わらび餅の原料・歴史のある山菜ワラビ

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大曽根百代

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歴史のある山菜

山菜そばや、山菜おこわなどに必ず入っており私たちの身近な山菜、ワラビ。そのワラビですが源氏物語や万葉集にも登場し、その時代から親しまれている山菜です。

さらに茎葉部分だけでなく、根っこも利用されているのをご存知でしょうか?

根っこからデンプンを採取しワラビ粉を作ります。そのワラビ粉を使用し作られたのが、わらび餅です。

根っこからワラビ粉を採る技術はなんと縄文時代からあるそうです。

名前の由来は、いくつか諸説ありますが、ワラビの新芽の部分が子供(童)が拳を握った形に見えることから、童と呼ばれそれが訛ってワラビとなったようです。

 

ほとんどのわらび餅はワラビ粉100%ではない?!

皆さんご存知のわらび餅の原料が、ワラビの根っこであることは冒頭でもご説明しましたが実はほとんどのわらび餅にはわらび粉が使用されておりません。

理由は、わらび粉を作る作業がかなり手間暇のかかる作業であり、貴重な原材料だからです。

冬に根っこを掘り起こし、たたいて洗って乾燥させたりして作られるのですが、全て寒さの厳しい時期に作業が行われ、洗いの作業も冷水で何度も洗ったりと忍耐のいる作業を経て作られています。

そうしてわらび粉になるまで半月を要します。

さらにワラビの根っこ10㎏で作れるのはわずか70gほど。100gで1000円以上するのも納得ですね。

 

なのでスーパーなどに並んでいる手軽なお値段で購入できるわらび餅は、わらび粉は使用されていません。

さらに色も透明ではなく黒っぽい色をしています。

本わらび粉使用とわざわざ記載しているわらび餅は、このような理由があるからなんですね。

もしそのような商品を口にする機会があれば、原料はワラビで手間のかかる作業を経て作られたものであることというのを思いながら食べてみて下さい。

 

旬の時期

ワラビは日本全国で取ることができ、九州では3月中旬~、本州は4月頃、東北地方は6月初旬頃です。

採取が難しい場合は栽培されているものもあり、主に東北地方で栽培されています。

出回る時期は2月中旬~6月頃です。

 

食べる際は必ずあく抜きを

山菜として食べる時は必ずあく抜きが必要となります。重曹を使い一晩漬かせなければならないなど多少面倒なあく抜きですが、もっと簡単な方法があります。

小麦粉を使用すると一晩漬ける必要がなく短時間で出来ますよ。試してみて下さい。

 

あく抜き方法

ワラビ100g~200g

①水 1ℓ

②小麦粉 大さじ4

③塩 小さじ2

水1ℓに、②、③を加えよく混ぜたら沸騰させる。

沸騰したらワラビを入れ湧きあがったら弱火にし3分煮込む。

煮込んだら10分ほど流水にさらし、できあがり。

 

舌がビリビリしたり、苦みや渋みを感じなければアクは十分抜けています。

アクを感じるようであれば水にさらす時間を長くするなどしてください。

 

アク抜き後はあまり長く保存できない為、小分けにして冷凍するのもおすすめです。

炊き込みご飯やおひたし、お味噌汁の具として使うことができますよ。

 

いかがでしたか?わらび餅がワラビの根っこのデンプンから作られたのを、初めて知った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この時期でしか新鮮なワラビを食べることができないので、ぜひ春の味覚を食してみて下さい。

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大曽根百代

千葉大学園芸学部を卒業後、園芸店に勤め、販売だけなく植物をきちんと理解したいと思い、千葉大の苗生産部にて植物の生産業(花苗)に従事。その後、多肉植物の生産を経験。現在は多肉植物の販売サポートやバラの管理業務をしています。多肉だけでなく植物全般好きで、宿根草なども育てています。最近はマイクロ胡蝶蘭とバンダにも挑戦中。より植物の魅力を感じ、皆様にもその魅力と生産者情報を記事としてこれからも発信していきます。

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