寄せ植えした草花の寒い季節の育て方のポイント!
金子三保子
このライターの記事一覧
4月~5月に咲き誇る春の草花を、すでに植えこんだ方も大勢いらっしゃると思います。寒い時期に植えこんだ草花について不安に思うことの筆頭は「次の花が咲かない。」ということではないでしょうか。
今回は、春が旬の草花の冬の生長の様子と気温が低い時期の育て方のポイントをご紹介します。
目次
寒い時期は生長がゆっくりです!
市場に入荷してきた春の草花は、暖かいビニールハウスで春のような気温で育てて、一番花が開花したものが出荷されてきます。
そのため私たちが苗を購入後、庭やベランダで苗を育てると、もともと花が自然に咲く時期の気温ではないため、冬場の気温の低い間は花が少なくなったり、開花している花がない状態になります。
でも、葉っぱが元気で株がしっかりとしていれば大丈夫です!
また、花苗は植え付け直後は、根付くためと次の花芽をつけることの方にエネルギーを費やすので、花が休むことがあります。冬は地面から上の葉や花の動きは地味ですが、地面から下の根は春に向けてたくさんの花を咲かせるために、じっくりと根をはる活動をひそかに行っている時期です。
そのため、花数が少ないのはとても自然なことなのです。冬場に適切な育て方をしていれば、気温が緩みだしてくると一気にたくさんの花が開花し始めます。
いくつか花が開花している状態で購入したビオラ。しばらくすると、花がまったく咲いていない状態になりました。パンジーやビオラを植えこんでしばらくすると、この状態になることが多いですが、上記の理由からなので、葉っぱが元気なら問題ありません。しばらくするとたくさんのつぼみが押しあがって来ていることを確認できるようになります。
それでは実際に1月後半に植えた草花が春になるとどうなるのかをご紹介します。
ラナンキュラス
1月に定植したばかりのラナンキュラス
2週間後の2月半ば
一見ほとんど変化がありません。買ったときに咲いていた3輪がいまだに元気で花の頭が少し大きくなってきた程度。寒い時期は、一輪一輪がとても長持ちします。
花のサイズは大きくなってきましたが、昼間でも花が開きません。
(ラナンキュラスはお日様に反応する花なので、昼間は開き、夜は閉じる性質があります)
でもよく見ると・・・
最初の時点より2週間でたくさんのつぼみができていることがわかります。このつぼみ(*印)が咲くのは、おそらく1か月後・・・でしょうか?
ひとつ予想外だったのが色です。
シックなピンクだと思っていたら(1月)
こんなラブリーなピンクになって、びっくり!ラナンキュラスは、つぼみの時の色と開花した時の色合いがまったく違う種類もあります。苗選びはじっくりと見極めましょう。
アネモネ・ポルト
1月後半
一番花が咲いたポット苗。花壇に植えました。
2月半ば
一番花は終わったので、根元で茎をカット。今は開花している花はない状態です。でもよく見ると、地際につぼみが!
アネモネ・八重咲き
1月後半
花壇に植えこんだ八重咲きのアネモネ
2月半ば
一見ほとんど様子が変わりません。植えた時の一番花がまだ元気です。気温が低い時期は、花は少なくなりますが、ひとつひとつがとても長持ちなのがよいところです。
次のつぼみ発見。新しい葉っぱも順調に出ているので元気な証拠です。
ネモフィラ
1月後半のネモフィラ・ペニーブラック
2月半ば
買ったときに咲いていた花は終わり、ただいま開花している花数は少ない沈黙の時期。
ルピナス(矮性)
一番花がついた状態で買ったルピナス・ピクシイデライト
2週間後
こちらも花がなくなりました。でもよく見ると、株もとにつぼみがあります。どの草花も定植後、根付くまでしばらくの間は、必ず花が少なくなる時期があります。葉っぱが元気で株自体がしっかりとしているなら大丈夫です!
冬場の管理で気を付けたい4つのポイント
1.水やりは午前中に!
気温が低い時期の水やりは必ず午前中にしましょう。
午後になって水をやると、土が乾くまでに日没を迎え、そのまま土が凍ってしまい根が氷漬けになってしまいます。また、特にラナンキュラスのような花びらが多い花は、花に水がかからないように水やりをしてください。花びらの中に水が入りこんでしまうと、花が腐ってしまって開かないことがあります。
水やりは乾いたらたっぷりと!
「乾いたらたっぷりと」って、園芸本でよく見かける言葉ですよね。では、乾いたらたっぷりとって、どんな感じ?って方も多いのではないでしょうか。水は足らなくても、やりすぎでも苗が弱ります。水やりのコツをつかむと、園芸レベルが上がります。
乾いたら・・・
最初に植えこんで水やりをした時の土の表面をよーく見ておいてください。使う土の種類によりますが、黒だったり、茶色だったりと、ダーク系の色のはずです。
それが乾いてくると、元の色より白っぽくなります。この状態が「乾いたら」です。
たっぷりと・・・
株にと言うよりは、土の表面に優しく何回かに分けて水をあげると、しばらくすると鉢底から水がこぼれてきます。この状態が土に水がたっぷりと浸透したサインです
暖かくなると毎朝で大丈夫ですが、冬の水やりは特に上記を意識してみてください。土に注目していると、水をやるタイミングがわかるようになります。
2.混みあっている葉っぱを整理
風通しをよくするため、葉っぱが混みあいすぎていたら、カットします。黄色い葉っぱがあったら優先的に取り去ります。葉っぱが元気なことはよいことですが、葉っぱと葉っぱが触れ合っていると、蒸れたり病気の原因になりやすいので、大切な作業です。
3.霜が降りる時期の地植えはやめましょう
霜が降りる季節以降の地植えは、植えたとたんに根が霜でやられてしまいます。霜が降りる前に定植するか、霜が降りなくなってからにしましょう。
4.花がらは必ず摘み取る
花がらとは終わった花のこと。写真の手前のビオラのように花びらがシワシワになって、くるんとカールしてきたら終わりの合図です。
花がらをそのままにしておくと、植物としては花を咲かすことより次の世代を残すことが重要ミッションのため、種をつけることにエネルギーが回ります。それを避けるため、花がらをどんどん摘んで、次の花を咲かせていきます。
冬場は生長がゆっくりなことがおわかりいただけましたでしょうか。寒い時期は、花が少なくてさみしい反面、ひとつひとつの花が長持ちする時期でもあります。
この時期を大切に育てて、元気な苗で春にたくさんの花が咲く株に育ててくださいね。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「寄せ植えした草花の寒い季節の育て方のポイント!」の記事をみんなにも教えてあげよう♪