アナベルとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
アナベル
学名

Hydrangea arborescens ‘Annabelle’

別名・流通名
アメリカアジサイ、セイヨウアジサイ
科名
アジサイ科(ユキノシタ科)
属名
アジサイ属
原産地
アメリカ

アナベルの特徴

アメリカアジサイやセイヨウアジサイの別名を持つアナベルは、アジサイの仲間の落葉性低木です。

初夏に20~30cmの大きな花が開花します。花色は、咲き始めはグリーン、咲き進むにしたがって白くなり、夏を過ぎると再び秋色グリーンに変化します。大きな花ですが主張しすぎることがなく、周囲の草花と調和するため、庭木として人気があります。暑さ寒さに強く育て方も容易で剪定も簡単なので、植物園やガーデンなど、さまざまな場所にも植えられています。

最近は、基本種のほか、矮性種や花が大きい品種、ピンクのアナベルなど、年々品種が増えています。

アナベルは鉢ものの他、切り花としても出回っていて、切り花やドライフラワーとしても利用されています。

アナベルの詳細情報

園芸分類 庭木
草丈・樹高 1~2m
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色 緑~白
開花時期 6月~7月

アナベルの種類

アナベルコンパクト

樹高1m以内の矮性品種。

ライムのアナベル

アナベルの改良品種。つぼみはグリーンで、開花とともに白くなり、咲き進むとグリーンになる。従来のものより、茎がしっかりとしている。

アナベルジャンボ(インクレディボール)

アナベルの改良品種。従来のものより茎が太く、大きな花が開花し、樹高も高い。

ピンクのアナベル

アナベルのピンク花品種。

ピンクのアナベル2

ピンクのアナベルの改良種。ピンクアナベルより茎がしっかりとしている。咲き始めは濃いピンクで徐々に淡くなる。

ピンクのアナベルジャンボ

アナベルジャンボのピンク花。花が大きく、茎がしっかりとしている。咲き始めは赤みを帯びたピンク、咲き進むとグリーンがかったピンクに変化する。

ル・マニフィーク

咲き始めはライムグリーン、徐々にピンクがかった白に花色が変化する。

ル・パルフェ

ソフトピンクの色合いのアナベル。

ピコティシャルマン

淡いピンクで花弁の外側にピコティが入る品種。つぼみの色は濃いめで、咲き進むと白くなる。

アナベルの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
剪定
肥料
開花

アナベルの栽培環境

日当たり・置き場所

アナベルは、日当たりの良い場所から半日陰まで栽培可能です。光が足りないと花つきが悪くなります。秋から初夏までは日当たりが良く、真夏は半日陰程度になるような環境が最適です。

用土

アナベルは肥沃な土壌を好みますが、さほど神経質にならなくても大丈夫な花木です。

地植えのアナベルは、植え付け時に堆肥や腐葉土を混ぜ込みながら植え付けましょう。

鉢植えのアナベルは、草花用の培養土で問題なく育ちます。最近の培養土には肥料が含まれているものもあるので、土の成分などを確認して、肥料が入っていないようなら、元肥を入れて植え替えましょう。

アナベルの育て方のポイント

水やり

地植えのアナベルは、根付いてからの水やりは特に必要ありません。

鉢植えのアナベルは、鉢の表面の土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり水を与えましょう。

アナベルをはじめとしたアジサイの仲間は、水を欲しがる植物です。水切れを起こさないように注意しましょう。

肥料

自然の循環ができている肥えた土ならば特に与えなくても毎年開花します。

与える場合は、寒肥と花の後のお礼肥として、緩効性肥料もしくは有機質肥料(園芸用として市販されている固形の油粕など)を与えましょう。

病害虫

アナベルは病害虫には強い植物です。

株が茂りすぎて蒸れたりすると、うどんこ病モザイク病に感染することがあります。すきこみ剪定をして風通し良く育てますが、うどん粉病にかかった葉はすぐに取り去りましょう。モザイク病は、かかった枝はすぐに処分します。株全体に感染してしまった場合は、抜き取ります。

アナベルの詳しい育て方

選び方

アナベルは、ポット苗や鉢ものとして出回ります。葉に傷みがない株を選びましょう。

最近はたくさんの品種があります。品種によって、背丈、茎の強さ、花色、花の大きさなどが違うので、植え付ける場所の環境を考慮して好みの品種を選びましょう。

植え付け

アナベルの植え付けは、葉が動き出す前の春早くか、生長が止まる10月~11月に行います。

根鉢の倍ほどの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。

植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。

仕立て方

品種によっては茎が細いものがあるため、風対策として支柱で保護すると安心です。

剪定・切り戻し

アナベルは「新枝咲き」なので、剪定の時期と剪定する位置がある程度自由なため、剪定はとても簡単です。

アナベルの剪定時期

花が終わった後から冬まで、剪定の時期が自由です。花芽は4月以降にできるので、雪の降るエリアは秋、暖地は2月~3月までに剪定します。

アナベルの剪定方法

アナベルは新枝に花が咲くため、剪定に決まりがありません。弱剪定、強剪定のどちらの剪定も可能です。仕上げたいサイズをイメージして剪定することができます。ただし、強く切るか、弱く切るかによって、咲く花に違いが出てきます。

アナベルの強剪定

強剪定の場合は、地際2~3節でばっさりと切り詰めます。春に伸びる枝の数が限定されるので、花数は少し減りますが、枝に勢いが出て、花が大きくなります。

アナベルの弱剪定

弱剪定の場合は、花の後に花だけ切って、さらに秋以降~冬にかけて、充実した芽の上で軽く剪定します。弱剪定の魅力は、古い枝を残すので、そこから新しい枝がたくさん出ます。その分、花数は多くなりますが、枝が多いのでエネルギーが分散されて花のサイズは小さめになります。

雪があまり積らないエリアは、強剪定、弱剪定を選べますが、雪が積るエリアのアナベルは、強剪定で剪定します。これは雪の重みで枝が折れてしまう可能性があるからです。

また、公園などの公共スペースのような、決まった時期にしか手入れができない場所は、一度でばっさりと切る強剪定が一般的です。

植え替え・鉢替え

鉢植えで育てているアナベルは、一年に一度植え替えを落葉期の3月までに行います。根が張る植物なので数年で鉢が根で一杯になり、花付きが極端に悪くなるので注意しましょう。

アジサイ アナベル

6月~7月に開花します。つぼみのうちはグリーン、咲き進むと白に花色が変化し、その後は再びくすんだグリーンの秋色になります。初夏から秋までの数か月間、グリーンから秋色になるまでの経過を楽しむことができます。

 

秋色になったアナベルを放置すると次第に茶色に変化してきます。くすんだグリーンベージュのような秋色になったアナベルは、ドライフラワーとして楽しむことができます。

秋色になったアナベルを放置すると、次第に茶色に変化してきます。花がきれいなうちに剪定するなら、上記のようなグリーン色の状態の時が適当です。

収穫

アナベルは、生花としても初夏から秋ごろまで流通しています。

切り花として楽しめる他、秋色のグリーン色になってからは、ドライフラワーにすることもできます。リースやスワッグなど、クラフトにもとても重宝します。

夏越し

午後の西日が強い場所の場合は、株元にマルチングをして暑さの対策をしましょう。

冬越し

アナベルは耐寒性があるので、特に冬越し対策の必要はありません。雪国のアナベルは雪の重みで枝が折れる可能性があるので、雪が積る前に地際で剪定します。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

アナベルは、挿し木で増やすことができます。6月~7月に2~3節、丈にして10cm弱にカットした茎を、2~3cm土に挿して土を乾かさないように管理すると1か月くらいで発根します。使う土は、挿し木用の土か小粒の赤玉土が適当です。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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