スズラン(鈴蘭)とは?花言葉、育て方、香り、特徴、毒性、種類、外国語
山田智美
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スズラン(鈴蘭)の育て方、花咲く季節や見頃、特徴や花言葉、香り、毒性、実はたくさんあるスズラン(鈴蘭)の種類や外国語の名前まで。スズラン(鈴蘭)について、詳しく紹介します。
目次
- スズラン(鈴蘭)とは?スズラン(鈴蘭)基本情報
- スズラン(鈴蘭)の花言葉
- スズラン(鈴蘭)の花咲く季節
- スズラン(鈴蘭)の香り
- こんなにある!スズラン(鈴蘭)の種類
- スズラン(鈴蘭)の球根とは?
- スズラン(鈴蘭)の育て方
- スズラン(鈴蘭)の毒性について
- スズラン(鈴蘭)を外国語で
スズラン(鈴蘭)とは?スズラン(鈴蘭)基本情報
- 植物名:ドイツスズラン
- 学名:Convallaria majalis
- 科名:キジカクシ科(ユリ科で分類されることもある)
- 分類:多年草
スズラン(鈴蘭)の特徴
スズランは、湿った半日陰を好むキジカクシ科の多年草です。草丈20cm程度、葉は濃いグリーンで楕円形をしています。
細い花茎に、鈴のような壺型の小さな花を下げるように、10個前後咲かせます。鈴蘭(すずらん)という和名は、花の咲く様子が名付けられました。スズランの花には芳香があります。香りもスズランの人気の理由の一つです。
日本に自生するスズラン(Convallaria keiskei)は、本州の北の方から北海道にかけて見られます。庭植えや切り花で流通しているものの多くはドイツスズラン(Convallaria majalis)です。
スズランは、キリストが処刑された際に、聖母マリアが流した涙が落ちた場所から生まれた花だとも言われています。スズランは、清らかさ、可憐さを象徴する花です。かつてヨーロッパでは5月の花嫁のブーケにはスズランが入っていたそうです。
▼スズランについて詳しくはこちら
スズラン(鈴蘭)の花言葉
スズラン(鈴蘭)の花言葉を紹介します。
- 再び幸せが訪れる
- 純粋
「再び幸せが訪れる」という花言葉はとても有名。スズラン(鈴蘭)を育てている人も、贈る人も、受け取った人も、みんなが幸せな気持ちになれる優しい花言葉です。
スズラン(鈴蘭)の花咲く季節
スズランの花の咲く季節は4月~5月。春から初夏にかけて開花します。スズランは落葉樹の下など、木漏れ日が当たる明るい半日陰を好みます。少し薄暗いような木々の下でひっそりとスズランが咲いている姿は、息を飲むほどの美しさです。
スズラン(鈴蘭)の見頃
スズランの見頃は、4月下旬から5月上旬です。桜やモクレンが咲き終わり、ヤマブキやシャガの花が咲き出した頃、スズランも咲き始めます。
スズランは根茎でよく増えるので、気が付いたら群生していた、ということも多々あります。グリーンの葉に守られるようにして、真白なスズランの花がうつむくように咲く姿は何とも言えない愛らしさを感じます。
スズラン(鈴蘭)の香り
スズランの香りは、顔を近づけるとふわりと香る程度の優しく控えめな香りです。フリージアやクチナシのような、周囲の空気も染めてしまうような強い香りではありません。さらに草丈も低いので、近くを歩いていてスズランの香りに気付くことも少ないでしょう。
それなのに、スズランの香りは人気です。スズランのブーケの包装を解いた時に香る、あの石鹸を思わせるような優しく清らかな香りは、生花でしか感じられません。
また、スズランの花から採れる精油は希少で手に入りにくいものです。スズランの香りを確認するなら、ぜひ咲いているスズランで試してみてください。
スズランの香りの伝説
スズランはあの甘やかな香りで、鳴き声の美しさで知られる鳥のナイチンゲールを誘惑し、森の奥へと誘いこんで自らの伴侶にしたという伝説があります。
こんなにある!スズラン(鈴蘭)の種類
ドイツスズラン
- 学名:Convallaria majalis
鉢植えや切り花で流通しているスズランの代表種です。草丈20cm程度、花付きも良く、芳香があるのが特徴です。
スズラン
- 学名:Convallaria keiskei
日本に自生するスズラン。君影草(きみかげそう)という別名もあります。日本の本州北部から北海道にかけて見られます。ドイツスズランよりも小型で香りも少し弱いのが特徴です。
スズラン・ロゼア(ピンクスズラン)
- 学名:Convallaria majalis cv. Rosea
ドイツスズランの園芸種で、淡いピンク色の花が咲くスズランです。可憐なスズランの花姿そのままにピンク色に染まったようで可愛らしい品種です。
スズラン・バリエガータ
- 学名:Convallaria majalis cv. Variegata
ドイツスズランの園芸品種で、葉に明るい斑が入っています。半日陰を好むスズランですが、景色を明るくするような斑入りの葉は魅力的です。
アメリカスズラン
- 学名:Convallaria majuscula
北アメリカに自生するスズランです。日本では見かけませんが、ご参考までに。
スズラン(鈴蘭)の球根とは?
スズランは根茎を持ち、その周囲にヒゲ根と呼ばれる細かい根を生やしています。この根茎を指して、スズランの球根とも言いますが、いわゆるチューリップやヒヤシンスのようなタマネギ型の球根とは形が異なります。
スズランはこの根茎を横に伸ばしていき、株を増やしていきます。庭に植えたスズランがいつの間にか群生するように増えているのはこのためです。
スズラン(鈴蘭)の育て方
植え付け、用土
スズランは、木漏れ日が当たるような明るい半日陰を好みます。直射日光が当たるような場所は避けて、落葉樹の下など、冬は日当たり良く、夏は日陰になるような場所に植えてください。
スズランは、保水性、水はけ、共に良い土壌を好みます。鉢植えのスズランは市販の園芸用培養土で問題なく育ちます。
水やり
庭植えのスズランは、根付いてからは特に水やりの必要はありません。鉢植えのスズランは、表土が乾いて白っぽくなったら、鉢底から流れ出てくるくらいたっぷりと水やりします。
肥料
鉢植えのスズランは、花後に緩効性肥料を与えます。地植えのスズランは、特に必要ありません。土が瘦せてきたように感じたら、腐葉土などを株の周囲にすき込みます。
冬越し
スズランは、冬になると地上部が枯れたようになって休眠します。翌春また新芽が出てくるので、枯れたと思わずに待っていてください。鉢植えのスズランは、特に水やりの必要はありません。3月頃、気温が上がってきたら、水やりを再開してください。
病害虫とその対処法
特に目立った病害虫の被害はありません。
増やし方
スズランは地下茎で増える植物で、株分けで増やせます。清潔なハサミで3~4節で切り分けて植え替えます。春に株分けを行う際には、花芽を切り取らないように気をつけましょう。
スズラン(鈴蘭)の毒性について
スズランは全草に毒性があります。病害虫の被害にあいにくいのはこのためでもあります。スズランはコンパラトキシンなど、強い強心作用のある成分を含んでいると言われています。このため、牧草地でも家畜が食べないので群生していたそうです。誤って口に入れることのないよう、気をつけてください。
その昔、スズランは、強心剤や解毒剤、軟膏など、薬としても重宝されていたそうです。また、錬金術にも使われていたというのがおもしろいところです。
スズラン(鈴蘭)を外国語で
スズランの外国語名を紹介します。
- 学名:Convallaria majalis
- 英名:Lily of the valley(リリーオブザバレー)、May lilly(メイリリー)、Our lady’s teas(アワレイディーズティアーズ)、Ladder to heaven(ラダートゥヘヴン)
- フランス名:Muguet(ミュゲ)
- スウェーデン名:Liljekonvalj(リリコンバージュ)
各国によって、呼び方は様々です。スズランはスウェーデンの国花とされているそうです。フランスでは5月1日をスズランの日といい、スズランを贈り合う習慣があります。
▼スズランの日について詳しくはこちら
優しい香りと可憐な花で見ている私たちを癒してくれるスズラン。スズランの魅力を知って、もっとスズランを身近に感じてください。
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