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可憐な白い花スズラン|花の咲く季節、特徴、種類や魅力

白く可憐な花が魅力のスズランについて、花の咲く季節、特徴、種類、育て方、香りや毒性など、詳しく紹介します。

目次

スズランとは?基本情報

スズラン

  • 学名:Convallaria majalis (ドイツスズラン)、Convallaria keiskei (ニホンスズラン)
  • 科名:キジカクシ科
  • 分類:多年草

スズランは、湿った半日陰を好むキジカクシ科の多年草。スズランには大きく分けて、ドイツスズラン( Convallaria majalis )とニホンスズラン( Convallaria keiskei )の2種類がありますが、鉢や切り花で流通しているスズランのほとんどはドイツスズランです。ニホンスズランは、別名をキミカゲソウといい、本州の北の方から北海道にかけて自生しています。

スズランは、草丈20cm程度、葉は濃いグリーンで、先の尖った楕円形をしています。細い茎に、小さなベル型の小さな花をぶら下げるように、10個前後咲かせます。落葉樹の足元のような明るい半日陰を好み、地下茎で増えていくので数年で群生します。鈴蘭という和名は、鈴のような小さな花と、ランのような葉の様子から名付けられました。花には甘く爽やかな芳香があり、香りも魅力の一つとされています。

スズランは、キリストが処刑された際に、聖母マリアが流した涙が落ちた場所から生まれた花だという伝承があり、清らかさと可憐さを象徴する花です。かつてヨーロッパでは、5月の花嫁のブーケにはスズランを入れる慣習があったと伝わっています。

スズランの外国語の名前

世界中で愛されているスズランの外国語の名前を紹介します。

英名 Lily of the valley(リリーオブザバレー), May lilly(メイリリー) Our lady’s teas(アワレイディーズティアーズ), Ladder to heaven(ラダートゥヘヴン)
フランス名 Muguet(ミュゲ)
スウェーデン名 Liljekonvalj(リリコンバージュ)

国によって呼び方は様々。フランスでは5月1日をスズランの日といい、スズランを贈った人も、贈られた人も幸せになるといわれています。

▼スズランの日についてはこちら

 

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スズランの花咲く季節

育てやすい多年草|スズラン

スズランの花咲く季節は、4月~5月です。スズランは、落葉樹の足元などの木漏れ日が当たる明るい半日陰を好みます。グリーンの葉に守られるようにして、真白なスズランの花がうつむくように咲く様子がかわいらしく、森の中でひっそり咲いている姿を見かけると、立ち止まって見入ってしまいます。

スズランの花言葉

宿根草 球根 スズラン

スズランの花言葉は「再び幸せが訪れる」「純粋」

「幸福の再来」という表現も見かけますが、同じ意味です。

スズランの香り

スズランの香りは、顔を近づけるとふわりと香る程度の優しく控えめな香りです。フリージアやクチナシのような、周囲の空気も染めてしまうような強い香りではありません。さらに草丈も低いので、近くを歩いていてスズランの香りに気付くことは少ないでしょう。それでもスズランの香りは人気があります。スズランのブーケの包装を解いた時に香る、あの石鹸を思わせるような優しく清らかな香りは、生花でしか感じられません。花から採れる精油は希少で手に入りにくく、香水などの多くは人工香料で作られています。

スズランの香りの伝説

スズランは、あの甘やかな香りで鳴き声の美しさで知られる鳥のナイチンゲールを誘惑し、森の奥へと誘いこんで自らの伴侶にしてしまったという伝説があります。

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スズランの特徴

すずらん

スズランの花の特徴

スズランは、白いベル型の花を、茎に数個下げるように咲かせるのが特徴。花は直径1cm足らずで、茎の下の方から咲いていきます。上の方に小さな雪の粒のようなつぼみが残っている様子もかわいらしく魅力的です。ドイツスズランの花は、花の中を覗き込むと赤い筋が入っているのが見えます。ニホンスズランには見られない特徴です。

スズランの球根の特徴

スズラン(鈴蘭)の球根とは?

スズランは根茎を持ち、その周囲にヒゲ根と呼ばれる細かい根を生やしています。この根茎を指して、スズランの球根と言いますが、いわゆるチューリップやヒヤシンスのようなタマネギ型の球根とは形が異なります。スズランはこの根茎を横に伸ばしていき、株を増やしていきます。庭に植えたスズランがいつの間にか群生するように増えているのはこのためです。

スズランの実の特徴

スズランは、花の後に実を付けます。実は、最初はグリーン、熟すにしたがって赤く色づいていきます。実の中には種があり、種まきで育てることもできるようですが、花が咲くまでに数年かかるので、あまりおすすめしません。

スズランの毒とは?

スズランは、根から葉、花まで全草にコンパラトキシンなどの毒を含んでいます。コンパラトキシンは、強い強心作用のある成分。このため、動物や虫の食害にあうことなく群生できるといわれています。人間にとっても猛毒で、過去に海外では幼児がスズランが飾られていたコップの水を誤飲して死亡した例や、赤い実を誤食しての死亡例なども報告されています。誤って口に入れることのないように気をつけてください。

その昔、スズランは、強心剤や解毒剤、軟膏など、薬としても重宝されていたそうです。また、錬金術にも使われていたというのがおもしろいところです。

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こんなにある! スズランの種類

日陰でもほったらかしで毎年咲く花|春10種

ニホンスズラン

  • 学名:Convallaria keiskei

日本に自生するスズラン。君影草(きみかげそう)という別名もあります。日本の本州北部から北海道にかけて見られます。ドイツスズランよりも小型で香りも少し弱いのが特徴です。

ドイツスズラン

  • 学名:Convallaria majalis

鉢植えや切り花で流通しているスズランの代表種です。草丈20cm程度、花付きも良く、芳香があるのが特徴です。

スズラン・ロゼア(ピンクスズラン)

  • 学名:Convallaria majalis cv. Rosea

ドイツスズランの園芸種で、淡いピンク色の花が咲くスズランです。可憐なスズランの花姿そのままにピンク色に染まったようで可愛らしい品種です。

スズラン・バリエガータ

  • 学名:Convallaria majalis cv. Variegata

ドイツスズランの園芸品種で、葉に明るい斑が入っています。半日陰を好むスズランですが、景色を明るくするような斑入りの葉は魅力的です。

アメリカスズラン

  • 学名:Convallaria majuscula

北アメリカに自生するスズランです。日本では見かけませんが、ご参考までに。

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スズランの育て方

植え付け、用土

木漏れ日が当たるような明るい半日陰と、保水性、水はけ、共に良い土壌をを好みます。直射日光が当たるような場所は避けて、落葉樹の下など、冬は日当たり良く、夏は日陰になるような場所に植えてください。

鉢植えは市販の園芸用培養土で問題なく育ちます。

水やり

庭植えは、根付いてからは特に水やりの必要はありません。

鉢植えは、表土が乾いて白っぽくなったら、鉢底から流れ出てくるくらいたっぷりと水やりします。

肥料

庭植えは、特に必要ありません。生育の様子を見て、必要であれば少量ずつ施してください。

鉢植えは、花後に緩効性肥料を与えます。

冬越し

冬になると地上部が枯れたようになって休眠します。翌春また新芽が出てくるので、枯れたと思わずに待っていてください。

鉢植えは、特に水やりの必要はありません。3月頃、気温が上がってきたら、水やりを再開してください。

病害虫とその対処法

特に目立った病害虫の被害はありません。

増やし方

地下茎で増える植物なので、株分けで増やせます。清潔なハサミで3~4節で切り分けて植え替えます。

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優しい香りと可憐な花で見ている私たちを癒してくれるスズラン。スズランの魅力を知って、もっとスズランを身近に感じてください。

 

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