ユリ根(ゆり根・百合根)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ユリ根(ゆり根・百合根)
- 学名
Lilium leichtlinii var. tigrinum
- 英名
- lily bulb
- 別名・流通名
- オニユリ、コオニユリ、ヤマユリ
- 科名
- ユリ科
- 属名
- ユリ属
- 原産地
- 東アジア
ユリ根(ゆり根・百合根)の特徴
食用となるユリ根は、オニユリ、コオニユリなどの鱗茎(りんけい)部分です。
現在市場に出回っているのは、コオニユリがほとんどのようです。
ユリ根は、古くから食用や薬用として利用されてきました。
冷涼な気候を好むユリ根の産地は、北海道がほとんどを占めます。
白いニンニクのような形をしており、火を通すとお芋のようなホクホクとした食感で、とても上品な甘味のある野菜です。
主に年末に市場に出回ることもあり、お正月の料理や懐石料理に使われます。
家庭菜園でユリ根を育てる場合は、大きく充実した球根を植え付けることをおすすめします。
ユリ根を一から育てようと思うと、珠芽(むかご)と呼ばれる、葉の付け根にできるユリ根の赤ちゃんから、球根を作るまでに3年はかかります。
その他の方法として、土の中のユリ根の球根の上の方につく、木子(きこ)と呼ばれる小球根から、球根を作るまでに同じく3年の月日を要します。
最後に、鱗片といってユリ根の球根を保護する、複数の小さな葉のようなものから球根を作るまでに、やはり3年はかかり、栽培にとても長い期間を必要とする植物です。
お店で売られているようなユリ根は、その3年を要した球根を植え付け、ユリの花を咲かせないように1年かけて育てて、ようやく充実したユリ根を収穫しています。
このように球根から育てると1年。球根以外で、一から栽培しようとすると、最短でも4年の歳月を費やすことになります。
ユリ根(ゆり根・百合根)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 100~200cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | やや弱い |
花色 | オレンジ他 |
開花時期 | 6~7月 |
ユリ根(ゆり根・百合根)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
植え付け | ||||||||||||
収穫 |
ユリ根(ゆり根・百合根)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。
温度
生育適温は15~20℃で、冷涼な気候を好みます。
用土
プランター栽培の場合は、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培の場合は、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後堆肥と元肥を入れ土になじませましょう。
ユリ根は、粘質の土壌で、やや酸性よりの保水性、排水性の良い土壌を好みます。
ユリ根(ゆり根・百合根)の育て方のポイント
水やり
特に、夏場の高温による乾燥に気を付けましょう。
肥料
追肥は、球根を植えてから発芽した頃(5月頃)に与えます。
病害虫
新芽や蕾(つぼみ)にアブラムシがつくことがあります。
ユリ根(ゆり根・百合根)の詳しい育て方
選び方
充実した球根を選びましょう。
種まき
ユリ根は葉の付け根にできる球芽(むかご)を10月頃に植え付け、1年後掘り起こし植え替えます。
そこから、さらに1年経過した後、もう一度植え替えます。
さらに1年かけて育てた後に、ユリ根の球根となります。
つまり、球根に育てるまで、合計で3年の月日がかかります。
(他に木子(きこ)、鱗片(りんぺん)でも同様の歳月がかかります)
植え付け
畝幅60cm程の高畝を作り、15~20cm位の間隔、球根の2倍くらいの深さに「球根」を植え付けます。
仕立て方
ユリが大きく生長したら、支柱などをして、風や雨で倒れないように注意しましょう。
支柱を土中にさす際、くれぐれもユリ根本体を傷つけないように気を付けましょう。
花
球根を充実させるために、花を咲かせないようにします。ユリの蕾ができ次第、取り除きましょう。
収穫
ユリの茎葉が枯れてきたら、収穫適期のサインです。ユリ根を傷つけないように、丁寧掘りおこしましょう。
収穫したユリ根を保存する際は、おがくずの中で保存しましょう。
低温で保存したユリ根は、甘みが増すといわれています。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
珠芽(むかご)、木子(きこ)、鱗片から増やします。