マンションで実践!人気の着生ランを育てる工夫
土屋 悟
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マンション、アパートなどの集合住宅では限られたスペースしかありませんが、それでも工夫次第で着生ランを育てることができます。
どんな場所で、どんな育て方をすればよいのか、我が家の着生ランを例にご紹介します。
目次
我が家で育てている着生ランについて
最近、着生植物が以前よりもポピュラーになってきていて、鉢に植えた植物を育てるだけでなく、板などに着生させた植物を育てている人も増えてきているような印象があります。
着生植物の中でも、ファレノプシス(コチョウラン)などをはじめとするランは、色とりどりの大きな花を咲かせるものもあり、私も好きでいくつか育てています。
我が家はマンションの2階で、ベランダや室内で育てているほか、栽培ケースなども使っています。
ファレノプシスなど、あまり低温が好きではない種類は、初夏から秋まではベランダ、冬から春は室内や栽培ケースに取り込んでいます。
我が家のベランダの環境
・東京都江東区
・周辺には運河がたくさんあり、冬は東京都千代田区にある気象庁での観測で観測される、天気予報の『東京』の気温よりは最低最高気温ともに1〜2℃高いことがある。
・夏も、夜温が1〜2℃低いことがある。
・東向きのベランダは、よその建物の影響で、一番日当たりがよい場所でも朝の9〜11時くらいしか直射日光がささない。多くの多肉植物は徒長してしまうけれど、ハオルチアは徒長せずに育っている程度の日照。
我が家はサボテンなどはきれいな形に育たないけれど、ハオルチアなら水を適切に絞れば徒長させずに育てられる程度の日照しかありません。
しかし、ハオルシアは冬は室内に取り込まなくても、何年も冬越しできています。直射日光はささなくても、マンションの前が川なので、上空が開けており、終日そこそこの明るさはあります。
我が家はこんな環境で、いくつか着生ランを育てています。
デンドロビウム・キンギアナム シルコッキー
デンドロビウム・キンギアナム シルコッキー(Dendrobium kingianum var. silcockii)は寒さにも強いので通年、屋外で育てています。白〜ピンクの小さな花がかわいらしいランですが、バルブが垂れ下がってつき、花が下垂して咲いている株姿もよいところです。
ベランダで育てる着生ラン
我が家のベランダで、着生植物を置いているのは上のような場所。置くというよりは着生させているものは、2×4材で作った棚に吊って育てています。
水やりはジョウロや電動スプレーで直接水をかけることもあれば、水ゴケが乾ききったものはバケツにためた水に浸けることもあります。矢印が指している板は、キッチンの換気扇の排気口から出る風が、直接植物に当たらないようにするための風よけです。
ちなみに、この場所でジャブジャブ水をかけるとお隣のベランダに水が流れて行ってしまいます。そうならないように、棚の下にはトロ舟(緑色のケース)を設置しています。トロ舟はセメントなどを混ぜ合わせるための容器ですが、ここで水を受けます。
トロ舟の底には穴をあけて排水パイプをつなぎ、排水口に直接水が流れていくようにしています。
ベランダの日当たり
日当たりが悪いとはいえ、晴天だと10万ルクスくらいの明るさにはなります。しかし、太陽が動いて建物の陰に隠れると1万ルクスに落ちてしまいます。曇りや雨の日だと、さらに光は少なくなります。
日に当てられるときは、葉焼けしない限り日に当てたいので、遮光はしていません。ファレノプシスはあまり強い光に当てると葉焼けをしてしまうので、一般に1万〜4万ルクスの光で育てるのがよいといわれています。夏の午後など気温が高いときに、長時間直射日光に当たると葉焼けをしてしまうのだと思いますが、気温が上がりきらない午前中に2時間しか日が当たらない我が家の環境では、葉焼けをしないで育っています。
もちろん、冬に室内に取り込んでいた株を、初夏に外に出すときはすぐに直射日光に当てると葉焼けしてしまいます。そういうときはまず、直射日光が当たらないところに吊って、より明るい場所に少しずつ移動させ、徐々に光に慣らすようにしています。
\冬場の着生ランの育て方は?/
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