春の花、ラナンキュラスとアネモネの違いと見分け方

金子三保子
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切り花、苗ものとも人気の春の球根の花、ラナンキュラスとアネモネ。最近登場した八重咲き種の中には、ぱっと見、どっちかわかりにくいものも。そんなときに便利な見分け方をご紹介します。
目次
ラナンキュラスとアネモネとは
ラナンキュラス
アネモネ
ラナンキュラスとアネモネは、属は違いますが、どちらも3月~4月が開花時期のキンポウゲ科の多年草(球根植物)。主な流通時期は12月~3月で、切り花、苗とも人気の春の花です。
一般的な品種は花の咲き方で見分けることができますが、最近の新品種の中には、ぱっと見、どっち?というものがあります。
例えばこの野菜みたいな緑の花。園芸店で遠くから目に飛び込んできたグリーンの花。ラナンキュラスかな?と思って近寄ったらアネモネでした。リリカという品種です。
今回はそんな時に便利な見分け方をご紹介します。
ラナンキュラスとアネモネの違いと見分け方
左:ラナンキュラス 右:アネモネ
左:ラナンキュラス 右:アネモネ
ほとんどは花で見分けることができますが、難しい場合は花の裏側の茎との接点をご覧ください。
ラナンキュラスは、花の真下にガクがあります。
それに対してアネモネは花びらがない花で、花びらに見える部分がガク。ガクの数センチ下のもさもさとした部分は苞とか苞葉と呼ばれる、花を取り囲むようにつく葉です。つぼみのうちの葉は花の近くに位置していますが、開花まじかになると茎がぐんと伸びて、写真のように花びら(色のついたガク)から少し離れます。
開花すると両者の違いがはっきりと出るので、簡単に見分けることができます。
最初にご紹介した緑の花、リリカ。下に何もないので確かにアネモネですね。
アネモネ・アンアリス
見分けがつきにくかったら、花の後ろを見てみてくださいね。
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アネモネ
- アネモネは分枝性の塊茎をもち、草丈25~40cmになるキンポウゲ科の多年草で、直立して直径10cm前後の花を咲かせます。アネモネの花びらに見える部分は、がく片です。 和名はボタンイチゲ(牡丹一華)やハナイチゲ(花一華)といいます。 アネモネはまだ花の少ない2月下旬ごろから5月頃までと開花期が長く、赤、白、ピンク、紫や青など豊富な花色や一重だけでなく半八重や八重など花形の異なる多くの品種があり、切り花や花壇で広く栽培されています。性質は日当たりを好み、寒さに当てないとつぼみができない性質があるのでの冬も屋外で育てましょう。 アネモネの品種は、100品種以上あり、毎年のように新しい品種ができています。以前は、発色のよい色が中心でしたが、最近はパステル系の複色系の品種もあり、花のサイズも大輪のものから小輪のものまで豊富に揃います。園芸用以外に、切り花としても春を代表する球根花です。
ラナンキュラス
- ラナンキュラスは早春から春にかけて開花の多年草の球根植物です。秋に球根を植えて開花時期は3月~4月、夏の高温期は休眠します。 ラナンキュラスの学名の由来は、葉っぱが「カエルの足」に似ていること、またラナンキュラス属の多くが湿地帯を好むことから、ラテン語の「rana (カエル)」 が語源となっていると言われています。ただし園芸用として流通しているラナンキュラス(Ranunculus asiaticus)は加湿を苦手とします。バターカップ(Buttercup)という英名は、原種のラナンキュラスが花びらが5枚の黄色い花を咲かせることに由来します。 最近のラナンキュラスは品種改良が進み、咲き方、色数がとても豊富。薄紙のように繊細な花びらが幾重にも重なった花が、光と温度に反応して開く姿がとても魅力的です。毎年新品種が作り出されるほど人気のある花です。