フデリンドウ
- フデリンドウは秋に発芽し春に小さな可愛い花を咲かせる、越年性の一年草です。明るい雑木林などに自生しています。5㎝~10㎝にも満たない小さな草丈で、茎の上に数輪の小さなリンドウのような花を咲かせます。花は雨天や曇天の時には開きません。この蕾の状態が筆のようだということから、フデリンドウの名前が付きました。春先のまだ緑少ない雑木林のなかで枯れ葉の間からちょこんとフデリンドウの花が顔をのぞかせている姿はとても可愛らしく、発見した時の喜びもひとしおです。 フデリンドウによく似た花でハルリンドウがあります。フデリンドウとの違いは、ハルリンドウは湿った草原など湿地を好みます。さらにフデリンドウは群生する習性はないようで、山野でぽつりぽつりと咲いていますが、ハルリンドウは群生します。ハルリンドウは一つの茎に対して花は一輪ですが、フデリンドウは数輪咲かせます。ただしこれは環境によって変わってきますので、確実な見分けるポイントにはなりません。一番大きな違いは、ハルリンドウは根生葉という足元の地面から直接出る葉がありますが、フデリンドウにはこれがありません。