シマオオタニワタリとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
シマオオタニワタリ
学名

Asplenium nidus

英名
Bird's Nest Fern
科名
チャセンシダ科
属名
アスプレニウム属
原産地
熱帯アジア

シマオオタニワタリの特徴

アスプレニウムの定番種ともいえるタニワタリになります。数多く存在するアスプレニウム属の中でも特に巨大化し、大きいものでは人の背丈をも超える場合があります。

日本では沖縄などの温暖な地域に分布しており、街路樹やジャングルの中の樹皮や岩に着生している着生植物となります。

新芽は食用とされ、天ぷらやおひたしなどにして食べられているようです。近縁種のオオタニワタリとは胞子の付き方で判別が出来ます。逆に、胞子が付いていない状態では判別は難しいでしょう。

シマオオタニワタリの詳細情報

園芸分類 シダ・コケ
草丈・樹高 ~2m
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
花色 なし
開花時期 なし

オオタニワタリとの区別の仕方

シマオオタニワタリとオオタニワタリは非常によく似ています。そのため、パッと見では区別することが難しく、区別するには葉裏に付いている胞子(胞子嚢)を見る必要があります。

シマオオタニワタリは画像の様に葉幅の半分程までしか胞子が付いていませんが、オオタニワタリは葉の縁近くまで胞子が付いています。この胞子の付いている範囲を見ることによって区別することが出来ます。

 

シマオオタニワタリの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え替え
植え付け
肥料

シマオオタニワタリの栽培環境

日当たり・置き場所

日光
シマオオタニワタリは真夏の直射日光に弱いため半日陰で管理してください。
【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、夏の直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、50%~75%の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。
気温が高ければ高いほど葉焼けは起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。
遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。
室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】
高温多湿に強く、耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。
日光の入る浴室などに置くことも出来ますが、熱いシャワーやカビに注意してください。

温度

低温に強いという訳ではないので、10℃以下にならない様に気をつけましょう。
ベランダ等で育てられている方は、外の気温が15℃ぐらいから室内に取り込むと安心です。
気温が15℃前後になると成長が緩慢になるようです。

用土

シマオオタニワタリは高湿度を好むため、ミズゴケやバークチップ、ベラボンに植え込むと調子がよいです。
屋外で管理する場合も屋内で管理する場合も、用土にカビが発生しないように注意してください。
ミズゴケは常に湿っている状態にしておくと腐敗することがあるので、適度に乾燥するようにしてください。また、温暖な地域の場合は庭木などにミズゴケを使って活着させることも出来ます。
屋外越冬が出来ない場合は、植え込むか、コルクや焼き板などに着生させてください。

シマオオタニワタリの育て方のポイント

水やり

シマオオタニワタリは気温が低くなると休眠するので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。
【気温が15℃以上のとき】
主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が15℃以下のとき】
シマオオタニワタリは気温が15℃前後を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、土の表面が完全に乾燥してから2~3日後に水やりをしてください。
シマオオタニワタリを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。
水やりの回数を減らしてシマオオタニワタリの葉が落ちてきたりするようならば水やりの回数を増やすなど調整してください。

【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。
シマオオタニワタリは葉にホコリが積もりやすいので、葉水のときに濡らしたティッシュペーパーか、ハンディモップを使って拭いて下さい。

肥料

基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。
冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

【ハダニ】
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがシマオオタニワタリの中に侵入し、病気を発症させます。
また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

【カイガラムシ】
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

【ナメクジ】
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

【ダンゴムシ】
柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにシマオオタニワタリを置いている場合は注意が必要です。

【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

シマオオタニワタリの詳しい育て方

選び方

シマオオタニワタリを買う時は必ず病害虫に注意してください。
ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々シマオオタニワタリが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

種まき

シダ植物なので種はありませんが、胞子を湿らせたミズゴケなどに蒔くことで発芽する場合があります。
胞子を蒔く場合はなるべく高湿度を保つようにしてください。また、発芽したての株は乾燥に極端に弱いので注意してください。

植え付け

植え付けは5月~9月の暖かい時期に行うのがおすすめです。 7月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けるようにします。
根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。

剪定・切り戻し

基本的に剪定は必要ありませんが、古くなり枯れてきた葉は切り取ってしまった方がよいです。
風通しを良くすることでカビの発生等を予防することができます。

植え替え・鉢替え

シマオオタニワタリは植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになってしまい根詰まりを起こしてしまいます。
そのため、環境にもよりますが2~3年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。
また、あえて小さい鉢で育てる事により、引き締まったコンパクトな株を作る事が出来ます。小さい鉢でコンパクトに仕立てる場合は、2~3年に1度鉢から抜いて根の量を減らしてください。

花は咲きません。

収穫

新芽を収穫し、食用にすることが出来ます。

夏越し

屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。50%~75%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。
水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。
午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が15℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを土の表面が完全に乾燥してから2~3日後に行うようにしてください。
気温が10℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように15℃前後になったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。
ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

胞子で増やすことが出来ます。

病害虫の駆除

ハダニアブラムシナメクジカイガラムシダンゴムシはLOVEGREEN内の記事で詳しく紹介しているのでご覧ください!

バッタ、ヤスデ、は見つけ次第割りばしなどを使い捕殺するか、防虫ネットをお使いください。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
LOVEGREEN編集部アカウントです。編集部のスタッフが監修をしています。
監修している植物一覧を見る
植物の悩みならLOVEGREEN(ラブグリーン)のQ&A

人気の植物ランキング