- シダレザクラは、枝垂れる枝にたくさんの花を咲かせるバラ科サクラ属の落葉高木です。イトザクラ(糸桜)とも言い、エドヒガンの枝が枝垂れる変種を元にした栽培品種です。広義には枝垂れるサクラの品種すべてをシダレザクラと呼びますが、狭義のシダレザクラとは、Cerasus itosakura のことです。イトザクラという名前は、枝垂れた枝から次々と脇枝を伸ばす様子が、細い糸が垂れているようだからというのが由来とされています。 シダレザクラは、ソメイヨシノより少し早い、3月後半から咲き始めます。枝を大きく枝垂れさせるのが特徴で、花の大きさはソメイヨシノよりも少し小ぶりで直径3cm程度、花の後に葉が展開されるので、咲いているときは花が降ってくるような美しい姿を楽しむことができます。花色は白、薄紅色から濃いピンク、咲き方は一重咲きから八重咲きまであります。シダレザクラの中でも花色が濃いものをベニシダレ、八重咲きをヤエシダレ、濃いピンクで八重咲きのものをヤエベニシダレと呼びます。 シダレザクラの葉は、長さ3~4cmの楕円形で先がとがり、縁には鋸歯があります。夏の間はグリーンの葉を茂らせ、秋には黄色く紅葉します。花の後にあまり目立たない小さな果実が実り、色づき始めは赤、熟すにつれて黒くなっていきます。シダレザクラのサクランボに毒性はありませんが、おいしくないので食用にはしません。 シダレザクラは種からも発芽しますが、親と同じように枝垂れる株は少ししか出てこないので、エドヒガンの幹にシダレザクラを接ぎ木をして作られています。