことから対象外としました。
炭疽病とは
症状
・葉や果実に褐色の斑点ができる。
・実の被害が強い箇所の色が、鮭肉色に変化する。
・変色した部分がへこむ。
発生の要因
・雨が当たる環境で育てている。
・降水量が多い。
対処
・感染した部分を取り除く
予防
・整枝(不要な枝を切り整える)するなどして、風通しの良い環境を作る。
・水はけを良くする。
・雨による泥はねを防ぐ。
今回の対応
今回は、春夏野菜の終わりの時期ですので、抜き取ることにしました。
パプリカの被害のまとめ
・日頃からパプリカの葉や実の状態を観察しよう。
・どのような被害状況か把握しよう。
・梅雨時期、梅雨明けは特に病害虫の被害がないか注意しよう。
・病害中だけでなく、生理障害についても考えてみよう。
いかがでしたか?
今年は空梅雨(からつゆ)で、なかなか雨が降らないと思っていたら、夏以降の雨の多さに悩まされました。
パプリカも、ピーマン同様に雨に当たることで、病気にかかる可能性がとても高くなります。本当にお天気って、野菜栽培に大きな影響を与えますね。
今年の秋はいいお天気になりますように♪
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