シーアン(西安)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- シーアン(西安)
- 学名
Hydrangea Xi’an
- 英名
- Hydrangea
- 和名
- 西安
- 科名
- ユキノシタ科
- 属名
- アジサイ属
- 原産地
- 北アメリカ
シーアン(西安)の特徴
シーアン(西安)は、秋色アジサイと呼ばれるアジサイの一品種です。秋色アジサイとは品種名ではなく、通常のアジサイの開花時期である初夏に咲いた花が、気温の変化などによって、時間をかけてアンティークカラーの色あいに変化した状態のことを「秋色アジサイ」と言います。
最近は、新しく品種改良されてできたアジサイの中には、きれいな秋色に変化するように作られている品種も出てきました。シーアン(西安)の他、マジカル系など、年々色々な品種が作り出されています。
シーアン(西安)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 30~3m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | |
花色 | グリーン、ブルー、ピンク、紫、他 最初の花色から徐々に色が変化します。 |
開花時期 | 5~7月 |
シーアン(西安)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 |
シーアン(西安)の栽培環境
日当たり・置き場所
シーアン(西安))は花色が秋色になるまでの変化を楽しむアジサイなので、通常のアジサイより、強い日差しの当たらないような、日なた~半日陰くらいの場所に植え付けます。
用土
アジサイは基本的に性質が強い植物なので、地植えにするのに土にこだわななくても大丈夫です。また、アジサイはとても水を欲しがる植物なので、鉢に植える場合は保水性のある土に植えましょう。
シーアン(西安)の育て方のポイント
水やり
地植えのシーアン(西安))は、植え付け直後以外は、水やりは必要ありません。春~秋は土の表面が乾いたら鉢底からお水が流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。水切れや乾燥は枯れる原因になります。夏場など暑い時期は土の様子をみて乾燥していたら夕方にもお水をあげましょう。冬場のアジサイは、落葉して、枯れ木のような見た目になります。見た目は枯れ木でも、根は生きているので、水は必要です。夏場よりは水やりの回数は少なくなりますが、土の表面を見て乾いたらたっぷりとあげるようにします。
肥料
地植えのシーアン(西安)は、特別な肥料は必要ありません。
鉢植えのシーアン(西安)は、冬の寒肥は春からの成長と花付きをよくするために肥料を施します。花後の肥料は新芽の成長のために施しましょう。
病害虫
うどんこ病:植物の葉などに粉をまぶしたように白くなるのがうどんこ病です。うどんこ病は5月~6月と9月~10月に発生しやすい病気で、はじめはぽつぽつと白く粉をふいている感じに見えますが、悪化してくると葉の全面が真っ白になっていき、植物全体に蔓延すると茎や果実にも発生し、とても厄介です。早めに対策しましょう。
灰色かび病:ボトリチス病とも呼ばれ、梅雨時期に特に発生します。花弁に褐色の小さなシミ状の斑点ができたり、茎や葉に灰色のカビが生えます。気温が度前半で雨が続くと発生しやすくなります。日当たりや風通しをよくすることが大切です。
ハダニ:ハダニは気温が高いところや乾燥している場所に発生します。暖かい時期に発生しやすく植物の葉から栄養を吸収して弱らせます。また、弱った植物はハダニの被害に遭いやすく、被害も大きくなりやすいです。数が増えて被害が大きくなってくると、葉緑素の不足によって光合成ができなくなり、生長不良になったり、植物自体が枯れていきます。
アブラムシ:アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
シーアン(西安)の詳しい育て方
選び方
葉に艶があり、緑が綺麗なものを選びましょう。蕾から花の過程で色に変化があるので、開花している花色を確認してから購入すると良いでしょう。シーアン(西安)をはじめ、アンティークカラー系のアジサイは、買った時点で、色合いが変化している過程である可能性もあるので、翌年と違う花色になる可能性があります。
種まき
アジサイは、挿し木で増やしていく植物のため、種まきは行いません。
植え付け
シーアン(西安)を地植えにする場合は、落葉期の冬場に植え付けます。アジサイは地植えすると丈も幅も大きくなる植物です。伸びた時をイメージして、広いスペースに植え付けます。
剪定・切り戻し
シーアン(西安)は花色が秋色になるまで花を楽しむと剪定の時期が遅くなってしまいます。秋まで花を楽しんでから剪定すると、来年の花芽はすでにできているため、その花芽の上で剪定することになり、年々、花丈が高くなってしまいます。花丈を低めに維持したい場合は、通常のアジサイの剪定の時期である7月に剪定するか、もしくは咲いた花の半分を7月で剪定、残りを秋まで楽しむなど工夫をしていくことになります。
通常のアジサイの剪定方法
アジサイの花のつき方には法則的なことがあり、今年に伸びた枝には翌年には花がつかないという特徴があります。ではどこにつくのかというと、今年伸びた枝の下に位置する、昨年伸びた枝の付け根に花芽をつけます。そのため、今年伸びた枝に2年越しで花が咲くという流れになります。
アジサイは剪定しなければ咲かないかというと、そんなことはありません。剪定しなくても咲きますし、むしろ、咲かない理由の一番は、切りすぎて花芽まで切ってしまったというのが一番多い原因ではないかと思います。
ただし、性質が強健で、剪定せずに伸ばしていくと、どんどん背丈が高くなります。また、花のつき方の特徴として、茎の先に花がつくので、剪定をしないで伸ばしていくと、花の位置が目線より高いところになってしまうという事態になります。
そのため地植えの場合でも、「きれいだな」と思うところに花の位置が来るように剪定していくことが多いです。
鉢植えの場合は、もともと限られた土の中で生きているので、次の花のために養分を回すためにも、花が終わったら、早めに剪定していきます。
アジサイの剪定の時期
花が終わった7月の半ばくらいまでには剪定を済ませるようにします。アジサイは終った花が「散る」ということがない特徴があります。自然に散ることがないので、花を取り去る作業が必要です。特に鉢植えのあじさいは、少ない土の中で生きているので、終わった花をいつまでもつけておくより、早めに切って株をすっきりと風通しよくした方が、次の花にエネルギーがいきやすくなります。
アジサイの剪定方法・通常
1.花が終わったら、花から2節下の脇芽が出ている上でカットします。時期的には7月半ばまでには剪定します。まだ花が終っていなくても、切った花は切り花として楽しむ感覚で、剪定の時期は守ったほうが翌年の花のためになります。花が咲かない枝は、切らずに残します。
脇芽が茎になっていきますが、この切った節のもうひと節下の葉の付け根から秋以降に花芽ができます。
2.11月~3月の期間に花芽より上の部分を再度切るとベストですが、花芽がわからないようだったら1の作業だけでも大丈夫です。その他、枯れた枝や細い枝などがあるようなら、切り落とします。
アジサイの剪定方法・強剪定(小さくしたい方向け)
地植えで通常の剪定をし続けていると、あっという間に丈が高くなります。アジサイの花のつく位置は、茎の先(てっぺん)に花がつくので、アジサイの花がきれいに見える位置は、目線より少し低いくらいの位置に花があったほうがきれいです。そのため、数年に一回、強剪定をして、低めの株に維持する剪定方法があります。そのことを強剪定と言います。強剪定の場合は、株全体を半分、もしくは三分の一くらいの丈で全体的に切り戻します。ただし、強剪定をした年の翌年は、花が咲かない可能性が高いので、最低でも3年はあけたほうがよいでしょう。毎年行う剪定方法ではありません。アジサイを小さくしたい方は翌年花が咲かないことを覚悟で、強剪定をしてみましょう。
植え替え・鉢替え
鉢植えのシーアン(西安)は、数年に一度、剪定後に今の鉢より一回り大きな鉢に植え替えましょう。アジサイを地植えにする場合は、植え替えをする植物ではないので、植える場所をよく考えてから植え付けましょう。
花
シーアン(西安)は5~7月にかけて開花します。シーアン(西安)はその花をそのまま秋まで咲かせていくと秋色系の美しいシックな色に変化していきます。
アジサイは土のPHによってもかなり咲く花の色が違います。特にシーアン(西安)は、購入した時にアンティークカラー(秋色)になった状態だったものは、翌年に咲いた花色がまったく違う場合があります。
夏越し
シーアン(西安)は、大変に水をほしがる植物です。水切れを起こさないように注意しましょう。猛暑日の場合は、朝の水やりの他、乾いているようなら、夕方もたっぷりと水をあげましょう。
冬越し
シーアン(西安)は、落葉するので、冬場は枯れ木のような状態になります。地植えのシーアン(西安)は、冬越しに対してする作業はありませんが、鉢植えのシーアン(西安)は、冬場も水やりを忘れないようにしましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
アジサイを剪定した時に出た、剪定枝を使って挿し木をするのがおすすめです。
挿し木に適した用土
用土は、水はけが良く、清潔で肥料分が無いものがおすすめです。肥料分があると、挿した枝が発根するまでに腐ってしまうことがあります。挿し木の用土には、赤玉土、鹿沼土、川砂、パーライト、バーミキュライトなどが適しています。粒のサイズがいろいろある場合は小粒がおすすめです。用土は混ぜないで単用で使用できるので、新しい用土を袋から出してそのまま使えます。枝を挿す前に、水をたっぷりかけておきます。
挿し穂の作り方
健康に育ち、勢いのある株から挿し穂をとります。今年花が咲かなかった枝、花が咲いた枝、どちらでも使えます。
挿し木のやり方
カットした枝を15~20cmほど切り取ります。葉は半分くらいカットします。下葉を取ってから切り口を洗い、その後、数時間、水上げしてから新しい土に挿します。挿し木直後の3日間ほどは毎日お水をあげます。それ以降はいつまでも水が多いと発根する前に挿し穂が腐ってしまう場合があるので、土が乾いてきた様子を見てあげましょう。置く場所と水の管理が一番大切です。肥料は絶対にあげません。根が出るまで心配ですが、引っ張って抜いてしまったりせずにちょっと我慢して様子を見守りましょう。挿し木がうまくいくと、1カ月くらいで発根します。それ以降は普通の肥料入り培養土に植え替えることができます。