クリプタンサスとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- クリプタンサス
- 学名
Cryptanthus
- 英名
- Cryptanthus、Earth star
- 科名
- ブロメリア科
- 属名
- クリプタンサス属
- 原産地
- ブラジル・南米など
クリプタンサスの特徴
クリプタンサスはティランジアと同じブロメリア科クリプタンサス属に分類されれるパイナップルの仲間です。
常緑多年草の植物で、ブラジルに分布するグラウンドブロメリアです。「クリプタンサス」とは「隠れた花」という意味し、小さい花を株の中心につけます。
上から見たときに星型に見えることもあり英名は「アース・スター」です。交配種も多く、成長がゆっくりなものや、乾燥を好むもの、湿気を好むもの、斑点模様、縦縞模様など姿や特性の種類も様々です。
クリプタンサスは森林に生えているため直射日光などは苦手です。そのためティランジアと同じように遮光をして育てるのがポイントになります。遮光が強すぎると葉の発色が悪くなるので、調節してください。
クリプタンサスの詳細情報
園芸分類 | 観葉植物 |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白色 |
開花時期 | 不定期 |
クリプタンサスの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
クリプタンサスの栽培環境
日当たり・置き場所
【屋外】
屋内から屋外に出した直後に直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまいます。最初は日陰に出して徐々に日光に慣らしていくか、30%~50%の遮光をしてください。
遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。
【屋内】
屋内で管理する場合は日光不足になり、徒長してしまうことが多いのでなるべく日光が当たる場所に移動してください。
室内でも直射日光は厳禁です。レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。直射日光に当たると葉焼けを起こす可能性があるので30%~50%遮光した風通しの良い場所に置いておくと安心です。室内ではレースのカーテン越しの光が当たる場所が好ましいです。植物育成ライトやメタルハライドランプを導入するなどして補ってください。
ライトやランプの種類によっては本体が高熱になり、火災の原因となることがあるので、取り扱いには充分注意してください。
置き場は室内室外関係なく、日当たりがよく、風通しの良い場所に移動してください。風通しが悪いと水やり後に蒸れてしまい、腐って枯れてしまいます。
温度
クリプタンサスの適温は20℃~30℃です。最低気温10℃、最高気温40℃までは耐えますが、それを越えてしまうと弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまいます。
最低気温10℃以下になる場合は屋内に取り込むか、温室の中にクリプタンサスを移動し、ファンヒーターなどを使って保温してください。
最高気温40℃を越える場合は扇風機やサーキュレーターを使って風を当てるか、日陰に移動してください。
長い時間日陰に置いておくと、日光不足で徒長する危険性があるので、午前中など40℃を越えない時間帯は日当たりのいい場所に置いてください。
用土
クリプタンサスは地面に生えているグランドブロメリアなので、水はけの良い土を使って素焼き鉢に植え込むのがおすすめです。
クリプタンサスの育て方のポイント
水やり
クリプタンサスはどの種類も共通して2~3時間濡れている状態がベストです。
【屋外】
最低気温10℃以上の季節は毎日~2,3日に一度のペースで、夕方~夜の涼しい時間帯に水やりを行ってください。屋外は蒸れる心配がないので、水やり後に株を逆さまにする必要はありません。午前中に雨が降った日は水やりをしなくて大丈夫です。
最低気温10℃以下の季節は週に一度のペースで午前中に水やりを行ってください。夕方~夜の気温が下がる時間帯に水やりをしてしまうと、凍ってしまい最悪の場合枯れてしまいます。
【屋内】
最低気温10℃以上の季節は2,3日に一度のペースで水やりをしてください。
水やり後に風通しの悪い場所に置いておくと蒸れてしまい、腐って枯れることがあるので株を逆さまにして置いておくか、扇風機やサーキュレーターで風を当てて下さい。
最低気温10℃以下の季節は耐寒性を上げるためと、徒長を防ぐために、週に一度のペースで午前中に水やりを行ってください。夕方~夜の気温が下がる時間帯に水やりをしてしまうと、凍ってしまい最悪の場合枯れてしまいます。
冬に乾燥してきて部屋の湿度が極端に下がってきたら加湿器を使って過湿するか、霧吹きを使ってクリプタンサスを置いてある場所付近の湿度を上げて下さい。
肥料
肥料はなくても育ちますが、施肥をした方が生長が早く、花のボリュームも多くなります。
肥料は正しい希釈倍率で使わないと、肥料焼けという葉焼けに似た状態になってしまいます。クリプタンサスの希釈倍率は約1000倍です。施肥は水やりの2,3回に一度のペースか、週に1度のペースで行ってください。施肥をした次の日の水やりでは、葉の表面に残っている液肥を洗い流すイメージで、たっぷりと行ってください。
【施肥するときの注意点】
屋内から屋外へ出した直後に1000倍希釈の液体肥料を施肥してしまうと、刺激が強すぎて肥料焼けしてしまいます。そのため2000倍希釈から始めるか、屋外の環境に充分慣れたタイミングで施肥してください。
真夏や冬場は生長が緩慢になるので施肥の必要はありません。
病害虫
【ハダニ】
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。
【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがクリプタンサスの中に侵入し、病気を発症させます。また、発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。
【カイガラムシ】
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。
【ナメクジ】
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、葉の大半を食害されたり、ティランジアの根元付近の基部を食害された場合は枯れてしまう可能性があります。
【ダンゴムシ】
柔らかい花芽や発芽したての株、トリコームを食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、地面の近くにティランジアを置いている場合は注意が必要です。一度食害されたトリコームは復活しないので、注意してください。
【ヤスデ】
柔らかい花芽やトリコームを食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、地面の近くにクリプタンサスを置いている場合は注意が必要です。一度食害されたトリコームは復活しないので、注意してください。
【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
【黒カビ】
梅雨時など湿度の高いときに風通しの悪い所に置いておくと、黒カビが繁殖して黒い斑点が葉に出ることがあります。少量なら気にする必要はありませんが、黒カビが大繁殖して葉を覆ってしまうと枯れてしまいます。繁殖させないようになるべく通気性の良い場所に置いて下さい。気になるようなら、カビに侵された葉を切り取ってください。
クリプタンサスの詳しい育て方
選び方
買う時に注意したほうがいいポイントは全部で5つあります。
・葉先が枯れていない
・葉に弾力がある
・株に重量感がある
・害虫がついていない
・病気になっていない
特に注意してほしいのが病気と害虫の有無です。病気や害虫が付いている株を家に持ち帰ってしまうと、その株が原因で他の株にも病害虫が広がってしまう可能性があります。
病害虫さえ付いて無ければ、他のポイントは妥協しても大丈夫です。
種まき
種が採取出来次第すぐに種まきをしてください。水で戻した水苔の上や濡らしたキッチンペーパーの上に蒔いて、常に濡れている状態にすれば1~2週間程度で発芽します。
植え付け
水はけの良い土に植え付けてください。
剪定・切り戻し
古くなり、枯れてしまった葉を取り除いてください。
植え替え・鉢替え
1年に1度、梅雨時に行うのがおすすめです。
花
特定の開花時期はありません。株がある程度大きくなったら開花します。
収穫
特に収穫するものはありません。
夏越し
気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30~40%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。水やりは毎日~2、3日に一度のペースで夕方~夜に行ってください。午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。
活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に一度のペースで行うと夏バテを防止できます。
冬越し
気温が10℃以下になったら耐寒性を上げるためと、徒長を防ぐために水やりを週に一度のペースで午前中にたっぷり行ってください。
気温が10℃を切らないように室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。
活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に一度のペースで行うと耐寒性を上げられます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
株分けをすることができます。
病害虫の駆除
ハダニ、アブラムシ、ナメクジ、カイガラムシ、ダンゴムシはLOVEGREEN内の記事で詳しく紹介しているのでご覧ください!
バッタ、ヤスデ、は見つけ次第割りばしなどを使い捕殺するか、防虫ネットをお使いください。
クリプタンサスを株分けする方法
では早速クリプタンサスを株分けしてみましょう!
トゲが生えているので、株分けするときに軍手などがあると良いと思います。まずはじめに、クリプタンサスを鉢から出して水の中に入れ、土を落とします。
ある程度落としたら水から出して大雑把に株分けします。
大きいので手で簡単に分けられます。
これをさらに株分けします。手で株元を掴み、倒すようにすると簡単に外れます。
外した子株はこのようになっています。
株分けに失敗して株元が折れても大丈夫な場合があるので、捨てずに管理して下さい。
小さい子株は外さずに残しておくと生長がはやいです。
今回は全部で10株ほど子株がとれました。
では早速鉢植えにしていきましょう!クリプタンサスは赤玉土単用か、軽石+水苔を使用するのが好ましいです。今回は軽石+水苔で植えていきます。まず、鉢の約半分に軽石を入れます。
次にクリプタンサスに水苔を巻きます。
鉢の中央に乗せます。
周りに軽く絞った水苔を敷いて上から押して脱水します。このとき水苔を思いっきり押してしまって大丈夫です。これで完成です!