アルメリア(ハマカンザシ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- アルメリア(ハマカンザシ)
- 学名
Armeria
- 英名
- Common thrift、Sea pink、Lady’s cushion
- 和名
- 浜簪(ハマカンザシ)
- 科名
- イソマツ科
- 属名
- ハマカンザシ属
- 原産地
- 北半球の温帯域
アルメリア(ハマカンザシ)の特徴
アルメリアは球状のかんざしのような花が咲く多年草です。和名では海岸の乾燥した土地に自生していることからハマカンザシと呼ばれています。
株元から多くの花茎を立ち上げて咲くため、コンテナや花壇がにぎやかになります。花色は赤、白、ピンクなどがあり、切り花用の高性種もあります。乾燥した土地に自生しているため多湿には弱いものの、基本的には丈夫な草花で庭や花壇、寄せ植えなどに利用されています。
アルメリアはケルト語で「海の近く」という意味で、自生環境をそのまま示しています。
アルメリア(ハマカンザシ)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | 30~50cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | ピンク、白、赤 |
開花時期 | 3月~5月 |
アルメリア(ハマカンザシ)の種類
アルメリア・マリチマ
A. maritima
園芸品種として最も頻繁的な種類。
アルメリア・シュードアルメリア
A. pseudarmeria
大型で切り花にも利用される種類。バレリーナ、エンゼルボール、ジョイスティックミックスなどの品種がある。
アルメリア・ジュニペリフォリア
A. juniperifolia
高山性の種類のため山野草として扱われることが多い。
アルメリア・ケスピトーサ
A.caespitosa
高山性の種類のため山野草として扱われることが多い。這性で草丈は低め。
アルメリア(ハマカンザシ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
肥料 |
アルメリア(ハマカンザシ)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通しが良い場所が適しています。
用土
アルメリアは水はけの良い土を好みます。一般的な草花が開花している場所なら植え付け可能です。酸性土壌に傾いている場合は、有機石灰などを混ぜ込んで酸度調整をするとよいでしょう。
鉢植えは、草花用の培養土で栽培可能です。高山性の「アルメリア・ジュニペリフォリア」は「山野草の土」が適しています。
アルメリア(ハマカンザシ)の育て方のポイント
水やり
地植えのアルメリアは、植え付け直後を除き水やりの必要はありません。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
肥料
過肥の必要はありません。
地植えは、自然の循環ができていて周囲の草花が開花しているなら与える必要はありません。与える場合は、春と秋に緩効性肥料を与える程度で十分です。
鉢植えは、春は液体肥料、秋は遅効性の緩効性肥料がおすすめです。過湿で腐りやすい夏に置き肥を残さないようにしましょう。
病害虫
多湿を苦手とするので蒸れや根腐れに注意します。梅雨や長雨の時期に灰色かび病にかかりやすい傾向もあります。傷んだ葉をすぐに取り除き、風通し良く管理することが病気の予防になります。
灰色かび病:ボトリチス病とも呼ばれ、梅雨時期に特に発生します。花弁に褐色の小さなシミ状の斑点ができたり、茎や葉に灰色のカビが生えます。気温が度前半で雨が続くと発生しやすくなります。日当たりや風通しを良くすることが大切です。
アルメリア(ハマカンザシ)の詳しい育て方
選び方
種と苗で流通しています。
徒長しておらず、葉数、花茎の数の多い、葉の色がきれいな苗が良い苗です。園芸品種が増え、品種によって草丈が違います。用途にあったものを選びましょう。
種まき
直まきかポットに種をまいて良い芽を残して育苗するのが手軽です。アルメリアの種は、好光性種子と言って発芽するのに光を必要とします。種をまいたら覆土をしないか、種が完全に隠れない程度にごく薄く覆土をするようにしましょう。また、発芽後は直根性のため早めに定植しましょう。
植え付け
直根性のため、植え付ける際は根をいじらないようにします。品種によって草丈が違うので、それぞれに適した場所に植え付けましょう。
アルメリアの花は立ち上がるように株元から茎が伸びて花が開花し、葉は主に地際付近にあります。花の咲いている時期、咲いていない時期の両方にあう場所に植え付けるとよいでしょう。
植え替え・鉢替え
アルメリアは蒸れに弱い草花です。株が大きくなってくると蒸れやすくなるので、1~2年に一度は株分けを兼ねて植え替えましょう。直根性なので株分けをする際はそれぞれの株に太い根があるように分けます。
花
アルメリアの花は3月~5月に開花します。終わった花は、株元で摘み取りましょう。
収穫
切り花やドライフラワーとして利用できます。
夏越し
アルメリアは高温多湿の時期に弱りやすいので注意します。蒸れに弱いため、一年草として扱われることもあります。
冬越し
寒さには強いため、特別な冬越し対策の必要はありません。ただし、霜が降りる地域で霜柱で株が浮き上がってしまうような場合は霜よけが必要です。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
アルメリアは大株になると蒸れやすくなり病気や調子を落とす原因になります。植え替えと一緒に株分けで増やすとよいでしょう。
株分けの適期は秋、茎の裂け目から発根するのが特徴です。古くなって傷んだ根や茎を取りのぞき、茎を縦に裂くようにして株分けします。挿し芽で増やすこともできます。
アルメリアは直根性なので、分けた株それぞれに必ず太い根をつけて株分けをするようにしましょう。