小玉スイカ(コダマスイカ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- 小玉スイカ(コダマスイカ)
- 学名
Citrullus lanatus
- 英名
- Watermelon
- 和名
- 小玉西瓜
- 科名
- ウリ科
- 属名
- スイカ属
- 原産地
- 熱帯アフリカ
小玉スイカ(コダマスイカ)の特徴
小玉スイカはつる性の植物で、葉は大きく切れ込みが入った形をしています。他のウリ科の野菜と同じように、1株に雌花と雄花が存在する雌雄異花(しゆういか)の植物です。
小玉スイカは、核家族化も進み、家庭用冷蔵庫で冷やしやすいということから品種改良されたスイカです。それ以外にも小玉スイカは大玉スイカに比べて甘さも均一で、皮も薄く生ゴミも削減できるため、現代の生活スタイルに受け入れられていきました。
じつは小玉スイカの名前の由来は、「小さいスイカ」という意味だけでなく、東海道新幹線「こだま」が開通した同じ頃に品種改良されたため「こだまスイカ」と名付けたようです。
小玉スイカ(コダマスイカ)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
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耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | やや弱い |
花色 | 黄色 |
開花時期 | 6月〜7月 |
小玉スイカ(コダマスイカ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
収穫 |
小玉スイカ(コダマスイカ)の栽培環境
日当たり・置き場所
小玉スイカは日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。
温度
小玉スイカの生育適期は23~30℃です。
用土
スイカは酸性土壌が苦手です。
畑栽培の場合は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
プランター栽培は野菜用の培養土を使用しましょう。
小玉スイカ(コダマスイカ)の育て方のポイント
水やり
水分豊富な小玉スイカですが、多湿を嫌うため水のやりすぎに注意します。
地植えの際は、降雨のみで十分育ちます。反対に雨が多すぎると、急に実が肥大して割れてしまうことがありますので気をつけましょう。
肥料
追肥は一番果が鶏卵大になってから与えます。果実の肥大期には株に大きな負担がかかるため、このタイミングで追肥をし、草勢を保ちましょう。
ちなみに、小玉スイカの根の先とつる先はだいたい同じ場所にあるとされています。露地栽培の方の追肥はつる先を目安に施して下さい。
プランター栽培での追肥の位置はできるだけ株元から離れた場所に施しましょう。
小玉スイカ(コダマスイカ)の詳しい育て方
選び方
菜園初心者の方は「接木苗(つぎきなえ)」を選ぶことをおすすめします。接木苗とは病害虫に強い苗と、育てたい苗とをつなぎ合わせたものです。接木苗のスイカは病気に強く、根の張りも良いので選んでみてはいかがでしょうか。
子葉がしっかりついていて、本葉が3~4枚程付いた大きさで、茎の節間が短くて太い苗を選びましょう。古い苗は葉が小さく、色も薄くなっていて、既にハダニに侵されているかもしれません。しっかりした苗を選びましょう。
種まき
ポットまきで1~2粒ずつまいて育苗します。
植え付け
小玉スイカの生育適期は23~30℃なので、関東地方での植え付けは5月の連休前後が最適です。暖地では4月下旬~5月上旬、中間地でも5上旬~5月中旬、冷涼地では5月中旬~5月下旬には植え付けましょう。
植え付ける際は、接木部分が土に埋もれないように注意します。
スイカは乾燥を好むため、過湿状態が続くと土壌病害の発生が多くなると言われています。水はけに気を配りましょう。
小玉スイカなら、つるを支柱にくるくる巻き付け、プランターでも育てることが出来きます。プランターの直径・深さ共に30cmもあれば十分です。なるべく大きめのプランターをご用意ください。
摘芯(摘心)・摘果
親づるの摘芯
親づるに本葉が5枚~7枚ついたら、子蔓の発生や生育を促すために、親づるを摘み取って芯を止めます。
つるの整枝と摘果
摘芯して子蔓が伸びてきたら、生育の良い蔓を3~4本残し、他の子蔓は摘み取ります。残した子蔓は、互いに絡まないように支柱に誘引してください。
露地栽培の方は、四方へと広げて配置し、蔓が動かないようにUピンなどで固定します。(プランターでの栽培は、支柱に誘引します)
小玉スイカの実は、子づる1本に1果実が基本です。果実の数が多いと栄養が分散し、果実が小さくなったり甘みが弱くなるので、果実の数を絞り込みましょう。
しっかりと実が育っていることを確認したら、結実させる実よりも下についた雌花や、伸びてくる孫つるは摘み取り、栄養を集中させるようにします。
花
1株に黄色い雄花と雌花が咲きます。
収穫
一般的に小玉スイカは受粉から30日~40日くらいで収穫ができるようになります。
他の見分け方に、実がついている部分の巻きひげが枯れたら収穫と言われていますが、見分けるのはなかなか困難です。小玉スイカは収穫した時点で生長が止まり、収穫した後の追熟はできないので、人工授粉した時は受粉の日にちをつけ、そこから30~40日後を目安に収穫することをおすすめします。
小玉スイカの支柱の立て方
支柱は「あんどん型」にします。つるを支柱に巻き付けるように育てましょう。実が大きくなってきたら、落ちないようにハンモックで支えてあげてください。
人工授粉
スイカに実をつけるために、欠かせない作業が受粉です。本来は蜂や蝶などの虫の力を借りて授粉しますが、都会や高所のベランダなどで栽培していると、なかなか虫自体が来ないこともあります。着果率を高めるためにも人工授粉にチャレンジしましょう。
晴れた日を選んで、雌花が咲いたら、その日に咲いた新鮮な雄花を選んで朝9~10時までに授粉させましょう。この時間を過ぎると授粉率がガクンと下がります。
小玉スイカの雄花と雌花の見分け方は、蕾の下に膨らみがあるかどうかです。膨らみがある方が雌花、ない方が雄花と覚えておきましょう。