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ボケ(木瓜)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

  • 冬に咲く花木|ボケ
植物名
ボケ(木瓜)
学名

Chaenomeles speciosa

英名
Japanese quince, Japonica, Chinese flowering quince
和名
木瓜
科名
バラ科
属名
ボケ属
原産地
中国

ボケ(木瓜)の特徴

ボケ(木瓜)は、早春から春にかけて梅のような花を咲かせる落葉低木で、盆栽として大変人気の高い植物です。花の美しさから庭木としても人気があり、枝には鋭いトゲがあるので生垣としても利用されてきました。

ボケ(木瓜)の血筋は少々複雑で、日本に古くからあるクサボケや中国のカラボケ、チョウセンボケ、マボケなどを利用し、江戸時代に品種改良が盛んにおこなわれた結果、現在の「ボケ(木瓜)」と呼ばれている植物ができあがりました。ヨーロッパでも盛んに品種改良が進み、今までなかったような大輪で華やかなボケ(木瓜)も生まれ、日本に逆輸入されています。

ボケ(木瓜)の英名は、Japanese quince(ジャパニーズクインス)、または Japonica(ジャポニカ)です。Japanese quince とは、日本のマルメロという意味。カリンやマルメロに似た果実を実らせることに由来しています。

ボケ(木瓜)は、一般に早春から咲き始める品種が多いなか、11月頃から咲き始める寒木瓜や四季咲きの品種もあり、四季を通じて楽しむことができる花木です。

ボケ(木瓜)の詳細情報

園芸分類 庭木、落葉
草丈・樹高 2~3m
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色 赤、白、ピンク、オレンジ、淡黄白色、複色
開花時期 11月~5月

ボケ(木瓜)の種類

クサボケ

クサボケ

Chaenomeles japonica

地面を這うように生長し、ひとつの株から草のように細い幹が何本も生える。

ボケ(木瓜)の品種

ボケ(木瓜)の品種は数百以上あるとされており、花も一重や八重咲のもの、花色も白から濃紅、咲き分けなどがあります。日本に自生するクサボケは、朱色の一重咲きです。また、江戸時代に作出され現在でも人気のある「東洋錦」は1株で赤絞り、白、赤、桃、覆輪といった様々な色の花を咲かせます。淡黄白色で八重咲きの「金鵄殿」、開花時は淡い桃色で徐々に色が濃くなっていく「雪の輝」や「港の曙」なども大変人気の高い品種です。

「木瓜」がパパイヤ?不思議な名前の秘密

ボケ(木瓜)は中国原産ですが、現在の中国では木瓜という漢字は「パパイヤ」を表す言葉で、木瓜で英訳するとパパイヤと翻訳されることが多いようです。中国語でいわゆるボケは「貼梗海棠」と書きます。中国のお土産で時々木瓜の実のシロップ漬けを見かけますが、「木瓜」と書いてあったら青パパイヤのシロップ漬けです。日本では「木瓜」と書きますが、これはウリのような実を付ける木という事で「木瓜(もけ)」から転じてボケと呼ばれるようになったと言われています。

木瓜の実ができたらジャムや果実酒に利用してみよう

クサボケや一重咲のボケ(木瓜)は、秋になると黄色い香りの良い実を付けます。そのまま生食はできませんが、近縁種のカリンより渋みはありません。ジャムにする場合は、一度下茹でした後、皮を剥いて裏ごしし、砂糖と茹で汁を少しだけ加えて練るように加熱します。ある程度粘りが出てきたら火からおろし、熱いうちに殺菌した清潔な保存容器に移します。また、カリンと同様に輪切りにして表面が少し乾くまで陰干しし、果実酒やシロップ漬けにすることができます。シロップは、カリンと同じように咳止めとして使えるほか、暑気あたりにも効果があります。

ボケ(木瓜)の花言葉

ボケ(木瓜)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
剪定
肥料
開花

ボケ(木瓜)の栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しの良い場所を好みます。

用土

適応性が高いため比較的どこでも育ちますが、保水性があり、かつ水はけの良い肥沃な土壌を好みます。

鉢植えは、一般的な花木用培養土で栽培可能です。

ボケ(木瓜)の育て方のポイント

水やり

地植えは、根付いてからの水やりの必要はありません。ただし、極端に乾燥させると蕾や葉を落としてしまうので、地面が乾燥するような日照りが続いた場合は水やりをします。

鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。

肥料

地植えは、2月に寒肥として緩効性の肥料を与えます。実を採取する場合は、9月~10月にも緩効性の肥料を与えます。

鉢植えは、開花後のお礼肥と10月上旬頃に緩効性肥料を与えるようにしましょう。

病害虫

病気
葉に鮮やかなオレンジ色の斑点が発生する赤星病があります。見つけ次第罹患した葉を摘み、殺菌剤を散布して防ぐようにしましょう。また、根頭がん腫病は地際や根の地上に近い部分にこぶができる病気です。地際の部分が傷つくと発生しやすくなります。根治方法はないため、株を土ごと処分するのがよいのですが、できない場合は罹患部をできるだけ取り除いて癒合剤を塗り、新しい清潔な土に植えましょう。

害虫
アブラムシカイガラムシに注意してください。

ボケ(木瓜)の詳しい育て方

選び方

ボケ(木瓜)は様々な品種があります。花色にこだわりがある方は、開花期に好みの株を探しましょう。果実も楽しみたい場合は、結実する品種であることを確認しましょう。

枝ぶりがこんもりとしており、幹や枝に傷がついておらずしっかりしたものが良い株です。葉もつややかで病気になっていないものを選びましょう。

種まき

10月頃、実が完熟し、香りが出てきたら収穫期です。果実の中に種が入っているので十分に水で洗浄し、そのまま採りまきします。

土は小粒の赤玉土を用い、種をまいた後は薄く覆土して押さえ、乾燥しないように管理します。春に発芽し、秋頃には10cm程度の苗になったら鉢に植え替えます。

植え付け

植え付け適期は秋です。

根鉢のサイズの倍の幅と深さの穴を掘り、腐葉土や堆肥を土に混ぜ込んで植え付けましょう。植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。

剪定・切り戻し

ボケ(木瓜)の剪定は、花後に1回目の剪定を行います。花がらつみと一緒に長く伸びた枝を短く切り詰めましょう。2回目は、葉が落ち始める10月~11月頃に行います。すでに花芽が出来ているので、花芽がある枝は花芽から10cm程度のところで剪定し、花芽がついていない枝は葉芽が2~3芽残るように剪定しましょう。

落葉期の剪定は、樹形も整えるようにします。混み合っている枝や勢いの強い枝は切り詰めます。また、接ぎ木苗では台木から芽が出てくることがあるため、見つけ次第かきとりましょう。土から生えてくるひこばえも地際で切り取ります。

植え替え・鉢替え

鉢植えは、2~3年に一度、鉢底から根が見えるくらいになったら一回り大きな鉢に植え替えます。

ボケ

ボケ(木瓜)の花は、早春から咲き始めるものが多いですが、11月頃から咲き始める寒木瓜や四季咲きの品種もあります。

収穫

果実を採取する場合は、9月下旬から10月にかけて黄色く熟し、香りが出てきた頃に収穫します。

冬越し

冬は落葉し、休眠します。特に必要な冬越しの作業はありません。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

挿し木と種まきで増やすことができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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