多肉植物のある暮らしの魅力を多くの人に伝えることが僕の使命。
LOVEGREEN編集部
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今回の「ボタニカルピープル」は、多肉植物の素敵なアレンジで人気を誇る『TOKIIRO』。多肉植物を始めたキッカケや多肉植物に対する想いなど、TOKIIROの近藤義展さんにお話を伺いました。TOKIIROの素敵な世界観が作られるまでに、どんなストーリーがあったのでしょうか。
プロフィール
■名前:近藤義展(よしのぶ)・近藤友美
■職業:TOKIIRO(トキイロ)、 グリーンスタイリスト、デザイナー
■出身地:新潟県
■活動拠点:千葉県
自己紹介をお願いします。
「TOKIIRO(トキイロ)」は近藤義展・近藤友美の二人で2009年に多肉植物に特化したアレンジを製作するユニットとして始めました。初めは手作り市やイベントなどの出店が多かったのですが、とある服のメーカーさんから店舗のグリーンをやってほしいとお願いされ、それがキッカケとなり色々な作家さんと繋がり、様々なイベントに出ながら今に至ります。
多肉植物を始めようと思ったキッカケを教えてください。
2008年6月に八ヶ岳倶楽部へ出かけたのがキッカケです。八ヶ岳倶楽部というのは、役者や司会者として活躍された柳生 博さんが山梨に生活拠点を移し、八ヶ岳で森を造り、雑木林の魅力を伝えているスポットです。柳生さんの息子の柳生真吾さんは園芸家です。真吾さんが八ヶ岳倶楽部と趣味の園芸の講師をやり始めていた頃、僕の親戚から「面白いから森もあるし、お店もきれいだから行ってきなさい」と勧められ、八ヶ岳倶楽部に行き、そこで目にしたのが“多肉のリース”。
それまでの僕らは、植物にまったく興味がなく、植物をすぐ枯らしてしまう夫婦でしたが、妻の友美が“多肉のリース”を見て「欲しい」と言ったんです。その時は価値もわからないし、育てられるわけがない。ましてや何百円でなく、その当時は高価なものでした。「じゃあこの多肉のリース、僕が作るよ」と友美に言って結局、多肉のリースは買わずに“多肉のリース”の載っている真吾さんの本だけ買って帰ってきました。
帰ってきた次の日も、たまたま時間があったのでホームセンターをまわり、材料を準備して多肉のリースを作ったら友美がすごく喜んでくれたんです。喜んでくれたことが、とても嬉しくていっぱい多肉植物の作品を作り始めました。
それから多肉の生育環境を考えて、裏庭をウッドデッキにしたり屋根をつけたりして整えました。やがて、裏庭が多肉植物でいっぱいになり、飾る場所もなくなり玄関に向かって進出していきました。玄関に多肉植物を置いていたら、近所や通りすがりの人に「どこで買ったの?」と聞かれ、「うちで作っているんです」と言ったら、オーダーされるようになり作品をつくるようになりました。
季色(TOKIIRO)の由来は?どういった意味があるのか教えてください。
多肉植物は季節によって色が変わるんです。冬は紅葉するし、それが春に向けて徐々にグラデーションになり色合いが戻っていって、また夏はふわっとした色合い、それでまた冬に向けて紅葉していく。花が春に咲いたり、秋に咲いたりと種類も色々あり、日本の気温に応じて四季折々の変化を感じられるのも魅力の一つ。多肉植物は温度とか日照時間などを感知して、季節を彩ってくれます。日々忙しくしていると、頭の中で色々なことを考える必要があると思います。仕事のことだったり、家族のことだったり、例えば雨が降りそうだから洗濯物しまわなきゃ…とか。
多肉と一緒に生活していると季節をゆっくり感じられるし、向き合っていると心が静かになり、集中できる。
ゆっくり季節を感じられるライフスタイルを提供したいと思って、「季色(ときいろ)」と名付けました。
多肉植物の魅力とは?
身近な人が笑顔になってくれるのが最大の魅力です。ご近所さんを経由して色んな人の笑顔が見れたり、季節の変化、長く多肉植物と付き合ってきたからこそわかる適応力からくる生命力。もちろん他の木々や植物もそうなんですが、それ以上に今の環境に適応する力が凄いということも魅力のひとつ。
人間って、結構環境によって色々言ったりしますよね。例えば、暑いとか寒いとか誰が悪いとか、もちろん多肉植物は言葉を発することはできないけれど、暗い場所でも光に向かって伸びていく。生きるためにみんな頑張る力を見せつけられる。その生命力には勉強させられることがたくさんあります。
多肉植物をはじめて育てる方におすすめの種類は?
気に入ったもの。目が合ってキュンとした子を選ぶことです。例えば、彼氏、彼女でもいいんだけど好きになった人のこと知りたくなりませんか?何が好きなんだろう、どこに行きたいんだろうとか。そんな風に、選んだ多肉植物がその原産地やどのような気候で育ってきて、どういうことしてあげたらいいのか調べて、気に入った多肉植物を大事に育ててあげてください。
著書「多肉植物生活のすすめ」では様々な寄せ植えやアレンジを紹介していますね。どれもひとつひとつテーマがありましたが、どんな風に考え、タイトルやテーマをつけているのですか?
僕は田舎育ちなんです。昔見た景色がテーマとしてありますね。器に絵を描くように植えるというのは、TOKIIROとしての手法。昔は「想い出箱庭師」とも言っていました。今は言っていませんが・・・(笑)自分が散歩したい道だったり、ちょっと先に広がる森への道だったり、想像して作ります。
日頃からたくさんの植物と触れ合っていると思いますが、思い出に残る植物とそのエピソードを教えてください。
真吾さんの「多肉のリース」に出会ったこと。僕の人生の転機、リースの本に出会わなければ今はないと思っています。あるイベントのときに、ふらっと真吾さんがやってきて褒められたことがありました。そうしたらTOKIIROの多肉植物を八ヶ岳倶楽部で販売しないかと言われたんです。憧れだった真吾さんが、そこから一気に身近な存在になったんです。
多肉植物を育ていて、うまくいかない、枯らしてしまう!そんな人へのアドバイスをお願いします。
多肉の気持ちになって考えてみてください。いろんな多肉があって、それぞれの多肉が違うので、興味をもって調べることが大事です。例えば、外に置いてください。室内では、人間が明るいと感じても、植物にとっては光が足りていないということもあります。日当たりと風通しのよい外で管理しましょう。
これから取り組んでいきたいことや夢などあれば教えてください。
夢とか野望はまったくないです。多肉に出会って、しばらくやってきて今思うことは多肉と生活することでみんなが笑顔になるといいなと思います。より多くの人に多肉植物のある暮らしの魅力を伝えることが僕の使命だと思っています。
最後に一言お願いします。
人類が現れる何億年も前から地球上には植物が光合成をし、酸素を地表に貯めてきました。人間は植物がないと生きていけないんです。人間は地球の支配者ではないと思うんですよね。自分たちの都合でアスファルトを敷いたり。僕らは人間だから全部否定はできないけれど、生きるためには植物が必要ということを常に頭に入れておきたいですね。みなさんが植物を手にする時も、自分が置きたい場所ではなく、この植物にとって生きていきたい場所は、どこなんだろうと変えられるような考えれるようになって欲しいです。
——-近藤さん、ありがとうございました。——–
植物と生活するときに、本当にこの植物にとって良い環境とは何だろうか、しっかり考えてあげることは、とても大事だなと思いました。多肉植物と生活すると、四季の変化や生長を楽しんだり、笑顔になれる空間にしてくれたり、多肉植物と長く付き合ってきたからこそ分かる魅力を教えていただきました。近藤さんの多肉植物に対する”あたたかい想い”も、とても素敵でした。
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