梅雨明け後注意!野菜のハダニの駆除・症状・発生時期

LOVEGREEN編集部
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暑さが日に日に増してくるこの季節、人間もぐったりしてしまいますが、よく見ると作物も何だかぐったりしていませんか?
梅雨明けして夏本番を迎える初夏の季節、野菜を育てているなかで一番注意したいことは病害虫の発生です。
今回ご紹介するハダニも、梅雨明け後に発生しやすい病害虫の一つです。ハダニの被害状況や発生時期、駆除の方法などを交えて、ハダニについてご紹介します。
目次
野菜の被害状況
ハダニにおかされた矮性ミニトマト
新芽や幼葉が白くなり、緑の色素が無くなっています。他の葉もかすれたように白くなり、カスリ状になっています。
上の画像のように葉の後ろ側から被害は広がります。
ハダニの生態、種類
ダニは昆虫ではなく、クモやサソリの仲間です。人間にとって身近なダニは、屋内に生息する屋内塵性ダニ類でアレルギーの原因となるヒョウヒダニ(チリダニ)と、屋外性のマダニで人間やペットの血を吸い、感染症を引き起こすダニ類ですが、ハダニとは一体どんな種類のものなのでしょうか。
ハダニも蜘蛛の仲間
ハダニの大きさは0.5mmほどで、成虫になると足が8本のため、虫の仲間ではなく蜘蛛の仲間になります。
主に野菜に寄生するハダニの種類として、「ナミハダニ」と「カンザワハダニ」があります。
なかでもナミハダニは、黄緑型と赤色型が存在します。黄緑型は休眠期になると淡橙色の黒紋のない色に変化し越冬しますが、赤色型は冬期間も休眠することなく活動を続けます。
カンザワハダニは休眠性をもつため越冬します。
これらのハダニは、雌1匹が1日で卵を産む個数は数個~10個、この雌1匹が産む産卵数は100~150個ともいわれています。ハダニは25℃の環境下で、約10日間かけて卵から成虫に生長します。
1世代10日間…この繁殖力は凄まじいものがありますね。
寄生部位
主に葉の裏の部分に寄生しますが、果実にも寄生します。ハダニは葉に口針を差し込み、植物の汁を吸引します。その結果、白色や褐色の斑点模様が葉に現れ、画像のように緑色の色素が抜けたような状態になります。
ハダニの発生時期と予防方法
ハダニって気が付いた時には葉全体に広がっていることが多いですが、日頃のお手入れで予防することが可能なので発生時期と寄せ付けない環境作りは抑えておきたいところです。
ハダニの発生時期
発生時期は5~10月ですが、特に梅雨明け以降に被害が大きくなります。被害が進むと、蜘蛛の仲間であることが分かるような、蜘蛛の巣状の網を見ることができます。
ハダニの予防方法
株の間隔をあけ、風通しの良い環境を作ります。夏は作物が乾燥しすぎないように、適度に葉水を与えることで予防することができます。
葉水の方法として、スプレーボトルに水を入れ葉に吹きかけてもいいですが、木酢やニーム、手作りの害虫忌避スプレーなどをかけることで効果がさらに期待できます。
ハダニの寄生植物
ハダニはほとんどの野菜に寄生します。寄生した作物の生育が弱ると、風に乗って次の作物へと飛んだり人を媒介にして移動します。
トマト
- 夏野菜の代表ともいえるトマト。現在様々な品種が改良され青臭さもなく、まるでフルーツのように甘いトマトの品種もあります。トマトは緑黄色野菜の1つで、トマトの栄養に含まれるクエン酸は疲労回復効果があり、その他にもリコピン、グルタミン酸など栄養も豊富で、健康や美容にも効果があることも人気の理由です。調理方法も生のままいただくサラダから、煮込み料理、ソース、スイーツなど様々な料理に使えます。 このトマト、じつは植物学者たちの調査によりトマトの原種は大玉トマトではなく、チェリートマト(ミニトマト)ということが分かっています。大玉トマトの方が突然変異として、チェリートマト(ミニトマト)よりも後に生まれました。アンデス高原に自生していたトマトの野生種は、いずれもチェリートマトの種類だったようです。 トマトは原産地では多年草ですが、日本のような温帯で育てると一年草として栽培されます。この野生種のトマトは、メキシコから北米に伝わり、実際に栽培されるようになったのは19世紀に入ってからです。ヨーロッパへ伝わるのは、コロンブスの新大陸発見が大きく影響し、ヨーロッパでトマトを食べるようになったのは、18世紀以降といわれています。 当初、ミニトマトやトマトは観賞用として育てられ、食用とされることはありませんでした。というのも、新大陸からヨーロッパに伝わった時に、トマトの実がとても赤いために有毒植物と信じられていたからです。 日本に伝わったのは17世紀の江戸時代ですが、同じように観賞用として伝わってきました。「赤茄子」としての価値しか見出せず、しばらくの間観賞用としてのみ育てられていました。 トマトの赤い実は毒性ではありませんが、じつはトマトの苗自体には有毒物質が含まれています。完熟のトマトにはほとんど含まれていませんが、「トマチン」といって、花・葉・茎などに多く含まれているため、トマトの葉は食べることができません。
キュウリ(胡瓜)
- キュウリはつる性の植物で、そばにあるものに巻き付くように伸びて生長していきます。未熟果を収穫する野菜のため、関東地方では5月初旬に植えつけると、6月には収穫時期を迎え、代表的な春夏野菜の中では一番最初に収穫できる野菜です。種から育てても、収穫するまでの日数は2か月間位しかかかりません。果実の生長は著しく、1日で3cm以上も大きくなるため、採り遅れると巨大化してしまいます。 キュウリの外側の表面の白い粉のようなものは、ブルームといって乾燥や雨などからキュウリを守るために自然にできた物質です。最近のキュウリの品種は、このブルームがあまりない、艶々のキュウリが市場に多く出回っています。 キュウリの歴史は3000年ほど前と言われており、日本では1000年前から栽培されていたとされています。そんな歴史あるキュウリも、切り口が徳川家の葵の紋に似ていたことから江戸時代には大変不人気の野菜だったそうです。
ミニトマト
- トマトの原種は、大玉トマトではなくチェリートマト(ミニトマト)ということが植物学者たちの調査により分かっています。大玉トマトの方が突然変異として、チェリートマト(ミニトマト)よりも後に生まれました。アンデス高原に自生していたトマトの野生種は、いずれもチェリートマトの種類だったようです。 チェリートマト(ミニトマト)は原産地では多年草ですが、日本のような温帯で育てると一年草として栽培されます。 野生種のトマトは、メキシコから北米に伝わり、実際に栽培されるようになったのは19世紀に入ってからです。ヨーロッパへ伝わるには、コロンブスの新大陸発見が大きく影響し、ヨーロッパでトマトを食べるようになったのは、18世紀以降といわれています。 当初、トマトは観賞用として育てられ、食用とされることはありませんでした。というのも、新大陸からヨーロッパに伝わった時に、トマトの実がとても赤いために有毒植物と信じられていたからです。 日本に伝わったのは、17世紀の江戸時代ですが、同じように観賞用として伝わってきました。やはり「赤茄子」としての価値しか見出せず、しばらくの間観賞用としてのみ育てられていたそうです。 完熟の実にはほとんど含まれていませんが、じつはミニトマトやトマトの花・葉・茎などには、「トマチン」という有害物質が多く含まれています。そのため、ピーマンの葉は食すことはできますが、ニトマトやトマトの葉は食べることができません。 現在では、様々な品種が改良され、青臭さもなく、まるでフルーツのように甘いミニトマトもでき、人気の野菜の一つです。 ミニトマトは緑黄色野菜の1つで、クエン酸、リコピン、グルタミン酸など栄養も豊富。健康や美容に効果があることも人気の理由。サラダから、煮込み料理、ソースなど様々な料理に使えます。 ▼ミニトマトを使ったセミドライトマトの作り方はこちら 簡単!ミニトマトを使ったセミドライトマトのオイル漬け&4種のハーブクラッカー LOVEGREEN編集部のベランダで収穫したミニトマトを使って、セミドライトマトのオイル漬けと、4種のハーブ… 戸松敦子 2021.06.28 料理・レシピ
ナス(茄子)
- ナスの原産はインドです。日本には奈良時代に中国から伝わり、古くから日本人に親しまれた野菜のひとつです。ナスの形は、丸や卵、中長、長形など様々な品種が栽培されています。幅広く料理にも使えるので和洋中問わず、味を楽しむことができます。 みなさんがよくご存じの縁起の良い初夢の順番「一富士、二鷹、三茄子」ですが、江戸時代の初物のナスは1個がなんと1両。そのため庶民が正月に初物のナスを食べることは、夢のまた夢…叶わぬ夢でした。初夢にナスが登場すると縁起が良いとされるのもこのことからうかがえます。 現在のようにハウス栽培がない江戸時代で、冬に高温作物のナスを作るためには、油紙障子でハウスのようなものを作り、馬糞や麻屑(あさくず)などを踏み込んだ発酵材でエコに温度を上げるなどして、手間暇かけて栽培していたそうです。
イチゴ(苺)
- 甘くて美味しいフルーツとして人気のあるイチゴですが、じつは野菜の仲間です。「野菜とは草本性の植物」という意味で、イチゴはスイカやメロンと同様に苗を植えて一年で収穫することから一般的な野菜と同じ草本性として分類されています。 ハウス栽培が盛んで、夏の一時期を除いてほぼ一年中出回っていますが、春から初夏にかけてが本来のイチゴの旬です。 イチゴは、軸に近い部分より先端の方が糖度が高く、果肉の中心よりも表面の方が甘いとされています。ビタミンCや葉酸が多く含まれます。 イチゴの実と思って食べている部分は、花托(かたく)又は花床(かしょう)といって花の付け根の部分が発達して食用部となったものです。 イチゴの本当の実の部分はイチゴの「粒々(実)部分」です。ちなみに、イチゴを縦に切って、断面図を見てみるとこの粒々(実)部分に1本1本の筋が水分や栄養を送っているのが分かります。この粒々の中に種がありますので、種をまくときはこの粒々部分を土にまきます。 イチゴは、親株からランナーを伸ばし、子株、孫株と株を増やし、越冬して実を付ける多年草です。この親株から伸びたランナーの向きと反対方向にイチゴの花房が出るので、苗を購入して植え付けるときは、ランナーを北側に向けると花や実によく日が当たります。また、ランナーを通路側とは反対方向に向けて植え付けると、イチゴが収穫しやすいように工夫することができます。 イチゴの苗は、通常植え付けてから実がなるまで半年ほどの長い期間を必要とします。最近では、春と秋や、春、夏、秋の長い期間収穫できる二季なりや四季なり品種も流通しています。また、花色も白だけでなく、赤いミニバラのような花を楽しめる品種も出てきました。 現在食べられているイチゴは、近年の品種改良によるものですが、野生のイチゴは、はるか昔から世界的に食べられていました。 野イチゴの種類も豊富で、クサイチゴ、クマイチゴ、バライチゴ、モミジイチゴ、ナワシロイチゴなど。同じバラ科ですが、これらの野イチゴは全てキイチゴ属です。私たちが現在食べているイチゴは、オランダイチゴ属といいます。野生のイチゴとは違い、栽培された大粒のイチゴが江戸時代にオランダより持ち込まれました。
\次はハダニの駆除についてご紹介!/