タイツリソウ(ケマンソウ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- タイツリソウ(ケマンソウ)
- 学名
Lamprocapnos spectabilis
- 英名
- Bleeding heart
- 和名
- 鯛釣り草、華鬘草
- 科名
- ケシ科
- 属名
- ケマンソウ属
- 原産地
- 中国・朝鮮半島
タイツリソウ(ケマンソウ)の特徴
タイツリソウ(ケマンソウ)は、春にユニークな形の花を咲かせるケシ科の耐寒性多年草。草丈は40~60cmほどで、枝垂れた茎にハートの形をした花を連ねて咲かせます。その花姿は、釣りざおに多数の鯛がぶら下がっているように見えることから鯛釣り草(タイツリソウ)という名が付きました。花色はピンクや白があります。
別名でケマンソウと呼ばれるようになったのは、仏堂の装飾具として使われる「華鬘(けまん)」が語源となっています。華鬘とは華やかな草花で作った髪飾りのことで、仏像の前に吊り下げて顔を隠すように使われます。華鬘がこの花の形に似ているため、ケマンソウ(華鬘草)という名が付いたと言われています。
タイツリソウ(ケマンソウ)は、森林などの湿った場所に自生している植物なので、直射日光や西日が当たらず、木漏れ日が差すくらいの明るい日陰や半日陰のような場所を好みます。茎葉が柔らかく全体的に華奢でしっとりした植物です。葉がボタンの葉の形に似ていることから、フジボタンやケマンボタンなどと呼ばれることもあります。寒くなると休眠して地上部が枯れますが、水が切れなければ根が生きているので春にまた芽吹きます。
タイツリソウ(ケマンソウ)は、全草に毒性があるので、誤って食べないように注意が必要です。
タイツリソウ(ケマンソウ)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | 40~60cm程度 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
花色 | ピンク、白 |
開花時期 | 4月~5月 |
タイツリソウ(ケマンソウ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
肥料 |
タイツリソウ(ケマンソウ)の栽培環境
日当たり・置き場所
明るい日陰の環境を好みます。落葉樹の下など木漏れ日が注ぐ場所に植え付けるのがよいでしょう。日向でも育てられますが、夏の直射日光や西日に当てると株が弱り、地上部が枯れて休眠してしまうので注意します。
鉢植えの場合も夏場はできるだけ風通し良く涼しい場所で、冬場は寒さに当てるため外で管理しましょう。ごぼう状の根が太く伸びるため、どちらかというと鉢植えよりも地植えの方が花つきが良くなります。
用土
水はけの良い土を好みます。市販の草花用培養土でもよく育ちます。
タイツリソウ(ケマンソウ)の育て方のポイント
水やり
鉢植えの場合、芽が動き出す3月頃から地上部が枯れる10月頃までは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。冬場は水やりを控えめにしますが、乾かしすぎないように注意しましょう。
地植えの場合は、根付いた後はそれほど水やりの必要はありませんが、真夏に雨が降らない日が何日も続いた場合は水やりしましょう。
肥料
春と秋に緩効性肥料を施します。地上部が休眠したら肥料は必要ありません。
病害虫
病気はほとんどありませんがアブラムシが新芽や蕾についたり、ヨトウムシが新芽を食害します。見つけたらすぐに対処しましょう。
アブラムシ:春から秋の特に3月~5月に多く発生します。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。
ヨトウムシ:ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、年に2回ほど発生します。ハスモンヨトウ、シトシタヨトウなどの種類も含めヨトウムシと呼ばれてます。昼間は土の中に隠れていて、夜になると一斉に出てきて活動します。幼虫は葉や茎部分を集団で食害するため、葉が気づいたら丸坊主になっていることがあります。一度に大量に産卵します。葉裏に大量に卵を産み付けるので、これが孵化しないうちに葉ごと処分しましょう。こまめに葉裏もチェックするようにします。孵化すると群生するため比較的見つけやすいです。
タイツリソウ(ケマンソウ)の詳しい育て方
選び方
花や葉がついた状態のポット苗のほか、芽が出る前の根だけのものも売られています。花を確認してから苗を買うのもよいですが、根だけのもののほうが早く植え付けして花の時期までに株を大きく育てられるメリットがあります。
植え付け
春か秋が植え付けの適期です。
地植えの場合は、事前に植え付ける場所を耕して腐葉土などを混ぜ込んでおきましょう。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土などを使って植え付けます。
植え替え・鉢替え
地植えの場合は、特に植え替える必要はありません。
鉢植えの場合は、2年に1回くらいのペースで新しい土を使って植え替えましょう。植え替えの際、太いゴボウ状の根を傷つけないように注意します。
花
花の形は、咲き始めはハートの形をしたイヤリングのようで、咲き進むと下の細い花びらが外側にくるんと巻き上がります。
花が咲き終わったら、種をつける前に茎の根元から切り取りましょう。そうすることで、株に栄養がまわってよく育ちます。
夏越し
真夏の強い直射日光に当たると株が弱るため、落葉樹の下など半日陰になるような涼しい場所で管理しましょう。
冬越し
冬は地上部が枯れますが根は生きています。乾きすぎない程度に控えめに水やりを続けましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
タイツリソウ(ケマンソウ)は、株分けで増やすことができます。春か秋に植え替えをする際に同時に行いましょう。太い根を折らないように気を付けながら分けます。