ストック|スイーツのような花色が魅力!冬から春まで楽しめる草花
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ストックは冬から春まで咲く開花期間の長い花。優しい花色と芳香が魅力で、苗でも切り花でも流通しています。そんなストックの特徴と魅力、育て方、楽しみ方を紹介します。
目次
ストックの特徴と魅力

ストックは、アブラナ科アラセイトウ属の園芸品種の総称。ヨーロッパ南部原産で、日本では夏越しが難しいため一年草として扱われていますが、原産地では二年草あるいは短命の多年草として生育します。
ストックは、冬から春にかけて、すっとした茎の先に色とりどりの砂糖菓子のような花を咲かせます。花には芳香がありますが、風に乗って周囲に漂うほど強くはなく、顔を近づけると確認できるようなほのかな香りです。1本の花茎を伸ばして花を咲かせる品種と、枝分かれしてたくさんの花を咲かせるスプレー咲きの品種があります。咲き方は一重咲きと八重咲きがあり、色は白、淡いピンク、濃いピンク、紫、赤紫、淡い紫、アプリコット、黄色など豊富です。最近は花びらにボリュームのある八重咲き品種が主流ですが、野花のような趣の一重咲きのかわいらしさも捨てがたいものがあります。
ストックは、冬から春まで花を咲かせる一年草です。元は早春から春まで咲く花でしたが、品種改良のおかげで長く楽しめるようになりました。パンジー、ビオラと並んで、冬の花壇に欠かせない存在です。
ストックの名前の由来
ストックという名前の由来は、多年草として育ったものの基部が木質化して株になることから、「株」という意味の「Stock(ストック)」が英名になり、それがそのまま日本名として定着したことによります。
ストックの八重咲きを増やす仕組み
ふわふわとした花びらが美しい八重咲きのストックには、おしべやめしべがありません。なぜならば、しべ類すべてが花びらに変化しているから。八重咲きは、しべ類がないために種を作ることはできません。では、どうやって八重咲きを増やしているのでしょうか。
ストックには、一重咲きの種から50%の確率で八重咲きが出現するというおもしろい特徴があります。この特徴を利用して、一重咲きの種をまき、芽吹いたら八重咲きになるものを選別するという方法で増やされています。
見分け方は、発芽して本葉が出てきた頃の双葉のフォルムで見分けます。双葉が丸いものは一重、大きくて楕円形や先端にくぼみのある葉は八重咲きといわれています。あるいは、少し生長してから葉が大きく波打つものを八重咲きとして育てるそうです。いずれにせよ、種から育てて、一重咲きと八重咲きを見分けるには、経験を積む必要がありそうです。
花びらが多くボリュームのある八重咲きが人気ですが、一重咲きの野花のような素朴な雰囲気も捨てがたいかわいらしさがあります。また、一重咲きからは種が採れるため、翌年への楽しみにつながるというメリットもあります。
ストックの育て方

ストックの苗は、11月頃から園芸店やホームセンターの店頭に並びます。花色豊富で香りの良いストックを、花壇やコンテナで楽しみましょう。
場所や用土
ストックは、日当たりの良い場所と水はけの良い土壌を好みます。日が当たらないと花付きが悪くなるので、よく日が当たる場所を選んでください。冬から咲き始める花ですが、極端に寒い環境は苦手です。雪や霜の心配がある地域では、軒下に移動できるようにコンテナで管理をするようにしましょう。
水やり
ストックは乾燥気味を好み、過湿を嫌います。鉢植えは表土が乾いて白っぽくなったら、鉢底から流れ出てくるくらい、たっぷりと水やりします。地植えは基本的に降雨に任せ、何日も雨が降らずに乾燥が続いたような時は様子を見て水やりしてください。鉢植えも地植えも、夕方以降の水やりは根が凍結する心配があるため、午前中に済ませるようにしましょう。
肥料
植え付け時に元肥を施しましょう。開花中は週に1回のペースで希釈した液肥を施すと、長く花を楽しめます。
病害虫の被害と対処法
春になるとアブラムシやナメクジの被害にあうことがあります。どちらも株を弱らせてしまうため、見つけ次第薬剤を散布するか、駆除するようにしてください。
注意すること
ストックは直根性といって、細かい根が少なく、主根がしっかりとしている植物です。植え付け時に根を傷つけると地上部が弱ったり、枯れたりする心配があるため、根をいじらないように注意して扱ってください。
直根性について、注意点や取り扱い方など、こちらで詳しく紹介しています。
ストックを暮らしに取り入れよう

切り花として楽しむ
ストックは切り花の流通も多く、11月頃から生花店の店頭に並びます。切り花のストックは、1本の花茎を伸ばして花を咲かせる品種を「ストック」、枝分かれしてたくさんの花を咲かせるスプレー咲きの品種を「スプレーストック」という風に呼び分けされています。1本のストックは他の花と合わせて飾りやすく、スプレーストックはひとつでたくさんの花が咲くのでボリュームが出るという利点があります。選ぶときの参考にしてください。
ストックが流通する頃は気温が低く、花を長く楽しめる時期です。枯れた花は摘み取り、こまめに水替えをすると、花を長く楽しむことができます。また、余計な葉を取り除くことも大切なポイント。丁寧にお手入れをして、お部屋に花のある生活を長く楽しんでください。
寄せ植えにもおすすめ
数種類の花を1つのコンテナに植え付ける寄せ植えは、華やかな雰囲気を楽しめるのが魅力。花が少なくなる冬も寄せ植えを楽しみましょう。ストック以外にも、寒い季節に寄せ植えにして楽しめる花をご紹介します。
花言葉
ストックの花言葉は「愛の絆」「豊かな愛」です。ストックをあしらった花束やアレンジメントに花言葉を添えて、贈り物にしてみませんか。
ストックは、寒い季節から春まで長く楽しめる、花色の豊富さと芳香が魅力の花です。ストックを育てて、飾って、花のある暮らしを楽しみましょう。









































