冬から春の花壇や寄せ植えに!春まで長く咲くおすすめの花12選

金子三保子
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冬から春の花壇や寄せ植えにおすすめの花をご紹介します。冬のガーデニングに取り入れて庭の彩りにしてみませんか。
冬から春まで長く咲く!おすすめの花12選
- 1.パンジー・ビオラ
- 2.アリッサム
- 3.プリムラ
- 4.ガーデンシクラメン
- 5.宿根ネメシア
- 6.クリスマスローズ
- 7.ストック
- 8.ハボタン
- 9.ルピナス
- 10.カレンジュラ
- 11.番外編・球根の花
1.パンジー・ビオラ
パンジー・ビオラ
流通始まり10月~花の時期6月まで
パンジー・ビオラは花か咲いている期間がとても長く、適切な手入れをすれば次々と花が咲くので、冬から春のガーデニングに欠かせない花です。品種が豊富で、原色に近い黄色、鮮やかなオレンジ、ピンク、紫系濃淡、赤、白、黒等。単色の他、複色もあり、その数は数えきれず。毎年新品種が作りだされています。
ビオラとパンジーの違いは花のサイズで、ビオラの方がパンジーよりサイズが小さく3~4cmで、多花性のものが多いのが特徴です。パンジー・ビオラは本来は春の花ですが、年々流通し始める時期が早くなる傾向にあり、最近では10月ごろから見かけるようになりました。
パンジー・ビオラは、暑さや湿気は苦手なので、11月以降の気温が下がってきたころに購入した方が、春まで長持ちする傾向にあります。冬場のパンジー・ビオラは花数は少なめで一輪一輪が長持ちし、春になって本来の開花時期になると、たくさんの花が次から次へと咲き始めます。ひと苗で半年以上咲くというパフォーマンスの良さが魅力です。冬から春の花壇や寄せ植えにおすすめです。
左・パンジー 右・ビオラ
▼長くたくさんの花を楽しむためのコツをご紹介しています。
2.アリッサム
アリッサム
流通始まり10月後半から11月~
花の咲く時期11月~6月、夏を越せば9月~11月
スイートアリッサムは小花がたくさん咲き、こんもりと生い茂る姿が何ともかわいらしい草花です。本来の開花時期は春ですが、苗の流通は秋ごろから出回っています。
横に広がる性質を持つので、グランドカバーの他、寄せ植えや花壇の縁取りに植える花として人気があります。高温多湿には弱いですが、乾燥に強く丈夫であるため、園芸初心者には最適ともいえます。
アリッサムの花色はピンク、白、紫、オレンジと豊富に花色があるので花壇や寄せ植えの素材として重宝します。アリッサムは本来は多年草ですが、湿気に弱いため、日本では一年草扱いをされていることが多いですが、うまく環境にあえば多年草化することもあります。
秋の公園の花壇で見かけた地植えのアリッサム。
最近スーパーアリッサムというアリッサムより夏に強い品種も登場しています。
▼アリッサムの育て方
アリッサム(スイートアリッサム)
- アリッサムは地中海沿岸原産の多年草(一年草)です。「スイートアリッサム」の名前でも親しまれています。小花がたくさん咲き、花束のようにこんもりと生い茂る姿が何とも愛らしい植物です。 アリッサムは横に広がる性質を持つので、グランドカバーの他、寄せ植えの引き立て役や花壇に植える花として人気があります。高温多湿には弱い植物ですが、乾燥に強く丈夫であるため、園芸初心者には最適の草花です。また、比較的多く出回り、安価で手に入れやすく、生育が良いことも人気の理由の一つです。 アリッサムはカスミソウのように控えめで愛らしい花で、ピンク、白、紫、オレンジと様々な色があり、自分の好みや庭、プランターの雰囲気に合わせて選ぶことができます。最近では日本の夏にも耐えられる「スーパーアリッサム」という園芸種も出回っています。 アリッサムは本来は多年草ですが、湿気に弱いため、日本では一年草扱いをされていることが多いようです。うまく環境にあえば、多年草化することもあります。
3.プリムラ
プリムラ
流通始まり11月~花の咲く時期4月まで
プリムラ・ジュリアンは大きめでカラフルな花で、秋から苗が出回り始めます。プリムラは数百品種以上からなる非常に種類が多い草花です。毎年のように新品種が作り出されています。本来は多年草ですが、日本では一年草として扱われることも多い花です。寄せ植えや花壇の前側に使われます。
▼プリムラの育て方
プリムラジュリアン
- プリムラ属は500種以上からなる非常に種類の多い属です。 プリムラ・ジュリアンは、数多くのプリムラとの交配の中で作られた品種です。プリムラ・ポリアンサとよく一緒に説明されますが、もともとプリムラ・ジュリアンは、サカタのタネがプリムラ・ポリアンサとコーカサス地方原産のプリムラをもとに交配して1970年代にできたプリムラです。両者はほぼ同じですが、ジュリアンの系統の方が株や花、葉がコンパクトです。 最近では従来の花型のサクラソウに似た花の形の他に、バラ咲きのフリルが可愛い品種もあります。またもともと色数が豊富なプリムラ・ジュリアンでしたが、シックな色や微妙な色合いの種も登場して、ますますバリエーションが増えています。
4.ガーデンシクラメン
ガーデンシクラメン
流通始まり11月~花の咲く時期4月まで
ガーデンシクラメンは、室内で育てられているシクラメンを品種改良して、外で育てられるように作られた寒さに強いシクラメンの品種です。10月くらいから流通しています。
一般的なシクラメンより小さいサイズで、冬の屋外でも楽しむことができ、小ぶりなので冬の寄せ植えの素材として人気の花です。ガーデンシクラメンは本格的に寒くなってから植えると、根がはりにくくなってしまい、花つきが悪くなってしまうので、花壇には秋のうちに定植しておきましょう。
霜に当たっても枯れることはありませんが、-5℃を下回ると枯れてしまうので、寒冷地では注意しましょう。
▼ガーデンシクラメンの育て方
ガーデンシクラメン
- ガーデンシクラメンとは名前からもわかるように、シクラメンを品種改良した品種です。シクラメンは冬に室内で楽しむ鉢花の代表ですが、ガーデンシクラメンは、耐寒性があり寒い冬も屋外で楽しむことができます。寄せ植えなどに使う冬のガーデニング植物の定番としてよく用いられます。 寒さに弱いシクラメンのウィークポイントを克服するため、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強い系統を選抜し、冬に屋外でも育てられるように改良されたものがガーデンシクラメンです。冬から春にかけて次々に花を咲かせ、花の少ない時期のお庭を明るく盛り上げてくれます。花の色はシクラメンとほぼ変わらず赤や白、ピンク、紫などがあります。花形もバリエーションが豊富で、選ぶ楽しみが広がっています。
5.宿根ネメシア
宿根ネメシア
花の咲く時期:四季咲き
ネメシアは一年草と宿根草のネメシアがあります。宿根ネメシアは、寒さに強く3℃以上の気温があれば1年中開花する四季咲き性の性質があります。
苗は1年中流通していますが、春から初夏と秋から初冬が一番豊富に出回る季節です。一年草に比べて花色は少ないですが、開花期間が長いので寄せ植えには大活躍する草花です。
毎年、続々と新品種、新色が登場しています。宿根ネメシアは、霜に何度も当たると弱るので、花壇などに地植えにしたい方は10月までか春になってから植え付けるのがポイントです。
▼宿根ネメシアの育て方
6.クリスマスローズ
クリスマスローズ
流通始まり11月~
花の咲く時期:1月~4月(系統によって開花時期が異なります)
性質が強く、寒い冬から早春にかけて開花する人気の花、クリスマスローズ。毎年新品種が登場し、色や咲き方などがとても豊富でマニアも多い常緑多年草です。原産がヨーロッパなので寒さにもとても強い花です。
クリスマスローズという名前は、ヨーロッパのイギリスやドイツのような気象だと、クリスマスの頃に咲くことから名前がついていますが、実際にクリスマスの頃に咲く品種は、原種の「クリスマスローズ・ニゲル」などです。
その他、色々な系統がありますが、流通しているクリスマスローズのほとんどの開花時期は年明けとなります。流通としては、ニゲル種がクリスマス前の11月中旬以降くらいから開花苗が出回り始め、年明けに様々な品種が流通します。年内に開花し始めるニゲル種と春に開花するその他の系統のクリスマスローズをうまく組み合わせると、12月~春まで常にクリスマスローズが咲いているという植栽を作ることができます。
クリスマスローズ
▼クリスマスローズの育て方
クリスマスローズ
- クリスマスローズは、クレマチス、ラナンキュラス、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物です。クリスマスローズは、冬の花が少ない時期に花を咲かせる常緑の植物です。 日本ではヘレボルス属を全てひとくくりにクリスマスローズと呼びますが、本来のクリスマスローズはクリスマスの頃に開花する「ヘレボルス・ニゲル」を指す名前です。 他には咲き方や色が豊富な「ヘレボルス・オリエンタリス」や、グリーンの特徴的な花の形状が面白い「ヘレボルス・フェチダス」等、たくさんの種類があります。 クリスマスローズにはグリーンの葉を低く繁らせた中から茎を長く伸ばす有茎種と、茎の低い無茎種があります。 クリスマスローズ・ニゲル
7.ストック
ストック
流通始まり11月~花の咲く時期:5月まで
ストックは草丈が20cm-80cmで、ほんのりと香りがする春の花です。花の日持ちがよく、香りも同じように長く続きます。多年草なのですが日本では一年草として扱われています。花の色は赤、白、ピンク、紫、クリームイエローがあります。
すっとした直線的な花茎に穂状にたくさんの花が咲くので豪華な雰囲気です。ストックの本来の開花期は3月~5月ですが、出回りは11月頃から流通し始め、冬から春の公園花壇などの公共空間の植栽にもパンジー、ビオラと一緒に使われることが多い草花です。
▼ストックの育て方
8.ハボタン
ハボタン
観賞期:11月~3月
キャベツのような見ためで寒さに強く、花が少ない冬やお正月の装飾や冬の花壇の素材として使われてきたハボタン。最近は、新品種が次々に作り出され、従来のイメージを覆すような品種も多種類あります。
丈の低い品種、高性種、ツリー風、矮性・・・など、色々な咲き方、葉の色や切れ込みが美しい品種もあり、冬の花壇や寄せ植えのカラーリーフとしても使える素材です。最近は切り花の葉もの素材としても多品種が出回っています。
葉っぱとしての観賞期は3月くらいまでですが、その後、株元から花茎が立ち上がり、4月頃花が開花します。スペースに余裕のある方は、そのまま抜かずに花を楽しんではいかがでしょうか。
▼ハボタンの育て方
ハボタン(葉牡丹)
- ハボタン(葉牡丹)は冬の殺風景な景色を彩るアブラナ科の植物です。ヨーロッパから輸入された当時のハボタン(葉牡丹)は食用として出回っていましたが、現在では観賞用として栽培されるのが一般的です。見た目、形はキャベツを連想させる造りになっています。キャベツからハボタン(葉牡丹)へ品種改良された為、この様な形になっていると言われています。ハボタン(葉牡丹)の葉は円形状で幾重にも重なっていて、ふちをギザギザや丸でかたどっています。色は外側が緑、内側が白もしくは紫で構成されています。牡丹のようにも見えることから「葉牡丹」と名付けられました。ハボタン(葉牡丹)の茎は種類によっては100㎝を超すものまであります。
9.ルピナス
ルピナス・ピクシーデライト
流通始まり12月~花の咲く時期:5月(地域による)
マメ科らしい花と葉がかわいいルピナス。春から初夏にかけて、ブルー、ピンク、白の穂状の花穂を立ち上げ、下から上に順に咲き進みます。花にはほんのりと優しい香りがするものも。本来は多年草ですが、日本のような暑さを嫌うため、一年草として扱われることが多いようです。
高性から矮性まであるので、庭や花壇、寄せ植えなどに幅広く利用できます。花がらをこまめに摘み取ると、次から次へと花が開花し、花は切り花としても楽しむことができます。
ルピナス
- ルピナスは秋に種をまき、翌年または翌々年の春に花を楽しむ一、二年草です。ルピナスの花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、青、紫、白など様々。冷涼で乾燥した気候を好むので、蒸し暑い日本ではほんとんどが一年草になりますが、原産地など気候があう場所では多年草とされています。日本でも冷涼な北海道ではルピナスの群生が観光名所となっているも場所もあります。 品種によっては1m以上に育つこともあり、空に向かって長く伸ばした花茎に鈴なりの花をつけます。ルピナスは、藤(ふじ)に似た花が上向きに咲くことから、「ノボリフジ(登り藤)」「サカサフジ(逆さ藤)」の別名もあります。また、葉の形がうちわに似ているので「ハウチワマメ(葉団扇豆)」と呼ばれることも。ルピナスはマメ科の植物なので、花の後は枝豆によく似たサヤが育ちます。同じくマメ科の植物特有の根粒菌を根に付着させているので土壌が肥沃になります。
10.カレンジュラ
流通始まり11月~花の咲く時期:5月まで
花びらがキラキラと艶のある黄色やオレンジ色の草花、カレンジュラ。性質が強いので育てやすく、開花期間も長いので、冬から春の花壇や寄せ植えに使われています。秋ごろから出回り始める春の一年草です。
カレンジュラ・冬知らず
「冬知らず」と言う品種名のカレンジュラは、小輪で冬でもたくさんの花を咲かせる品種です。
品種も豊富にあって、最近は写真のようなシックな花色のカレンジュラもあります。
▼カレンジュラの育て方
番外編・球根苗
春の球根の植え付けは終りましたか?球根の植え付けは、年内までならギリギリ間に合います。
初めて球根の花を育てる方は、ポット苗に球根を植え付けた開花株が12月ごろから出回り始めるのでポット苗で購入して育ててみるのはいかがでしょうか。春の球根花の中で、開花期間が長くて春までゆっくりと楽しめる球根の花をご紹介します。
11.ラナンキュラス
切り花でも人気のラナンキュラス。苗でもたくさんの種類のラナンキュラスが12月~3月くらいまで出回ります。
ポット苗のサイズなら、もしかしたら生花よりお得に買えることもあります。1苗で複数の花がつくので、つぼみがたくさんあがっている苗なら、ある程度長い期間楽しめます。苗選びでひとつ注意した方がいいことは、花びらがたくさんあるタイプのラナンキュラスは、つぼみの時と開花した時の花の色がかなり違います。一輪咲いている状態の苗で花色を確認すると確実です。
色合いにこだわった寄せ植えの素材として使いたい時は意識してみてください。
つぼみの時のラナンキュラス
開き始めると、こんな発色のよいピンクになりました。
▼ラナンキュラスの育て方
ラナンキュラス
- ラナンキュラスは早春から春にかけて開花の多年草の球根植物です。秋に球根を植えて開花時期は3月~4月、夏の高温期は休眠します。 ラナンキュラスの学名の由来は、葉っぱが「カエルの足」に似ていること、またラナンキュラス属の多くが湿地帯を好むことから、ラテン語の「rana (カエル)」 が語源となっていると言われています。ただし園芸用として流通しているラナンキュラス(Ranunculus asiaticus)は加湿を苦手とします。バターカップ(Buttercup)という英名は、原種のラナンキュラスが花びらが5枚の黄色い花を咲かせることに由来します。 最近のラナンキュラスは品種改良が進み、咲き方、色数がとても豊富。薄紙のように繊細な花びらが幾重にも重なった花が、光と温度に反応して開く姿がとても魅力的です。毎年新品種が作り出されるほど人気のある花です。
12.アネモネ
ラナンキュラス同様、アネモネも球根花の中では花期が長く、流通は12月~3月くらいまで苗が出回っています。アネモネは以前は限られた色でしたが、最近、品種の改良が進み、毎年のように新しい色合いのアネモネが作り出されています。
アネモネ・ポルト
八重咲のアネモネ・リリカ
▼アネモネの育て方
アネモネ
- アネモネは分枝性の塊茎をもち、草丈25~40cmになるキンポウゲ科の多年草で、直立して直径10cm前後の花を咲かせます。アネモネの花びらに見える部分は、がく片です。 和名はボタンイチゲ(牡丹一華)やハナイチゲ(花一華)といいます。 アネモネはまだ花の少ない2月下旬ごろから5月頃までと開花期が長く、赤、白、ピンク、紫や青など豊富な花色や一重だけでなく半八重や八重など花形の異なる多くの品種があり、切り花や花壇で広く栽培されています。性質は日当たりを好み、寒さに当てないとつぼみができない性質があるのでの冬も屋外で育てましょう。 アネモネの品種は、100品種以上あり、毎年のように新しい品種ができています。以前は、発色のよい色が中心でしたが、最近はパステル系の複色系の品種もあり、花のサイズも大輪のものから小輪のものまで豊富に揃います。園芸用以外に、切り花としても春を代表する球根花です。
本来なら春に開花する春の花の流通は冬の間です。12月近くになると本格的に春の苗の種類が多くなってきます。
真冬の間は花が少なくなるものもありますが、早めに植えて時間をかけてしっかりと根付かせると、春にたくさんの花が楽しめます。これから寒い冬に突入しますが、春の花盛りの風景をイメージしながら少しずつ春の花を探すのも楽しい時間ですね。
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