- ゴンズイは、ミツバウツギ科ミツバウツギ属、日本在来種の落葉高木です。以前はミツバウツギ科ゴンズイ属の1属1種とされていましたが、分類体系の見直しによりミツバウツギ属になりました。ゴンズイという名前の由来は、魚のゴンズイと同じように役に立たないから、熊野権現の護符を立てる際に使う牛王杖(ごおうづえ)がなまったもの、実の美しさから天人五衰の五衰を連想するからなど、諸説ありますが、どれも判然としません。 ゴンズイは、樹高3~6mで、関東以西の山林に自生している他、公園や庭園に植栽されています。葉は奇数羽状複葉といって、茎の両側に鳥の羽を思わせるように葉がついているフォルムをしています。花が咲くのは5月~6月、円錐形の房状に黄みがかった白い花を咲かせます。8月~11月に実る実は、赤く肉厚で、熟すと果皮が反り返って光沢のある黒い種子が見えるようになります。この種子はしばらく果皮に付いたまま枝に残るので、ちょっと独特な景色を見られます。 魚のゴンズイと同じように役に立たないから、といわれていますが、緑化樹として植栽されていたり、かつては新芽を食用にしたり、中国では薬として利用されたりしていました。まったくの役立たずの樹木というわけではないようです。