千両｜珊瑚のように輝く実が美しい！お正月に欠かせない縁起物
更新
公開
千両は、色鮮やかな実と艶やかなグリーンの葉が美しく、お正月の花生けに欠かせない縁起の良い木です。冬には色づいた実を、一年を通してグリーンの葉を楽しめる千両の特徴と魅力、育て方、切り花の楽しみ方を紹介します。
目次
千両の特徴と魅力
千両は、秋から冬にかけて赤く色づく実と、ツヤのある葉が印象的な常緑低木です。常緑低木といっても樹高50～100cm程度と低く、あまり枝を広げない樹形であるため、草花のような佇まいです。
また、赤い実が印象的ですが、「キミノセンリョウ」といって、黄色やオレンジ色の実を付ける品種もあります。
一年を通してグリーンを絶やさない葉は永遠を、冬に赤く色づく実と「千両」という名前が富を連想させることから、お正月の縁起物として古くから愛されてきました。今でもお正月に欠かせない花として人気があり、12月には花き市場で千両のみを取り扱う「千両市」という競り（せり）が開かれるほどです。
鋸歯のある艶やかなグリーンの葉は対生で交互に付いているため、上から見ると十字に葉が展開しているように見えます。初夏にその中心に小さな花を咲かせ、花の後にできた実は秋に赤く色づきます。大きく広がったグリーンの葉と、中心に鎮座する赤い実の色のコントラストが美しく目を引きます。赤い実を珊瑚に例えた「草珊瑚（クササンゴ）」という美しい和名もあります。
千両と同じく冬に赤い実を付ける常緑低木に万両があります。どちらも富を連想させることから、縁起物として扱われている植物です。千両は万両よりも実が小さいため、千両と名付けられました。千両はセンリョウ科、万両はサクラソウ科に属する別種の植物ですが、名前が似ていることから混同されることが多いようです。こちらの記事では千両と万両について、それぞれの特徴、違いと見分け方を写真付きで詳しく解説しています。
千両や万両以外にも縁起が良いといわれる赤い実をつける植物はたくさんあります。こちらの記事では、百両や十両、一両など、富を連想させる名前のものから南天やオモトなど、知っておいて損はないような赤い実を付ける植物ばかりを集めて紹介しています。
千両の育て方
千両は、東南アジア、中国南部に分布し、日本では関東南部より西の地域に自生しています。日本の風土に馴染みがあるため、庭や花壇で育てやすい庭木です。常緑で冬に赤い実を実らせることから、花が少なくなる季節に鮮やかな色を庭に添えて、景色を明るくしてくれる存在です。
林の中の落葉樹の足元のような湿り気のある半日陰を好み、乾燥が苦手です。落葉樹の足元というのは腐葉土がたっぷりの湿潤な土壌が特徴であるため、保水性と排水性が良いのが特徴。植え付ける際は、栄養のある土を使用して、乾燥させ過ぎないように、表土が乾いたら水やりをしてください。
湿潤な土壌を好むといっても、肥料が多過ぎると葉ばかり茂って実付きが悪くなります。過肥にならないように注意が必要です。また、目立った病害虫の被害はありませんが、風通しや日当たりが悪いとカイガラムシが発生することがあります。混みあった株は間引くように剪定をして、風通し良く管理するように心がけましょう。
他に千両を育てる際の注意点として、剪定があります。千両は、横に枝を広げるのではなく、地面から細い幹を伸ばして藪のように茂る増え方をするので、植え付けから数年で大きく横に広がります。広がり過ぎたと思ったら、3月頃に地際から刈り取って調整するようにしましょう。
千両を暮らしに取り入れよう
切り花として楽しむ
千両は鮮やかな赤い実が特徴で、クリスマスからお正月の花生けに使用されます。鮮やかな色の実は他の花との相性が良く、生け花や和モダンなアレンジメントなど、和洋どちらの雰囲気にもよくなじみます。また、千両の切り花は、長持ちするというのも魅力。花と違って実の付いた枝なので、こまめに花器の水を替えれば、3週間から1か月近く楽しむことができます。
ランや菊といった華やかな花と合わせて、新年を迎える花あしらいはいかがですか。お正月に飾りたい縁起の良い花や植物を一覧で紹介しています。
千両の花言葉
千両の花言葉は「利益」「裕福」、名前の通り富や豊かさを連想させる花言葉です。
千両の色鮮やかな実は、クリスマスやモダンなアレンジメントから和の雰囲気漂うしつらえまで、様々なシーンで活躍します。年末にお誕生日を迎える友人に、お世話になった方へのご挨拶に、縁起の良い花言葉を添えて、千両をあしらった花束やアレンジメントを贈りましょう。
千両は、ツヤのある常緑の葉と小粒で色鮮やかな実が華やかで、お正月には欠かせない縁起の良い木です。冬の寂しくなりがちなお庭の中で美しさを発揮する庭木でもあります。千両を育てて、飾って、花のある暮らしを楽しみましょう。
▼編集部のおすすめ
『庭木・シンボルツリー』の人気記事
赤い実のなる木図鑑｜春夏秋冬ごとに。食べられる実や毒のある実も
#庭木・シンボルツリー
千両と万両の違いと見分け方
#庭木・シンボルツリー
庭木におすすめの常緑樹38種！低木、中木、高木、花木、果樹、ハーブも
#庭木・シンボルツリー
クリスマスと言えば？ヤドリギのすてきな4つの神話
#庭木・シンボルツリー
ヒイラギ｜花の季節や香り、赤い実のなるヒイラギとの違い
#庭木・シンボルツリー
日陰でも育つ木一覧｜低木や鉢植え、目隠しにおすすめの種類
#庭木・シンボルツリー
椿と山茶花の違いと見分け方をご紹介【写真付き】
#庭木・シンボルツリー
育てやすい果樹一覧｜庭木や鉢植えにおすすめの果物がなる木
#庭木・シンボルツリー
縁起もいい！冬に見られる赤い実の植物は何？
#庭木・シンボルツリー
庭木にしたい！ 株立ちの樹種一覧と株立ち樹形の意味
#庭木・シンボルツリー
メールアドレスと
パスワードだけで登録完了
