アレカヤシとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- アレカヤシ
- 学名
Dypsis lutescens
- 英名
- Areca palm
- 科名
- ヤシ科
- 属名
- ディプシス属
- 原産地
- マダガスカル
アレカヤシの特徴
アレカヤシという植物の名前を聞いてもピンと来ない方が多いと思いますが、レストラン入口やホテルなどのロビーに飾ってある背の高い、放射線状に茂る葉の木、観葉植物だと言われるとイメージできるのではないでしょうか。
名前を覚えることはしなくてもいつも目にしている観葉植物。それがアレカヤシです。アレカヤシを置いているお店などは通常150㎝前後の者が多いと思います。
しかし、この植物は際限なく成長するので、原種や原産国であるマダガスカルなどでは10mを優に超えます。中には20mを超えるなんて大物もあります。
暖かい地方の植物なので寒さには弱いです。日本で育てる場合は、冬は必ず室内など暖かい場所に避難させてください。
日本では沖縄で街路樹として植えられています。アレカヤシの実はいわゆるココナッツのようなものとは違い、幹の途中に黄色く小さい実をたくさん実らせます。
アレカヤシの詳細情報
園芸分類 | ヤシ・ソテツ類、観葉植物 |
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草丈・樹高 | 1.5m程度 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
アレカヤシの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 |
アレカヤシの栽培環境
日当たり・置き場所
日光
アレカヤシは真夏の直射日光に弱いため半日陰で管理してください。
【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、夏の直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~50%の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。
気温が高ければ高いほど葉焼けは起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。
遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。
【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。
室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。
【置き場所】
耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。
温度
低温にそこまで強いという訳ではないので、10℃以下にならない様に気をつけましょう。
ベランダ等で育てられている方は、外の気温が20℃ぐらいから室内に取り込んで下さい。
気温が15℃前後になると成長が緩慢になります。
用土
アレカヤシ は水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。
そのため、出来るだけ水はけの良い土を使うのをおすすめします。
自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。
また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。
アレカヤシの育て方のポイント
水やり
アレカヤシは気温が低くなると休眠するので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。
【気温が15℃以上のとき】
主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。
【気温が15℃以下のとき】
アレカヤシは気温が15℃前後を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、土の表面が完全に乾燥してから2~3日後に水やりをしてください。
アレカヤシを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。
水やりの回数を減らしてアレカヤシの葉が落ちてきたりするようならば水やりの回数を増やすなど調整してください。
【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。
アレカヤシは葉にホコリが積もりやすいので、葉水のときに濡らしたティッシュペーパーか、ハンディモップを使って拭いて下さい。
肥料
春から夏にかけて栄養が必要になります。養分が足りないと目に見えて葉が変色していきます。黄色く色づいてしまったり、艶がなくなり萎れてしまったり。そのような状況になる前に、追肥を施しましょう。
冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。
病害虫
【ハダニ】
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。
【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがアレカヤシの中に侵入し、病気を発症させます。
また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。
【カイガラムシ】
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。
【ナメクジ】
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。
【ダンゴムシ】
柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにアレカヤシを置いている場合は注意が必要です。
【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。
アレカヤシの詳しい育て方
選び方
アレカヤシを買う時は必ず病害虫に注意してください。
ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々アレカヤシが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。
園芸店で選ぶ際、気を付けることは真っ直ぐに育っているか。成長が止まってしまったり、養分が足りないと歪んだ部分が出てきてしまいます。また、葉の緑が濃いかどうかも良い苗か見分ける基準になるでしょう。
種まき
種まきと言う方法は(現時点一般の人が購入するルートとしては)ありません。株分けや園芸店で鉢に植えられているものを購入する形となります。
植え付け
植え付けは5月~6月の暖かい時期に行うのがおすすめです。 7月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けるようにします。
根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。
剪定・切り戻し
アレカヤシは一年中葉が生えてくるので剪定は常に行います。葉と葉が重なり合い、成長を邪魔をし合っているタイミングで行うと良いでしょう。また観葉植物なので見ためを考えバランスを取りつつ行うと良いです。
植え替え・鉢替え
アレカヤシは植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになってしまい根詰まりを起こしてしまいます。
そのため、環境にもよりますが1~2年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。
水はけの良い土を使って植え替え、鉢底にはしっかりと鉢底石を入れてください。
植え替え時期は5~6月頃が最適です。
植え替えをする場合気を付けないといけないことは、鉢の大きさです。品種にも寄りますが、大半は大きく成長するものばかりです。初めに植え付ける場合は苗よりも一回り大きい鉢で構いませんが、成長したからと言って大きな鉢に植え替えてしまうとその鉢分大きくなってしまいます。鉢に合わせて成長してしまうのです。高さ制限などを考えて植え付けの鉢は考えましょう。
夏越し
屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30%~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。
水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。
午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで行うと夏バテを防止できます。
冬越し
気温が15℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを土の表面が完全に乾燥してから2~3日後に行うようにしてください。
気温が10℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように20℃前後になったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。
ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。