秋に使いたい「吾亦紅(ワレモコウ)」の生け方や花あしらい
大野茜
このライターの記事一覧
吾亦紅(ワレモコウ)の生け方
生け花では秋の草花として吾亦紅(ワレモコウ)が代表的に使われるように、生活の中に吾亦紅(ワレモコウ)を飾って秋の風情を感じてみましょう。
切り花の新鮮な吾亦紅(ワレモコウ)の選び方
吾亦紅(ワレモコウ)はドライになると少し色味が茶色っぽくなったり茎が黄緑に変色したりしますが、他の花に比べて見た目はほとんど変わりません。そのため花屋さんでパッと見たときに新鮮なものかどうかが見分けがつきにくい場合があります。
そんなときには葉っぱを確認して下さい。葉が黄身を帯びていたり先の方が茶色くなっていたりすると入荷してから日数が経っている可能性があります。葉が瑞々しい緑のものを選べば新鮮な証拠です。枯れが近づいてくると細かい花がらが落ちてくるので、なるべく新鮮なものを選びたいですね。
吾亦紅(ワレモコウ)を生ける前の注意点
吾亦紅(ワレモコウ)は細い茎にたくさん枝分かれして花をつけます。細く枝分かれが多いので数本をまとめておくと枝同士が絡まりやすく、無理に引きはがすと折れてしまうので、丁寧にほどいていきましょう。
花は比較的長く鑑賞できますが、鋸状の葉は枯れやすく葉の先端や淵から黄色に変色してくるので、生ける前には先に取り除いておきましょう。
また吾亦紅(ワレモコウ)のような草花は水落ちしやすいので持ち帰ったら真っ先に水揚げをします。水切りで水が上がらない場合は熱湯に茎の先端を10秒ほど付けた後水につける湯上げの方法や、茎の切り口を火で炭になるくらいあぶった後に水につける方法を試してみてください。早くて30分ほど経てば萎れていた茎も水が上がり茎が真っすぐに戻ります。
ただし、萎れがひどい場合は茎が曲がったまま水が上がってしまうこともあるので、真っすぐの状態に新聞紙などで巻いてなるべく上向きの状態にしたまま水上げを行います。
吾亦紅(ワレモコウ)を生ける
吾亦紅(ワレモコウ)のその独特のフォルムを生かすようなアレンジ方法や季節感を感じられる華やかな飾り方をいくつかご紹介します。
吾亦紅(ワレモコウ)だけで飾る
いろんな方向に伸びる枝を生かして吾亦紅(ワレモコウ)そのものを楽しみます。わびさびの雰囲気を引き立てる陶器や和の雰囲気の器だと比較的簡単になじみます。ポイントとしては前後左右に枝ぶりを広げて奥行きをだしてあげることと、見たときになるべく枝と枝がクロスして見えないように気を付けること。ごちゃごちゃとせずに花がいろんな方向に向いていてもまとまりやすく見えます。
メインになる花のアクセントにする
枝ぶりが良く小ぶりな花を沢山つけるので、主張のある主役になりやすい花のわき役として活躍します。吾亦紅(ワレモコウ)の花のフォルムが独特なのでアクセントとして入れてあげると、他の繊細な小花よりも全体に面白みが増します。
今回はひまわりをメインにユーカリ、男郎花、吾亦紅(ワレモコウ)で花束にしました。メインになるヒマワリとヒマワリの間にも入れてあげることで全体になじむように配置します。
吾亦紅(ワレモコウ)に合わせた秋の草花であしらう
吾亦紅(ワレモコウ)で感じる秋の情景を他の秋の草花を使ってより華やかに表現します。
今回の花材はパニカム、ウイキョウ、メラレウカ、吾亦紅(ワレモコウ)であしらいました。紅く色づいたメラレウカと、どれも小花で繊細なフォルムをしている草花で自然な雰囲気を作ります。枝分かれするものばかりなので、お互いの枝が絡み合わないように気を付けながら配置します。
吾亦紅(ワレモコウ)をドライフラワーで楽しむ
吾亦紅(ワレモコウ)は水が切れてもそのままの形を保ちやすい花です。花束にして吊るしておけばそのままドライフラワーとして楽しむことができます。吾亦紅(ワレモコウ)をふんだんに束ねるだけでも可愛いです。ドライフラワーになりやすい他の花やグリーンと合わせて束ねると華やかなスワッグができます。コツとして長い枝からだんだんと短い枝を重ねていくことに注意して作れば、壁に掛けたときに立体的に綺麗に作れます。綺麗なドライフラワーにするためには下向きに吊るしておくことが重要です。花瓶などに立てたままドライにすると花の重みで茎が曲がってしまい、そのまま乾燥して固まってしまうので必ず下向きに吊るしておくことをお勧めします。
先述したように吾亦紅(ワレモコウ)はドライフラワーになると細かい花がらがぽろぽろと落ちてきます。花がらの落下を防ぐために硬化スプレーをふりかけて制作すると良いでしょう。吾亦紅(ワレモコウ)を長く楽しむ工夫としてぜひ試してみてください。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「秋に使いたい「吾亦紅(ワレモコウ)」の生け方や花あしらい」の記事をみんなにも教えてあげよう♪