姫りんご(姫林檎)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- 姫りんご(姫林檎)
- 学名
Malus cerasifera
- 英名
- Plumleaf crabapple
- 和名
- 姫林檎
- 別名・流通名
- ミニリンゴ
- 科名
- バラ科
- 属名
- リンゴ属
姫りんご(姫林檎)の特徴
姫りんごは、秋に小さなかわいい実をつけるバラ科の落葉樹。普通のりんごより小ぶりなのが名前の由来です。
りんごは主に寒冷地での栽培が適しているのに対して、姫りんごは日本全国で栽培可能です。秋の実以外に春に咲く白い花も観賞価値があるため、古くから街路や公園に植栽されるほか、庭木や盆栽としても親しまれています。自家結実性があるため1本でも実がなりますが、異品種を近くに植えると実つきがよくなります。
食用よりは鑑賞用として多く流通し、クリスマスの頃になると花材として花屋さんの店頭に並びます。
姫りんごの花は、つぼみの時はピンクで開花とともに白くなり、満開のころは息をのむ美しさです。花と実の両方が観賞価値があるため、シンボルツリーとしても利用されています。
姫りんご(姫林檎)の詳細情報
園芸分類 | 果樹 |
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草丈・樹高 | 3~5m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白、ピンク |
開花時期 | 4月~5月 |
姫りんご(姫林檎)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
収穫 |
姫りんご(姫林檎)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと水はけの良い場所が適しています。真夏に西日が長時間当たる場所への植栽は避けましょう。
用土
水はけと通気性の良い肥沃な土を好みます。
鉢植えは、果樹用の培養土で栽培可能です。
姫りんご(姫林檎)の育て方のポイント
水やり
植え付け後、根付いてからの水やりは基本的には降雨に任せて問題ありません。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。
肥料
寒肥(1月~2月)と9月の追肥として、緩効性肥料もしくは有機質肥料(園芸用として市販されている固形の油粕など)を与えましょう。
病害虫
害虫:アブラムシ、黒星病
病気:縮葉病、炭疽病、斑点落葉病
早期発見が大切です。日ごろから葉と枝の状態をチェックして、虫くい、葉の色の変化などがあれば、早期対処をしましょう。
姫りんご(姫林檎)の詳しい育て方
選び方
葉がきれいで、ぐらつきのないしっかりとした枝ぶりの苗木を選びましょう。
最近はたくさんの園芸品種があり、白い花のほかピンクの花が咲く品種もあります。実の大きさ、味、付き方も品種によって違いがあります。こだわりのある方は調べてから購入しましょう。
基本的には自家結実性があるため1本でも実がなりますが、異品種や深山カイドウを近くに植えると実つきがよくなります。品種によっても多少違いがあるため、1本で結実するかを確認しましょう。
植え付け
姫りんごの植え付けは、厳寒期を除いた落葉中に行います。接ぎ木苗が多いので、接木部分を地上部分に出して植え付けましょう。
根鉢のサイズの倍程度の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。
植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。支柱を添えるのもよいでしょう。
仕立て方
さほど横に広がらず、上の方に伸びていく樹形です。剪定や誘引次第でコンパクトに仕立てることができ、エスパリエ仕立てなどで栽培することもできます。
剪定・切り戻し
植え付け初期の樹形ができるまでは、不要枝や間引き剪定にとどめます。姫りんごは徒長した枝には花芽はつかず、短い枝につく性質があるため、短い枝が多くなるようにしましょう。
7月~8月に徒長枝を5~10芽程度残して剪定し短い枝が出るようにし、全体的に整理します。
花芽は枝先につくので、冬の剪定は強く切り詰めるのは避けましょう。
ただしつるバラと同様、長く伸びた枝を地面と水平に誘引すると、短い枝が垂直にできる性質があります。エスパリエ仕立てなどにする場合は、徒長枝を生かします。
植え替え・鉢替え
鉢植え栽培は、1~2年に一度、植え替えを行いましょう。植え替えは落葉期が適時ですが、真夏以外なら植え替え可能です。
花
桜(ソメイヨシノ)の花が終わったころに開花します。
収穫
秋に小さな実がなります。購入時の苗木の状態にもよりますが、植え付け後、最初に収穫できるまでには2~5年程度かかります。
果実は主にジャムや果実酒などの加工向きです。花材としては、夏は青りんご、秋から冬は赤い状態で流通しています。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
接ぎ木で増やすことができます。