秋の七草「オミナエシ(女郎花)」の由来と切り花での楽しみ方
大野茜
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秋の七草のひとつにも数えられるオミナエシ(女郎花)、小さな黄色い花が集まった房と枝まで黄色に染まった姿が特徴的です。オミナエシ(女郎花)の名前の由来から切り花の扱い方をご紹介します。長持ちさせる方法、生け方や飾り方のポイントをまとめました。
目次
- オミナエシ(女郎花)とは
- オミナエシ(女郎花)の特徴、名前の由来や似ている花
- オミナエシ(女郎花)の切り花を長持ちさせる方法
- オミナエシ(女郎花)の生け方・飾り方
- 注意が必要?!オミナエシ(女郎花)の香りについて
オミナエシ(女郎花)とは
オミナエシ(女郎花)の学名はPatrinia scabiosaefoliaといいます。オミナエシ科オミナエシ属の多年生植物で開花時期は7月から10月頃です。中国、日本、東シベリアに広く分布しています。根を乾燥させて煎じたものは生薬となり「敗醤(ハイショウ)」とも言われます。
オミナエシ(女郎花)の特徴、名前の由来や似ている花
オミナエシ(女郎花)の特徴
オミナエシ(女郎花)は山上憶良が万葉集で詠んだ秋の七草に数えられます。
春に種を撒いて伸びた子株を秋に植えると60cmから100cm程まで生長し、翌年の7月頃に黄色い小さな花を房状に咲かせます。日当たりが良い草地を好むため、川の土手などで見られることが多い植物です。オミナエシ(女郎花)は宿根草なので地上部分が枯れても株自体は残り、数年間は花を採取することができます。
またオミナエシ(女郎花)の花は一斉に咲くので切り花の流通時期としては短い期間になります。元々切り花として流通しているものは山野に自生するものを採取していましたが、環境保全や絶滅危惧種などの観点から保護対象にされつつあります。そのため今は栽培により生産されるようになりました。
オミナエシ(女郎花)の名前の由来
オミナエシ(女郎花)の名前の由来は諸説あります。その中から性別が関係する2つの説をご紹介します。
女性らしさの印象から
1つ目には、オミナエシ(女郎花)は女性らしい印象に例えられたという説です。オミナエシ(女郎花)の近縁種にオトコエシ(男郎花)があり、オミナエシ(女郎花)に比べてひと回り大きく丈夫な花姿をしています。その男性のような力強い姿と対比しオミナエシ(女郎花)は女性らしい印象に例えられ「女郎花」と呼ぶようになりました。
女飯の語源より
2つ目には、女飯(オミナメシ)という言葉が由来しているという説です。その昔、もち米で炊くご飯を男性が食べていたことから白い飯のことを男飯と言ったことに対し、女性は黄色い粟のごはんを食べていたので粟飯を女飯と呼ばれていました。その黄色い粟飯を盛った女飯の見た目とオミナエシ(女郎花)の花が似ていることから「オミナメシ」→「オミナエシ」と言われるようになりました。
オミナエシ(女郎花)と似ている花
オトコエシ(男郎花)
先述の通りオミナエシ(女郎花)と似ている花で、オトコエシ(男郎花)という花があります。オミナエシ(女郎花)よりも背丈が一回り大きく、白い花を咲かせる植物です。見た目はオミナエシ(女郎花)と似ていますが白い花ならオトコエシ(男郎花)と見分けることができます。
セントランサス
同じオミナエシ科の植物で和名を紅カノコソウと言います。別名レッドバレリアンと呼ばれる香りのある花で、ハーブの仲間です。オミナエシのように小さな小花が集合して咲きます。花が白いものはホワイトバレリアンです。
\オミナエシ(女郎花)の切り花を飾ろう/
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