1月15日は小正月。小豆粥を食べる十五日粥とは
小野寺葉月
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小正月ってご存知ですか?行事をおこなう地域もあれば、全く行わない地域もありますね。古くから小正月の風習を続けているところはどのようなことをしているのでしょうか。
小正月と小正月に食べる小豆粥(十五日粥)についてや小豆粥の作り方をご紹介します。
目次
小正月に食べる十五日粥ってなに?
小正月とは?
小正月とは、元日から1月7日をお正月(大正月)と言うのに対し、1月14日から1月16日まで、もしくは1月15日単日のことを小正月(こしょうがつ)と呼ぶようになりました。古くはこの日までを松の内としていたそうです。十五日粥とは、小正月に食べる小豆粥のことです。小正月の1月15日に、一年の邪気を払う目的で小豆の入ったお粥、小豆粥を食べる風習がありました。
松の内が明け、鏡開きが終わったあと、左義長(さぎちょう)という火を使った行事(どんと焼きなども同じ)を始める日の朝などに家族みんなで食べられていたそうです。今でも東北地方や北陸地方など、七草粥の代わりに小豆粥を食べる地方があります。そこではその日まで、小豆など赤い食べ物を禁忌としていた場合が多いようです。
左義長とは、1月14日の夜や15日の日中に、その年に飾った門松やしめ飾り、書初めなどを燃やす風習がありました。書初めなどは燃やした時に火が高く天にあがると字が上達する、などの言い伝えがあります。これは道祖神の火祭りと言われています。
▼小正月についてやお正月飾りの処分について
小豆はどんな植物?
アズキ (学名:Vigna angularis)マメ科ササゲ属
小豆は東アジア原産の一年草で、インドや中国から渡ってきたと考えられていましたが、日本原産の小豆も発見されています。縄文遺跡などからも発掘されているため、東アジア地方で同時多発的に小豆を栽培していた可能性もあります。アズキという名前の語源は諸説あります。漢字の小豆はもともと大豆と比較され「ショウズ」と読まれており、アズキは大和言葉です。和菓子業界では現在でも「ショウズ」と呼ばれている場合もあるそうです。
アズキの語源
①ほかの豆に比べると早く煮えるため、「アズ・アヅ」は早く煮えるという地方語から
②「ア」は赤い、「ズキ・ヅキ」は溶けることを意味しているため、ほかの豆より煮やすい
③赤粒木(アカツブキ)がなまってアズキ
④阿加阿都岐(アカアツキ)がなまってアズキ
などです。早く煮える、という区別を昔の人もしていたんですね。
栄養価の高い小豆
小豆には鉄分やビタミンB1、ポリフェノールなどが含まれています。鉄分が不足してしまうと酸欠状態になって、めまいや息切れなど、貧血状態になってしまいます。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるときに必要な働きをします。小豆粥はお正月の後、日常生活に戻るためにはぴったりのメニューなのかもしれませんね。
小豆の煮方
豆を乾物で買ってきて料理に使うこと、ありますか? 私自身はあまりないのですが、それはなんといっても下処理が面倒くさそうだから…。一晩水につけておくとか、そういう作業が苦手なのです。
小豆は水に浸さなくてよい!
小豆って水に浸さなくても煮れるんです。知ってましたか? 私は知りませんでした…。なんだそれならできるじゃないの…。
茹でこぼしが必要
渋抜きのため、鍋が沸騰したら2度ほど水を変えて、そのあと煮込みます。
小豆粥の作り方
材料
- 材料 (2~3人分)
- 小豆 1/4CUP(45㏄)
- お米 1/2CUP(90㏄)
- 小豆の煮汁+水(お粥を炊く分)3CUP(540㏄)
- 塩 ひとつまみ
- 小豆を煮る水 鍋になみなみ
作り方
- 大き目の鍋に小豆となみなみ水を入れ、沸騰させる。1~2分沸騰させたら小豆をざるに開けてゆで汁を捨てる
- もう一度鍋に水を入れ、再度沸騰させる。沸騰したらざるに開ける。煮汁は取っておく。
- 米をとぎ、土鍋に入れる。アズキと、分量通りのゆで汁に足りなかったら水を加え、塩も加えてから20分ほど浸水させる
- 中火で沸騰するまで蓋をせず、たまにかき混ぜながら様子を見る。
- 沸騰したら弱火にし、蓋をして10分炊く。
もっと簡単な小豆粥の作り方
市販の「ゆであずき」でもできます! その場合は3からスタートしてください。
赤いものを食べないお正月
小豆は古来、赤い色の食べ物として「ハレ」と「ケ」でいえば「ハレ」の日に好まれてきました。赤飯などはその代表ですよね。現在でも小豆粥の習慣が残っている地域では、正月期間は赤い色の食べ物を食べないとしているところもあるそうです。獣肉についても、赤を連想させるため食べないんだとか。
女正月・花正月
元日からのお正月期間を大正月、男正月とも言い、それに対応する形で女正月とも呼ばれていました。また、大正月中は何かとあわただしかった女衆たちが、正月のお祝いや来客などもひと段落し、実家に帰ったり一息つけるというような意味でも、そのような名前だったのだと言われています。また、餅花を飾ることから花正月とも呼ばれていたそうです。
お正月の締めくくりに、小豆粥で身体を整えてみませんか。
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