ザクロ(柘榴)でフレッシュジュースを作ろう。育て方や歴史もご紹介。
LOVEGREEN編集部
このライターの記事一覧
ザクロ(柘榴)というと、子どものころ通学路にはえていたザクロ(柘榴)がのことを思い出します。夏休みの終わりごろになるとその家の方が下さって、暑い中か会えり道に歩きながら一粒一粒食べながら帰りました。ザクロ(柘榴)の果実は見た目にもつやつや赤く宝石のようで、美しさにうっとりしながら大事に食べました。子どもながらに、ツヤツヤの赤い実の美しさに目が釘付けだったのを覚えています。
ザクロ(柘榴)のフレッシュジュースの作り方やザクロ(柘榴)の育て方、歴史をご紹介します。
目次
ザクロ(柘榴)ってどんな植物?
植物名 | ザクロ(石榴・柘榴・ざくろ) |
学名 | Punica granatum |
英名 | Pomegranate |
科名 | ミソハギ科 |
属名 |
ザクロ属 |
原産地 |
地中海沿岸~ヒマラヤ地方 |
夏の終わりごろから黄土色のような球形の実をつけ、それが熟してくると皮がパックリと裂けてくるのが特徴のザクロ(柘榴)の実は、ビタミンCやカリウムが含まれているため、健康や美容、二日酔いに効果がある!?ということで2000年ごろに果汁にエストロゲンが入っているとして美容に効果があるとされブームが起こりましたが、国民生活センターの分析によるとエストロゲンは検出されませんでした。ちなみに、同じ量を食べる場合は、柿のほうがビタミンC、カリウムともに含有量が多いようです。
ザクロ(柘榴)の魅力は、わたしはその見た目の美しさと、ひとつひとつ食べるしかない食べづらさにあるんじゃないかなあと思います。日に透かすと本当に宝石のような輝きになるザクロ(柘榴)は、成分を考えて食べるよりも、貴重な宝石を食べている方がいいような気がします。
ザクロ(柘榴)の歴史
ザクロ(柘榴)の語源
中国から伝来してきた「石榴」、「安石榴」を日本語で「ザクロ(柘榴)」と呼ぶようになったのは、中国語表記で記載したものを音読みしたと言われています。日本で全損する最古の「本草和名」にも、『安石榴 別名 塗林・若榴 和名 佐久呂』との記載があります。原産地は確定しておらず、トルコとも北ヒマラヤ山脈あたりの西南アジアや、南ヨーロッパ、北アフリカなどの説があります。また、原産地候補の一つである、イラン高原の南西の山脈、「ザクロス山脈」から、音が似ている石榴の字をあてて、音読みしたという説があります。
園芸植物としてのザクロ(柘榴)
平安時代にはすでに中国から日本へ伝わって入ってきており、鎌倉時代には一部地域で栽培が開始されていたようです。また、園芸が盛り上がりを見せた江戸時代には、観賞用の花石榴(ヒメザクロや八重咲のもの)が人気となり、庭木だけでなく盆栽として現代でも古典園芸植物のひとつとして認知されています。
ザクロ(柘榴)の名前を冠した和の色
「柘榴色」という和の色があります。ザクロの果実のような深みのある赤い色を指しますが、このことからも日本で昔から愛されていたことがわかりますね。
薬用に用いられていたことも
樹皮や根、果実の皮を乾燥させたり、条虫(サナダムシ)の駆除薬として使われていました。また、花を粉末にしたものは止血止めなどに使われていたようです。
江戸時代の銭湯にあった「石榴口」
江戸時代の銭湯には、湯船と洗い場の仕切りがあり、そこに石榴口と呼ばれる小さな入口がついていました。そこは屈まないとくぐることが出来ませんでした。なぜ石榴口と呼ばれたかというと、ザクロの実はどうの鏡を磨くものに使われており、鏡を磨くことを「鏡鋳る(かがみいる)」と言ったため、「鏡鋳る」と「屈み入る」をザクロにかけて「石榴口」と呼んだということです。
グレナデンシロップはザクロ(柘榴)からできている
グレナデンシロップはザクロ(柘榴)と砂糖で作られています。
グレナデンシロップの使い方
カクテルのテキーラサンライズ・チェリーブロッサムなどの赤い色が印象的なものは、グレナデンシロップを使っている場合があります。シャーリーテンプル・などのノンアルコールカクテルなどでも使われますね。グレナデンシロップはそのほかにも、お菓子などでシロップやホイップクリームをうすピンクにするように使うこともできます。市
無果汁のグレナデンシロップ?
販のグレナデンシロップは、無果汁のものも流通しており、その場合は香料などでザクロ(柘榴)のフレーバーを付けている場合が多いです。ザクロ(柘榴)の果汁を使ったグレナデンシロップを購入したい場合は、原材料のところにザクロ果汁の表記があるかを必ず確認しましょうね。
ザクロ(柘榴)のフレッシュジュースを作ろう!
果物屋さんなどでザクロ(柘榴)を購入したりお庭のザクロを収穫できたら、ザクロ(柘榴)のフレッシュジュースを作ってみましょう。果物屋さんなどで売られているザクロ(柘榴)はカルフォルニア産のザクロ(柘榴)がほとんどで、お庭などで採れるザクロ(柘榴)よりもずっと大きい場合があります。ジュースやシロップを作る場合は、購入したもののほうが効率よく作れるかもしれませんね。
ザクロ(柘榴)の実を割ってみると、真っ赤な粒粒がたくさん詰まって整列しています。これがザクロ(柘榴)の種子であり、真っ赤な部分を種衣(しゅい・仮種皮かりしゅひとも呼ばれます)と言いますが、この部分を食用にします。
ばらばらと種を実から外し、ザルに集めます。ミキサーで種ごと細かくしても大丈夫なのですが、少しえぐみが残ってしまいますので、今回はザルで濾して果汁だけにします。
ストレートのフレッシュジュースは真っ赤で透明感があり、飲むと酸味があり口の中がさっぱりします。フレッシュジュースに炭酸を入れてソーダにしても、ヨーグルトと合わせてピンク色のスムージーにしてもおすすめです。また、グレナデンシロップの代わりにワインと合わせてサングリアのように楽しむのもおすすめです!
ザクロ(柘榴)の育て方
ザクロ(柘榴)は縁起がいい?悪い?
日本で鎌倉時代から育てられていたザクロ(柘榴)は、江戸時代に園芸植物として認知度が上がり、現代でも庭木として好まれています。ザクロ(柘榴)には「子孫繁栄・豊穣」などの象徴として植えられていました。しかし、地域によっては縁起の良くない木として庭には植えない、などと言い伝えがありました。ですが、世界的に見てもザクロ(柘榴)は子孫繁栄、豊穣、最高の果物として大切にされていました。日本で縁起が悪いとされているのは、実が落ちた場合は割れて、中の赤い部分が傷口や血を連想させることと、「おそれ入谷の鬼子母神」の話に由来がありました。
鬼子母神は人里から人間の子どもをさらい、食料として食べていました。鬼子母神が人の子を食べることを見た釈迦は、鬼子母神の子どもを隠しました。鬼子母神は自分を隠されて大変狼狽え、子どもを取り上げられることの悲しみを知り、釈迦からザクロ(柘榴)を食べるように与えられた」ということです。
ザクロ(柘榴)の生育に適した場所
水はけのよい土、日当たりのよい場所を選びましょう。日陰に植えてしまうと花つきが悪くなるため、実の収穫も少なくなります。肥料を与える場合は春、芽が出てくる時期、花が終わった後、果実を収穫した後です。冬に与えても吸収できませんので止めましょう。
ザクロ(柘榴)は鉢植えでも育つ?
ザクロ(柘榴)は鉢植えでも育てることができます。赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜて、用土として使いましょう。水やりは土の表面が乾燥したらたっぷり与えるようにしましょう。2年に1度植え替えをしましょう。
ザクロ(柘榴)の育て方の注意点
ザクロ(柘榴)の幹や枝には鋭くとがっているとげがあります。小さなお子さんがいるご家庭などは、とげだけ落としておくほうが安心です。
ザクロ(柘榴)に発生しやすい病害虫
ザクロ(柘榴)に発生しやすい害虫はアブラムシ・カイガラムシなど。まれにイラガも発生することがあります。かかりやすい病気はうどん粉病です。
ザクロ(柘榴)にまつわるいろいろな話をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。果樹のよさは季節を感じやすいことでもありますね。
編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「ザクロ(柘榴)でフレッシュジュースを作ろう。育て方や歴史もご紹介。」の記事をみんなにも教えてあげよう♪